地理的価格_001
地理的価格とは地域ごとに異なる価格を設定する事です。これには競争が激しいような地域では低価格販売を行い、競争の激しくない地域では比較的高価格の販売を行い利益を確保するといった方法があります。

■地理的価格の例

例えば、競争の激しくない郊外にあったお店が、競争の激しい駅前に新店を開店することになったとします。

その時、競争の状況を見つつ、駅前のお店の価格を安めに設定したとします。この場合、もちろん利益は駅前のお店でも確保しますが、必要な利益は従来通りの値段で販売している郊外のお店で確保する事となります。

このように、地域ごとに異なる価格を設定する方法を地理的価格と言います。

■まんがでの地理的価格の例

このまんがでは、駅前の小売店は少し安めで、住宅地の小売店は通常の価格で販売していると言っています。別に駅前のお店を安くしているわけではなく、競争が激しいから安売りに追い込まれているのですが、外部から見るとこんなふうに見えます。

このように、地域によって価格を変えているのが地理的価格のイメージです。

また、このまんがは上長(おじさんの方です)が部下を指導しています。このように仕事の場で 『計画的』『継続的』『意識的』に指導し、知識、技術、技能を身に着けさせることをOJTと言います。

■地理的価格につきまとう、不誠実なイメージに注意

なお、「こんなふうに見えているわけです」といった表現を上で使った通り、地理的価格は消費者からするとちょっと違和感があったりします。

この例では、駅前に住んでいる人ならばよいのですが、住宅街に住んでいる人は同じお店なのに『ちょっと高く売っている』ように感じかねません。

競争が激しいところの価格を基準に捉えられてしまうと、自分たちの足元を見ているあまり誠実じゃないお店だと判断されてしまうのです。

これを避けるためには、ちょっと商品ラインナップを変えてみたりと、同じものを売っている感をあまり出さないようにしたり、そもそも、両方でお客さんが重複しないように十分に離れたお店でやるなどの工夫が必要です。

筆者が昔住んでいたところでもこの地理的価格を露骨にやっているお店があって、田舎のお店で買う時にいつも「足元見てるなー」と感じたものでした。

■地理的価格が活かされる業界の例

さて、この地理的価格は、飲食店や小売店などの実店舗ビジネスで行われます。

たとえば、同じ牛丼チェーンであっても、都心の店舗ではライバル店との価格競争が激しいため、割安な価格設定をしたり、逆に店舗にかかる費用や人件費が高い事、そして消費者がお金を持っていることから、価格設定を高めにしていることがあります。

他方、郊外店では、近隣に競合店が少ないため、価格をあまり下げなくてもお客さまに来店してもらえるから高めに価格設定するケースもあります。

このように、市場環境や競合状況に応じて価格を調整することにより、全体の収益バランスを取る戦略として活用されているのです。

ただし、前述の通りお客様を見て区別するような不誠実な商売をやっている感じに捉えられかねないため、設計は十分に注意する必要があります。可能ならば、別店舗名義にするなど工夫が必要だったりします。