アップスケール化_001
アップスケール化とは小売業態の上質化や高級化を指し示す言葉です。ディスカウントストアーが中所得者や高所得者を顧客として取り込むために、品質の良い商品を取りそろえたお店を出店した場合などにこのアップスケール化という言葉が用いられます。
 
簡単に言うと、客単価を上げるためにより良い製品を取り扱う(お店やサービスの質を高める)といったイメージです。

例えば、ある街で革新的な小売業が発生しました。そのお店は、店舗とはしっかりと作りこむものである(内装をちゃんとするって意味です)、しっかりと接客するものであるといった常識を覆して、単なる倉庫に棚を据え付けて商品を置き、お客さんにその中を勝手に歩き回らせて販売するようにしました。

このお店は、従来のお店より費用がかからないため、安く商品を提供できるという事でたちまち大人気になりました。

しかし、この目新しい業態はたちまちほかの競争相手にマネされ、同じような販売の仕方をする競合が沢山出てきました。

そこで、この革新的な小売業のお店は、徐々に接客や、お店の雰囲気などの価格以外の部分で付加価値をつけていこうとしました。

この価格以外の付加価値をつける(言い換えると、ちょっと高くても買ってもらうようにする)ことを目指すのをアップスケール化と言います。

ちなみに、この例はこの後、付加価値をつけていくと今までの低価格を維持できなくなってくるので、次の革新的な小売業の参入を招くといった風に展開します。(これを小売の輪理論と言います。)

■なぜ安いだけでは戦えなくなるの?

さて、上の説明では安いだけで戦うのが難しくなって付加価値をつけていくと何気なく説明しましたが、そこを掘り下げてみます。

最初は「安く売るお店」は人気を獲得することができます。コレは理解しやすいと思います。同じものを買うならば安いほうがいいですからね。

でも、商売に競争はつきものです。

商圏内で競合している別のお店(競合店)からすると、安売りに一方的にやられるわけにはいかないですよね。

なので、同じように価格帯をあわせて安売りを始めるようになるのです。

そのようになると、単に安いだけではお客さんを集めるのが難しくなります。同じような価格帯ならば「きれいな内装」や「丁寧な接客」など「気持ちよく買い物できる」お店の方をお客様は好みそうですよね。

なので、そのような付加価値を増やしていきます。これがアップスケール化と言われるものです。

最近では100円ショップでもいかにも安い作りの商品を売るのではなく、おしゃれな商品を売ったり店舗内を明るくしたりしていますよね。そして、お気づきだと思いますが、100円以上する商品も取り扱っています。

このようにアップスケール化は様々な所で観察することができるのです。

■アップスケール化は万能なの?

■アップスケール化のメリット

商売ですから、皆がアップスケール化をしていくと思われませんか?客単価は安いより高いほうがいいですし、「ちょっと高くても行きたい」とお客様が思ってくれるならばそれに越したことはありませんよね。

言い換えれば、価格競争から脱却を図る事を狙えるのがアップスケール化のメリットです。高品質な商品や高付加価値の接客などで値下げ競争から脱出することが理屈の上では可能なのです。

■アップスケール化のデメリット

上でも軽く触れましたが、品質の良い商品を増やしたり、接客をしっかりする教育訓練をしたり、お店をきれいにすることはもちろん無料ではできません。店舗への投資や人件費、商品管理コストなどお金がかかるのです。

その結果、ローコスト運営を維持することが難しくなり、安さを保つことが難しくなるのです。

安売り特化の尖ったお店が、人気を集める中でいつの間にか、中途半端な価格帯のお店になってしまったのをみたことがある方もいるかも知れませんね。



このまんがでは新入生が最初はなんでもお安く引き受けていたのですが、そのうち慣れてきたせいか、先輩のアドバイスのせいか、安売りはしないと言うようになって全くいう事を聞かなくなってしまいました。