生産保全_001
生産保全(productive maintenance:PM)とは、設備の開発から廃棄までの一生涯にわたるコスト(ライフサイクルコスト(Life cycle cost:LCC)を引き下げて、企業の生産性を高める事を言います。

そして、この生産保全を達成するために、事後保全予防保全改良保全保全予防を組み合わせて行うのです。

■生産保全は生産性アップのための保全活動

このように、どちらかというと、生産性を高めるための保全活動といったイメージとなりますので、上にあげたような事後保全、予防保全、改良保全、保全予防とは言葉の指し示すレベル感が違う感じとなります。

(事後保全などが具体的なレベル、生産保全はもっと抽象的なレベルといった感じです。)

■生産保全を更に発展させたTPMとの違い

この、生産保全をさらに進展させた、全員参加の生産保全という考え方もあり、こちらはTPM(Total Production Maintenance)と言います。

これは、生産保全の考え方をさらに進めて、現場の全員参加による保全活動を推進する考え方です。

例えば、単に設備のメンテナンスを専門部署が行うのではなく、オペレーター自身が日常点検や改善提案を行う点が特徴です。

つまり、生産保全が「考え方」だとすれば、TPMは「運用のスタイル」とも言えるでしょう。

このような活動を通じて、設備の突発故障を防ぎ、LCC(ライフサイクルコスト)の削減を実現していくのです。

■まんがでわかる生産保全の具体例

このまんがでは、保全活動の総コストを下げた具体的な活動があげられています。

ちなみに、3コマ目の男子生徒が言っている「レジの機械を定期的にメンテナンスする」とは予防保全を指しており、3コマ目の女子生徒の「什器のガラスを割れないように改良した」とは、改良保全もしくは保全予防の具体例です。

そして、4コマ目の「無人販売の看板ライトは切れたら取り替える」とは事後保全に該当します。

このように、最適な保全方法を組み合わせて設備の保全にかかる総コストを引き下げる方法を生産保全というのです。 

■関連用語とまとめ  

生産保全とは、設備の全ライフサイクルにわたる総コストを最適化するための考え方です。  

その実現には、事後保全・予防保全・改良保全などをバランスよく組み合わせることが重要です。  

さらに全員参加で推進するTPMという考え方もあり、現場レベルからの保全強化が進められています。

関連用語です
改良保全
予知保全