所有と経営の分離_001
所有と経営の分離とは会社の所有者である株主ではなく、専門の経営者が会社の経営を行っている状態を言います。

上場企業など、株式を公開している株式会社では、株式は特定の個人が持つのではなく、市場を通じて非常に多くの投資家が株式を持っています。

その結果、本来の所有者である株主は企業経営に影響を与えることができなくなり、専門的な経営者が経営の実権を握ることとなってきます。

例えば、どこでもよいのですが、歴史のある一部上場の巨大企業を思い浮かべてください。その企業の株式をあなたが購入したとします。この場合あなたはその企業の一部を保有しているという事ができます。

しかし、あなたは多数いる株主のうちの一人でしかありません。また、あなたが持っている議決権も全く問題にならないほど小さいと考えられます。(この例は一般人の株主を想定して説明しています。)

では、あなたが株主総会で何かを提案したとします。あなたの提案は通ると思いますか?通常は通らないどころか、全く問題にされないですよね。

会社の所有者であるあなたは、ほとんど経営に関与できないのです。そして、この経営に関与できない状態になる株主はあなただけではありません。ほとんどの株主はそういった経営に関与できない状態になっていると考えられます。

そしてこのような状態を所有と経営の分離と言います。

このまんがでは、経営者が株主を無視して経営を行っています。4コマ目で株主には経営者を変える力などないと言っています。この経営者は、株主の方向を見るのではなく、会社の長期的な目標を達成するための経営を行っているといっています。

これは経営者が投資家に比べて多くの情報を持っている情報の非対称性が生じている状態なので、この経営者は株主に対して言葉を尽くして説明するとよいケースだと考えられます。

もっとも、このまんがに出てくる経営者のように長期的な利益のために経営するのではなく、経営者が投資家を裏切る行動を採る可能性も常にあります。この場合エージェンシー問題と言います。 
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