勘定科目法_001
勘定科目法とは費用を固定費変動費に分ける方法の一つで、勘定科目ごとに固定費と変動費に分ける方法です。

これは例えば、減価償却費は固定費、水道光熱費は変動費といったように、勘定科目ごとにこれは固定費、これは変動費と分解する方法です。

もちろん、水道光熱費を変動費としても、基本料金という固定費部分が存在していますし、減価償却費も操業度が著しく向上すれば追加の設備導入が必要となるので変動費的な要素もあります。

しかし、それを言っていたのではいつまでたっても固定費と変動費に分解できないため、ある程度割り切って分解してしまいます。

この方法は、固定費と変動費を分解する人の主観に頼ってしまうため若干客観性に欠けるという欠点がありますが、実務では広く用いられています。

このまんがでは、課題として固定費と変動費になる勘定科目を探させています。具体的な勘定科目で考えるのでこの勘定科目法はわかりやすいのですね。

但し、このまんがで出てくるように給料は固定費として扱われることが多いですが、4コマ目で言っているように、変動費的な側面も持っています。 これは、操業度が増えれば、残業で対応するため、割増賃金を支払いますし、操業度が著しく増えれば、人を追加で雇うといった事があるためです。

■勘定科目法と他の方法の違い

勘定科目法はわかりやすいのが最大のメリットですし、中小企業(その中でも小規模事業者寄り)の費目分析ではよく使われます。

何より、社長や従業員が直感的に理解しやすいというのは理論的に優れているかどうかというよりも、現場の改善に役立てやすいという直接的なメリットとなります。

さて、この方法に対して高低点法といった方法もあります。詳しくは別記事で解説していますが、売上の増減と費用の増減をグラフ化して、切片のある一次関数の形で表現する方法です。(割り切った方法ですが、分析しないよりは全然いいです)

この他には、最小二乗法(最小自乗法)といった方法もあります。こちらは、統計的に費用と活動量(売上)の関係を近似処理するので計算自体は簡単(Excel等の表計算ソフトが使えれば算出方法など知らなくても出来ます)ですが、データを集めるのが結構面倒です。

中小企業支援の現場では最小自乗法で使うデータを集めたり、その意味を理解してもらうことが難しかったりします。

これらの意味から、勘定科目法が支援現場では第一選択肢となりがちです。

■勘定科目法の実務的な活用と限界

勘定科目法による固定費・変動費の固変分解は経営改善の第一歩としては極めて有用です。売上高に対する費用構成を把握することは原価の変化を早期に察知する事ができますから。

しかし、分けた後にどうするかも併せて考えていかないとあまり意味が無くなってしまうというのも注意が必要です。(知るだけでも意義はありますが)

例えば、電気代の増大は一般的には「変動費」の増大に当たるので、本当に操業度(売上)が増えたのかを確認する必要があります。また、人件費や外注費などの主要な費目のチェックだけでも十分に効果があります。(人件費は一般的には固定費(もしくは準固定費)、外注費は変動費に分類されます。)

分けて把握しておけば、無駄が何処になるのか、改善策はどうなるのかが見えやすくなります。

ただし、他方で分類することが目的になってしまうと、実務的に改善のスピードが下がってしまいます。とくに中小・小規模事業者は管理会計に割くための経営資源が乏しいケースも多いため、緻密な分析を目的とするのではなく、経営判断を助けることを目的として運用していくほうが望ましいでしょう。

■勘定科目法についてのまとめ

簡便に使え、理解もしやすいですしデータも揃えやすいため中小・小規模事業者支援現場では第一選択肢となりがちですが、主観的な分け方なので正確性には若干の難があります(でも、ものづくり補助金や再構築補助金など数千万円レベルの補助金申請レベルでは十分な精度が出ますよ)