完全競争_001
完全競争とは、市場で完全な競争が行われた場合を想定した、理想的な競争のモデルです。

このような状態のとき、価格は需要と供給の均衡する点で決定され、いかなる市場参加者も自分の都合で価格を決めることはできず、価格は与えられるものとなります。(すべての市場参加者はプライス・テイカ―となります。)

この完全競争の状態とは次の要素を満たす場合とされています。

1.市場に多数の売り手と買い手が存在している状態で、どの市場参加者も非常に小さく、どのような行動を採っても、他の市場参加者に影響を与えない状態であること。

2.すべて商品は、同じ種類である限りほかの商品で代替可能である。

例えば、砂糖という商品であれば、どこのメーカーのモノを購入しても全く違いがないという事です。そのような場合、価格が購入の決め手となると考えられます。(極度にコモディティ化が進んでいるイメージですね。)

3.売り手も買い手もすべての市場参加者の情報を知っている。(売り手と買い手に情報の非対称性がない)

4.市場への参入や退出は完全に自由である。(参入障壁撤退障壁がない)

どうでしょうか?ほとんど非現実的な条件が並んでいますよね。これは経済人モデルと同じように理論的なモデルで、複雑な現実をこのような完全競争という単純なモデルに置き換えて分析しようという考え方です。このような前提に立って実際の経済活動を眺めることによってさまざまな有益な理論を導き出すことが可能となっています。

このまんがではある商品について完全競争という状態になっていることを示しています。

1コマ目では、買い手はすべての情報を知っている為、ワザワザ高い方では買い物をせず、2コマ目では買い手は規模が小さいので他の市場参加者に影響を与えることができないと言っています。

3コマ目では、商品に差別化する要因が全くないため、購入してもらうためには単純に値段勝負になっている事、価格は市場の相場をそのまま受け入れるしかないという事を言っています。

4コマ目では、自由に新規参入ができるという事を言っています。

少し厳しい条件ですが、このような条件が満たされれば、需要と供給の均衡点で価格が決定される完全競争という状態になるのです。
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