KSF_001
KSF(キー・サクセス・ファクター)とは成功要因の事です。事業が成功するためのカギとなる要因の事です。但し、これは企業の内部だけの話ではありません。KSFとなるためには、企業内部の強みが企業外部の環境にあっていないといけません。

簡単に言い換えると、事業の強みと、その市場で儲かる要因との組み合わせの事をKSFといいます。

■KSFの例:絶対的なものではなく相対的なものです

例えば、それなりの品質の品物を非常に安く提供できる能力を持っている企業があったとします。安く仕入れられるルートを持っているであったり、仕入れたものをあまりコストをかけずに販売する事に長けているといった能力を持っている企業です。

この企業は、安いものを喜んでくれる地域(普通の立地ではそうですよね。)に出店した場合、とてもうまくいくと思います。この場合、この「それなりの品質の品物を非常に安く提供できる能力」は立派なKSF(成功要因)です。

しかし、多少価格が高くとも良いものが好まれるといった地域に出店した場合、市場が求めているものを上手く提供することができていないため、この企業は苦戦すると考えられます。

この場合、「それなりの品質の品物を非常に安く提供できる能力」 はKSF(成功要因)とはなりえません。

このようにKSFは環境によって変化するものであると、言うことができます。

■まんがとKSFの例

このまんがでは女子生徒が一生懸命走る練習をしていたようですが、楽器の上達にはあまり関係ない事に気が付いたようです。この場合、強みである早く走れる能力は、楽器を上手く演奏する能力を求めている外部環境には合致していないため、KSFとはならないという事ができます。

早く走れる能力は陸上部ならば立派なKSFですけどね。

■KSF:勝つための鍵は突き詰めて考える必要がある

得意技を作ってそこで勝ちに行くのは、一つの必勝法です。また、このKSFは外部環境と掛け合わせて考えるため、絶対的な優位でなくても良いと言ったことに注意が必要です。

まずは「市場で勝ち残っている企業」を観察してその企業がどのような要因で成果を出しているかを考えてみましょう。

そのうえで、自社の強みを整理してみて「自社の強みは市場で通用するか?」を考えていきます。

あくまで「市場で通用するか」ですから、言い換えると、地域一番店になればKSFを持っていると言うことができるのです。

■様々な地域一番店という立ち位置(何で地域1番店になりますか?)

例えば、地域で一番の品揃えがあるといった場合、KSFは地域で一番の品揃えを実現するための経営資源に求められます。

この場合、仕入れ先との関係性や(サプライヤーとの関係というとちょっとコンサルっぽいですよね?)、求められる品揃えを実現するバイヤーの強さが挙げられます。

また、地域で一番満足度が高いといった場合のKSFは、顧客の満足度を高めるための業務プロセスに求められます。

この場合、接客応対の品質が高いことや、豊富な商品知識になりますが、もっと突き詰めれば従業員への教育訓練をする能力や、資質の高い人材を採用する採用力かもしれません。

ただ、いずれにしてもKSFを明確にすることで、経営資源の投入すべきところがわかりますので、将来を見据えて事業を実施していくことが可能となるのです。

■他の戦略理論との関係:VRIOやSWOTとの違いは?

KSFは、経営戦略における「競争優位の鍵」を考えましょうというお話ですから、他の理論とも関連しています。

例えば、VRIO分析では企業の経営資源が価値・希少性・模倣困難性・組織の4要素を満たすかで競争優位があるかを判断します。他方で、KSFはより「市場との適合性」や「環境との接点」に重点を置いています。(KSFのほうが後付で強い理由の説明がしやすいです。)

また、SWOT分析における「Strength(強み)」のうち、市場で勝つために特に重要なものがKSFとなります。

そのため、KSFを明確にすることで、強みに偏った戦略(とはいえSWOTをすると自分が強いと思っているだけのケースも多いので)ではなく、「本当に活かせる強み」にリソースを集中できるようになります。

あなたのビジネスの「強み」は、本当にKSFになっていますか?


この説明で出てきた用語
VRIO分析
SWOT分析
バイヤー