抜き取り検査_001
抜き取り検査(sampling inspection)とは製品や部品の集まりの中から一定数を抜き取って検査を行い、不良個数が合格範囲内であれば合格とする検査方法です。

どれだけの数量を検査して合格・不合格を算定するかについては、統計的な手法を用いて決定します。

ここで、注意しなければならないのは、抜き取り検査に合格したからと言って、そのロットすべてのモノが合格品であると保証できないという事です。

合格とすべきロットを不合格としてしまう危険を生産者危険、不合格とすべきロットを合格としてしまう危険を消費者危険と言います。

すべてのモノが合格品であると言いたいのであれば(不合格品が一つでも混入した場合、命に係わる事故が起こる可能性があるような場合)全数検査を行うしかありません。

この抜き取り検査は全数検査に対して一部分しか検査しないので、検査の費用が少なくて済むという利点があります。また、壊さないと検査ができないようなモノ(破壊検査が必要なモノ)については、全数検査を実施することは不可能であるため、抜き取り検査を実施するしかありません。

例えば、電球の寿命を検査したいとします。合格するまで点灯するといった検査を全部に対して行ったら、売るものが無くなってしまいますよね?また、ヒューズのように切れる事によって、効果を発揮するような製品も全数検査を行ってしまうと売るものが無くなってしまいます。

これ以外では、ネジとかビスなどの安くて多量にあるものを全数検査したらコスト的に割が合わなくなります。

しかし、上でもあげているように、命にかかわるような重要な部品は全数検査を行う必要があると考えられます。例えば、飛行機のエンジンについては、検査しても壊れないですし非常に重要な部品なので全数検査が行われると考えることができます。

このまんがでは、全体をチェックする余裕がないので、一部分だけチェックして判断しようとしています。一部分だけ抜き取って判断するといったイメージですね。
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