
リベートとは、売上割戻や仕入割戻のように、メーカーや卸売といった流通の上流から卸売や小売といった流通の下流に対して、事後的に支払われる報酬の事を指します。
このリベートは商品の売上高や取引量などの条件を指定し、それをクリアーした流通業者に対して支払われます。
■リベートの種類
このリベートには、累進リベート(取り扱われた自社製品の数量や金額に応じて支払われる)、専売度リベート(自社製品を専売したことによって支払われる)、ロイヤルティリベート(自社の方針に従った事に対して支払われる)といった種類があります。
例えば、自社の商品をたくさん売ってくれた小売店に対して「仕入割戻」といった形で仕入れ代金を差し引くことが考えられます。
このリベートは、たくさん売れば原価が下がるといった種類のものになりますので、リベートをあてにして、特売するといった事も行われています。
■リベートというと不正なイメージがありませんか?
リベートとは、流通の上流の業者が、消費者に近い流通の下流の業者が払った支払いの一部を上記のような理由で払い戻すと言った意味あいのものになります。
そのため、報奨金とかキックバックといった割戻金以外の名目で支払われることがあります。ただ、適正な範囲であれば通常の商取引であるため問題はありません。
しかし、取引先の会社ではなく、取引の見返りなどで担当者に渡してしまうとこれは犯罪行為になってしまいます。賄賂とかそういったモノは社会運営上望ましくありませんので決して、要求しないように、また要求されても支払わないようにすることが大切です。

小売業にとってはね、とっても大事なモノがあるのよ。たくさん売れば売るほど、仕入に払ったお金が戻ってくるっていう。

そうですね、リベートは結構重要よね。なんかリベートって言うと不正とか目くじら立てる人がいるけど、ウチはそんな事はしないわよ。

ですよね。小売業側も仕入れ担当者にはしっかりとその辺は説明しているし、ちゃんと法令を遵守して仕事しないとね。

ただ、流通の上流側にとっては誰に払っても100万円は100万円って面があるから、上流側も法令遵守が大切ね。

ですわね。みんなで透明な商取引を実現していくのが大切ですわ。
■リベートが不正になるケースもあります
ただ、通常の取引の範囲から逸脱した行為が絶対にだめにしても、通常の取引だと誤解してしまい、知らず知らずに不法行為を行ってしまう恐れもあります。
それは、排他的リベートと呼ばれる種類の取引です。
しかし,ある事業者が,相手方に対し,当該事業者からの購入額や購入量,購入額(購入量)全体に占める当該事業者からの購入額(購入量)の割合等が一定期間において一定以上に達することを条件としてリベートを供与することは,取引先に対する競争品の取扱いを制限する効果を有する場合がある。排除型私的独占に係る独占禁止法上の指針 公正取引委員会(注1)
厳密な言葉遣いをするために、難しく書いてありますが、簡単に意訳すると、誰かを排除する目的でリベートを設定してはいけませんということです。
例えば、売れば売るほど極端にリベートが増えていくような設定をした場合はどうでしょうか?
このような場合、競合他社の商品を取り扱うよりも、リベートを出してくれる企業の商品を集中的に取り扱った方が得となります。あと●ヶ売れば割戻率が●●%になる場合は、競合他社の商品を取り扱うのではなくその企業の商品を売った方が得ですから。
しかし、このような取引は、取引相手の排除に結びつくとされているのです。
関連法令
(注1)公正取引委員会
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