
非価格競争とは、価格以外の要素で企業間が競争を行う事です。簡単に言うと、値下げ以外で競合他社に対抗する事を言います。それは、「他社とは違うなる『何か』」を持つことです。
■競争といえば価格競争ですが、それには問題が多い
みなさんは競争と聞いてどんな方法が思い浮かぶでしょうか?いくつかの方法を挙げていただくと、おそらく価格競争(値下げ)といった方法が、挙げた中に入っていると思います。
この価格競争は一般的に行われている方法ですが、価格競争を行うと収益の低下をもたらしたり、製品のイメージの低下をもたらしたりと、企業にとっては望ましい方法とは言えません。
■値下げに頼らずに行う『非価格競争』
この価格競争とは逆に、価格以外で競争を行うというアプローチを非価格競争と言います。では値下げに頼らず製品を売っていく方法ってどんなことが考えられるでしょうか?
それでは具体的な例を考えていきたいと思います。今回は、塩という商品を考えてみます。
通常、塩という商品は、どこの製品を購入しても大差がないため価格競争が行われる事となります。(コモディティ化しているため)
しかし、「○○の塩」や、「ドコソコの岩塩」などといったようにブランド化できれば直接的な価格競争に巻き込まれることは少なくなります。また、塩の専門家が料理の種類ごとに望ましい塩を提案してくれるといったサービスを提供するといった事も考えられます。
更に、〇〇さんが作ったお塩とか、〇〇という土地で作ったお塩など、商品にストーリー性をもたせることも考えられます。例えば「文豪が愛した〇〇という土地で昔から塩を作っていました。これは、彼が愛した味なのです」などと謳っていくことも可能だったりします。
更に、〇〇さんが作ったお塩とか、〇〇という土地で作ったお塩など、商品にストーリー性をもたせることも考えられます。例えば「文豪が愛した〇〇という土地で昔から塩を作っていました。これは、彼が愛した味なのです」などと謳っていくことも可能だったりします。
いずれにしても、この差別化するという視点が非価格競争なのですね。そして、この価格以外の面で競争を行うといった方法は簡単に模倣できないといった長所もあります。
このまんがでは、学食と購買が価格競争を繰り広げていました。しかし、その限界を感じた学食側が非価格競争を行っています。
具体的には提供する製品の品質を向上させて、価格競争ではない部分で勝負しようとしています。
<価格競争と非価格競争について簡単に対比表を作ってみましたので御覧ください>
以下幾つか挙げてみますのでピンと来るのがあれば、自社だったらどうするかを考えてみると良いでしょう。
具体的には提供する製品の品質を向上させて、価格競争ではない部分で勝負しようとしています。
<価格競争と非価格競争について簡単に対比表を作ってみましたので御覧ください>
比較項目 | 価格競争 | 非価格競争 |
---|---|---|
競争軸 | 価格(値下げ) | サービス・品質・ブランド・体験など |
利益率 | 低くなりがち | 確保しやすい |
競争の土俵 | 他社と同じ | 自社独自(コノの設定がポイント) |
差別化のしやすさ | 難しい(価格しか違わない) | 高い(組み合わせ自由) |
持続可能性 | 低い(限界あり) | 高い(工夫次第) |
代表例 | スーパーの特売、格安スマホ | スターバックス、地域限定ブランド |
■その他の非価格競争の例
「うちの商品は別に特別じゃないからなぁ・・・」と考える方も多いと思いますが、この他にも非価格競争に持ち込む方法は沢山あります。以下幾つか挙げてみますのでピンと来るのがあれば、自社だったらどうするかを考えてみると良いでしょう。
- サービス品質向上
接客丁寧、アフターフォロー万全など付加価値の提供の仕方があります。当社から購入すれば、「電球一つから取り付けますよ」といったのも考え方ですよね。
短期的にはペイしないかもしれませんが、長期的に見ればやすい家電量販店と違う土俵で戦うことができたりします。
短期的にはペイしないかもしれませんが、長期的に見ればやすい家電量販店と違う土俵で戦うことができたりします。
- 市場のさらなる細分化
さらなる細かい市場を狙うという発想です。宿でも、学生さんの合宿専用宿>音楽系の団体専用宿と狭めていけば考え方が変わってきます。
音楽系専用ならば、音出しができる環境があれば良いため、「うちは田舎で何にもないから・・・」が「うちは思う存分音を出せますよ!」に変わるかもしれません。この場合は、最寄りの公共交通機関から送迎をしたり、譜面台や椅子を用意するぐらいで実現可能ですので、嘆いているよりも試してみるほうが生産的です。
踏み込むならば、声楽系(コーラスとか合唱、グリーなど)の人向けに「喉にいい食事を出す」などとやっても面白いかもしれませんね。
音楽系専用ならば、音出しができる環境があれば良いため、「うちは田舎で何にもないから・・・」が「うちは思う存分音を出せますよ!」に変わるかもしれません。この場合は、最寄りの公共交通機関から送迎をしたり、譜面台や椅子を用意するぐらいで実現可能ですので、嘆いているよりも試してみるほうが生産的です。
踏み込むならば、声楽系(コーラスとか合唱、グリーなど)の人向けに「喉にいい食事を出す」などとやっても面白いかもしれませんね。
- ストーリーの付与
上で挙げた「文豪が愛した」なんていうのも、地域の偉人・有名人の知名度を借りることができますし、素朴にあなたの創業時の思いをストーリーとして書き出してみるとなにか生まれてくるかもしれません。






■パン屋さんの非価格競争の例

今日も近所のパン屋さん、30円引きにしていますよ!先週は20円引きだったのにだんだん安くなって来て大変ですよね。。。

あらあら、価格競争を続けているのね

隣町のパン屋さんは、文豪が愛したチーズパンってパンを売っていましたよ。こっちは特に値段は下げていないですよ。

あら、非価格競争なのね。物語で差別化していく戦い方を始めたわけね。

お値段だけで勝負をしないってことなんですね

そうよ、戦う土俵をずらすことが重要なのよね。そしてずらした土俵は自社が勝てる所であるのも大切よ。ほら、あのお店のチーズって絶品だったじゃない。
■パン屋さんの非価格競争の例
このサイト、パン屋さん好きですね。別にkeieimangaがパン屋さんに関係しているわけではないのですけど、なんとなく説明しやすいんですよね。
さて、パン屋さんの例ですが「価格競争」や「品質競争」を始めたら泥沼です。
山崎パンとか第一パンなど大手製造メーカーのパンはものすごく品質がいいですし、知名度も抜群です。それに価格も基本的にはあの値段で街のベーカリーが売っていたら商売が成り立ちにくいぐらい安いはずです。
このパン屋さんと戦うためには「非価格競争」として敢えて生産性を犠牲にして「地元の森で取れた天然酵母」とか、「地元の農家さんと連携した季節限定の惣菜パン(朝どれのアスパラが挟んであるよ)」 とか「高齢者の方向けに、食べごたえがあるけど食べやすい。単に柔らかいだけではないパン」などを作っていくことが重要です。
後は、ご当地のキャラクターが愛した「〇〇パン」とかの切り口もあります。
いずれにしても、価格で勝負しないことがとても重要になってくるのです。
さて、パン屋さんの例ですが「価格競争」や「品質競争」を始めたら泥沼です。
山崎パンとか第一パンなど大手製造メーカーのパンはものすごく品質がいいですし、知名度も抜群です。それに価格も基本的にはあの値段で街のベーカリーが売っていたら商売が成り立ちにくいぐらい安いはずです。
このパン屋さんと戦うためには「非価格競争」として敢えて生産性を犠牲にして「地元の森で取れた天然酵母」とか、「地元の農家さんと連携した季節限定の惣菜パン(朝どれのアスパラが挟んであるよ)」 とか「高齢者の方向けに、食べごたえがあるけど食べやすい。単に柔らかいだけではないパン」などを作っていくことが重要です。
後は、ご当地のキャラクターが愛した「〇〇パン」とかの切り口もあります。
いずれにしても、価格で勝負しないことがとても重要になってくるのです。
初出:2012/06/16
更新:2025/07/17