レッドオーシャン_001
レッドオーシャンとは激しい競争環境の血みどろの海のことを言います。といっても、競争はあるのが当たり前なので実質的には通常の市場の事を指します。

これは、ブルーオーシャン戦略の説明でブルーオーシャンとの対比で既存の市場を説明したことから来ています。

すなわち、ブルーオーシャンとは新市場であり、競争のない青い海である。これに対して既存の市場はレッドオーシャンであり、血で血を洗う競争が行われているとした事から来ています。

この競争が激しい市場(レッドオーシャン)では、競争の果てに製品がコモディティ化してしまったり、儲からなくなってしまったりするとされていいます。

このレッドオーシャンでは通常市場と同じように競争がありますので、様々な競争戦略を駆使して生き残っていく必要があります。

このまんがでは、受験勉強は競争が激しいレッドオーシャンであると言っています。通常の受験は、やることが決まっているわけですから(戦う土俵は決まっているわけですから)、その中でより高いパフォーマンスを発揮した人が勝つという感じです。

そうなると、血で血を洗うような激しい競争が待っているというわけです。その結果、レッドオーシャンになる(海は血で染められて赤くなる)というイメージです。

大人の競争とは、ここが異なる部分ですね。大人になると、自分で戦う土俵を選ぶことができますし(得意なことで勝負するという選択肢があります)、場合によってはブルーオーシャン戦略のように、自らの土俵を作り上げることもできます。

ただ、それを指摘したところで授業をサボる言い訳にはならないですよね。

■レッドオーシャンでの戦い方(とくに中小企業の戦略)

さて、「この市場はレッドオーシャンだ。だからブルーオーシャンを目指すべき」なんて発言しても全く意味のない理想論でしかありません。

殆どの市場は前述の通りレッドオーシャンですからそこでどう戦うかが重要になってくるのです。

これには色々な理屈がありますが、経営資源に制約がある中小企業・小規模事業者にとっては基本的には他社と違うことをするという差別化戦略がセオリーになります。

他社と違うことをやって、違う軸で選んでもらうことが重要になります。

例えばパン屋さんではヤマザキパンや第一パンなどと単純な値段や品質で競争してもなかなか勝負が難しい(できないとはいいませんが、商売をやる旨味は全く無いと考えます)、違いを打ち出すことが重要になります。

自然酵母を使うとか、小麦粉の挽き方が違うとか、味の工夫など大企業との違いを打ち出すことが重要です。

そしてソレはホンの少しの差でも良かったりします。「自社ならは」の打ち出しが重要になってくるんですね。

なお、この他に、コスト競争で戦うというコストリーダーシップというのもあるのですが、それは大企業の専売特許だと理解しておいてください。

自社よりも競合が弱い分野に経営資源を活かして乗り込むという方法も考えられますが、自社もその脅威に常にさらされているので、差別化という参入障壁を築き上げることに力を注ぐほうが望ましいでしょう。

つまりレッドオーシャンは避けるものではなく、「戦略で乗りこなす」ものなのですね。