計画的陳腐化_001

計画的陳腐化とは需要を喚起するために、意図してすでに市場に出回っている旧製品を陳腐化させる手法のことを言います。

この計画的陳腐化の方法として、機能を陳腐化させる方法、心理的に陳腐化させる方法、物理的に陳腐化させる方法があります。

それぞれの方法を見ていきます。

1.機能を陳腐化させる
旧製品よりも優れた機能を持つ機種を市場に投入して、旧製品を陳腐化させる手法です。毎シーズン、スペックが良くなっていくスマートホンのような製品が該当するかもしれませんね。

2.心理的に陳腐化させる
デザインを変化させた新製品を市場に投入して、旧製品を陳腐化させる手法です。機能面ではほとんど変わらないけれども、デザインを変えた製品を販売するといったイメージですね。

自分が旧世代のものを使っているときに、最新のものを持っている人が近くにいたりすると、何となく気恥ずかしく感じる人もいると思います。別に、昨日は陳腐化していなくても見た目が良くないような気がするといった心理を利用して、実質的に陳腐化させるといったわけです。

3.互換性を無くす
あえて最新の消耗品や付加機能を提供するアタッチメントなどと互換性を無くし、物理的に取り付けができないようにする方法が考えられます。

ずっと使っていた商品の消耗品や最新のアタッチメントが使えなくなったことから、買い替えを検討された方も多いはずです。

4.製品寿命の短命化
製品を設計する際に、どれだけの期間利用できるかについても設計することができます。例えば、強度が出る加工方法で良い材料を用いれば、製品寿命は延びます。

逆に強度が出ない加工方法を用いる、材料の質を下げるなどをすれば製品寿命は長くなりません。

決して壊れない消耗品を作ってしまうと交換需要が喚起できないため、技術的には可能であっても決して壊れない消耗品を作る企業は多くありません。

こういった観点も製品寿命を短命化しているということができるのです。

5.物理的に陳腐化させる
これは、あえて特定の部品を壊れやすく作っておき、買い替え需要を狙うといった手法です。製品寿命の短命化と似ていますが、あえて壊れやすく作るといった点でとても悪質な手法です。

しかし、製品の品質が悪いといった印象をもたれると、結果として大きな損失を被るため、このような手法を採る製造業は存在しないです。(と信じたいですね。)

いずれにしても、この計画的陳腐化は資源の浪費を招きますし、消費者のためにもなりませんので、このような戦略の採用は止めていただきたいと思います。

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