価格閾値_001
価格閾値とはある財を購入する際に消費者が買ってみたいと思う最高価格と最低価格の事を言います。ここで閾値とは「いきち」(しきいち」でも可らしいです)と読み、境界となる値の事です。

高い方に閾値があるのはなんとなく理解できますが、低い方にも閾値があるのはちょっと意外ですよね?

■価格閾値の具体例

例えば、あなたが1万円くらいの腕時計をほしいと思ったとします。この時ほしいと思って調べた時計の価格が思っていた価格の20倍の20万円するとしたらどうしますか?ほしいと思わなくなりますよね。

逆に調べていた時計が100円だったら安っぽすぎていらないと感じると思います。もっと踏み込んで言ってしまえば、安すぎるため品質が信用できないですよね?

このように、消費者は価格帯の相場感をなんとなく持っており、欲しいと感じる価格帯には上限と下限があるのです。


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■まんがの例と価格閾値

このまんがではメガネ君がPCをほしいと思っていたようで、店員さんに価格を確認しています。すると、最初はハイエンド機を提案されたらしく100万円もするPCだったようです。

これは彼の価格閾値の上限を超えていたようで、そんなに高いものはいらないと言いました。

その後、次は千円の処分品を提案されたようです。こちらは彼の価格閾値の下限を下回っていたため、メガネ君はどちらもいらないと感じたようです。このように、ある程度の範囲に入った価格でないと消費者は財を欲しいと思わなくなってしまいます。

価格にはシグナル効果(消費者が品質を厳密に判断できない場合は値段で判断する≒安すぎるのは怪しい)もあるので、妥当な判断だと思われます。(合わせて読みたい用語:価格のシグナル効果

■価格閾値が実務に活かされる場面

このような価格閾値は、企業が商品価格を設定するうえで重要なヒントとなります。

たとえば、おまんじゅう屋さんが新商品を発売する際、200円で売りたいと思っていたとしましょう。

しかし、消費者調査の結果「150円までは気軽に買えるが、それ以上だと迷う」という声が多ければ、その150円が価格閾値ということになります。

このような調査結果を踏まえ、実際には「148円」などの端数価格で販売されることもよくあります。これは、心理的に「ギリギリ安い」と感じてもらうためです。

また、価格閾値はブランド力や購買体験によっても変動します。高級ブランドであれば、むしろ「安すぎると不安」と感じられてしまうこともあり、最低価格の方が意識されるのです。

また、この例のように、ブランド品でなくとも、安すぎると不安となる心理は理解いただけると思います。

価格を考えるうえでは、単なるコストを積み上げ計算して算出するのも重要ですが、こうした心理的な価格帯の認識(閾値)を探ることが成功のカギとなります。

逆に言えば、上のおまんじゅうの例は、150円で売るために何をするかと考えていく必要があるのです。(ちょっと小さくしたり、包装を簡略化したり、場合によっては材料の質をちょっと落としたりと考えるのです。)

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初出:2012/05/12
更新:2025/07/27