チェリーピッカーとは特売品ばかりを購入する客層のことを言います。美味しそうなサクランボを摘んでいく人といったイメージです。(美味しそうなサクランボとは値引きの大きな商品の比喩ですね。)
別の言い方ではバーゲンハンターと言われます。
■チェリーピッカーは小売業の戦略を逆手に取るお客さんです
小売店ではよく、特売品(ロスリーダー)を用いてお客を集め、全体として利益を確保するという方法が用いられます。
しかし、チェリーピッカーはお店の意図とは異なり、特売品しか買っていきません。そのため、チェリーピッカーばかりが集まっても儲けが出にくくなってしまいます。
このような価格ありきでのお客様をたくさん集める事は小売業にとっては喜ばしいことではありません。
これだけでなく、チェリーピッカーが大挙して訪れると、お店が混み合うため通常の業務が難しくなります。
また、本来大切にしたいお客様が特売品を購入することができなけれ最悪の場合顧客離れが起こってしまいます。
厳しい言い方をすれば、チェリーピッカーはあまりいいお客様ではないというわけです。
ただし、捨て値であっても在庫処分をしたい場合にはチェリピッカーであっても集まってもらうことに価値があります。
あのお客さん、いつも処分品だけ買っていくね。チェリーピッカーの人なのかな?
まあ、仮にそうだとしても処分品を買ってくれるのはありがたいのよ。在庫をたくさん持つと商売が上手くいかなくなるからね。あと、チラシとかでチェリーピッカーをわざわざ集めるような商売もしないし。
確かに特売品目当てで混みすぎるって事はないですね。
そうよ。小売業はまだいいとしても、値引き目当てのお客さんを集めすぎて、本来の常連を断るような飲食店はないがしたいのかわからないわ。
オーナーさん、先週牛丼屋さんの特売が混でていて食べられなかったこと根に持っているんですね。
■顧客は平等ではありません
商売をする以上、自社の売上げ、利益を最大化していくことが重要ですし社会的な責任です。
その意味からすると、良い顧客と良くない顧客の区別はあります。
すなわち、自社の常連は良い顧客で、チェリーピッカーに代表されるような価格しか見ない顧客は良くない顧客です。
このことを忘れて、一時の売上アップを狙って常連客になりそうもない人をコストをかけて集客してしまうと、本来の常連客が離れてしまうと言った極めて厳しい状況に追い込まれてしまいます・
■チェリーピッカーを阻止するのは難しい
とはいえ、チェリーピッカーの人お断り的な事をすると非常に感じが悪くなります。
例えば、特売品は1000円以上購入した人だけ購入可能などとやったら、常連で通っているお店であっても感じが悪いですし、店員さんがそのチェックをする手間もかかってしまいます。
このように、有効なチェリーピッカー対策というのはなかなか存在しないのです。
■値下げをしないという戦略は一定の有効性を持ちます
EDLPという戦略があります。これは毎日安いといった考え方で、エブリデーロープライスといった考え方です。この考え方ならば毎日安く売るため、チェリーピッカーを集める特売を行いません。
この場合は、チェリーピッカーが集まることで生じる弊害をかなりの範囲で避けることができます。
このまんがに出てくる3人組も特売品ばかりを買っているようです。しかもそれを自覚しているらしく「チェリーピッカーズ」などと名乗っています。
解説で出てきた用語・関連用語
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