
配当政策とは、得られた利益のうちどれだけを投資家に還元するかの方針のことです。そして、実際に配当に充てられた比率を配当性向と言います。
企業の獲得した利益は株主に帰属しますが、経営者はその獲得した利益を株主に配分するか、内部留保として取っておくかを選択する必要があります。
もっとも、配当が多ければ多いほど株主のためになるとは限りません。例えば、配当を行わずに事業に再投資し、企業価値を高め株価の最大化を目指すといった方法もあります。この場合株主は株式を売却した際にキャピタルゲインを得ることが可能となります。
このように、配当政策をどのようにするのが最も適切かを一概に判断する事はできないのです。
このまんがでは利益を内部留保して設備投資を行うか、株主に配当で還元するかどちらにするか株主のおじさんと、男子生徒が話していますが、今回は内部留保を増やして設備投資を行う事に決まったようです。
これは、これから大きな成長が期待される中では数%の配当でのリターンではなく、成長による数十%、場合によっては数倍のリターンになったほうが株主のためになるという判断に基づきます。
このことから、創業期のベンチャー企業などはほとんど配当を出さないといった配当政策を取りがちですので、配当が得られないと理解したうえで投資することが望ましいでしょう。アメリカの大企業では配当をずっと出さずに成長で株主に報いるとしていたマイクロソフトやアマゾンがありました。
これらの会社に投資していたら非常な利益が得られた事は私達は知っていますので、配当をせずに内部留保を優先するという考え方も十分に正当化されることを知っています。
前者の安定配当政策は、利益が増えても減っても基本的には配当を一定額出していくという考え方で、利益減少局面や赤字局面での目先の配当利回りの高さだけで投資判断をしないことが重要です。
後者の利益連動型の配当政策の場合は、配当の水準が不安定となるため株主としては不満が残るケースがあります。
株主が満足するとかしないとかにふれているということは、配当政策によって株価に影響を与えることができるということにつながります。
そのため、株主など利害関係者の利益を最大化するためにはどうしたら良いのかを考えるのも経営者の大事な仕事だったりします。特に、業界の標準からかけ離れた配当政策を行うと、良くも悪くも株価への影響が大きくなります。
会社は獲得した利益を「貯める」「使う」「分ける」とバランス良く考えていくことが重要です。
このバランスは配当性向と自己資本利益率(ROE)、資本コストなどを踏まえて考えていく必要があります。
短期的に株主還元を配当で行うと、成長のための投資余力を失ってしまいます。逆に内部留保を優先しすぎると株主価値を毀損してしまいます。
これらのバランスの鍵は、自己資本利益率(ROE)で、自己資本利益率(ROE)が十分に高いならば配当で株主に利益を分配するよりも再投資したほうが株主価値が高くなります。
多くの日本企業では配当性向を35%前後を目安としつつ(獲得した利益の35%前後を配当する)、単年度の利益増減で配当の額を増減させずに安定的に配当すると言ったことを行っています。
大きく儲かった場合は自社株買いで株主還元すると言ったイメージですね。
■配当政策の考え方
配当政策にはいくつかの考え方があります。配当は一概にたくさん出せば出すほど株主にとって良いとは限らないのがポイントです。■配当を出さないケース(配当しないという配当政策)
例えば、企業がこれから大きくなるという成長ステージにおいては、配当よりも内部留保を重視することが多くなります。これは、これから大きな成長が期待される中では数%の配当でのリターンではなく、成長による数十%、場合によっては数倍のリターンになったほうが株主のためになるという判断に基づきます。
このことから、創業期のベンチャー企業などはほとんど配当を出さないといった配当政策を取りがちですので、配当が得られないと理解したうえで投資することが望ましいでしょう。アメリカの大企業では配当をずっと出さずに成長で株主に報いるとしていたマイクロソフトやアマゾンがありました。
これらの会社に投資していたら非常な利益が得られた事は私達は知っていますので、配当をせずに内部留保を優先するという考え方も十分に正当化されることを知っています。
■配当を出す場合いくら出すかが問題です
他方で、成熟期に入った企業では安定的な配当を重視する安定配当政策や、業績に連動して配当を考える利益連動型の配当政策を取ったりします。前者の安定配当政策は、利益が増えても減っても基本的には配当を一定額出していくという考え方で、利益減少局面や赤字局面での目先の配当利回りの高さだけで投資判断をしないことが重要です。
後者の利益連動型の配当政策の場合は、配当の水準が不安定となるため株主としては不満が残るケースがあります。
株主が満足するとかしないとかにふれているということは、配当政策によって株価に影響を与えることができるということにつながります。
そのため、株主など利害関係者の利益を最大化するためにはどうしたら良いのかを考えるのも経営者の大事な仕事だったりします。特に、業界の標準からかけ離れた配当政策を行うと、良くも悪くも株価への影響が大きくなります。
■配当政策と内部留保のバランス
前段では配当の出し方の考え方について述べましたが、配当と内部留保のバランスについても見ていきます。会社は獲得した利益を「貯める」「使う」「分ける」とバランス良く考えていくことが重要です。
このバランスは配当性向と自己資本利益率(ROE)、資本コストなどを踏まえて考えていく必要があります。
短期的に株主還元を配当で行うと、成長のための投資余力を失ってしまいます。逆に内部留保を優先しすぎると株主価値を毀損してしまいます。
これらのバランスの鍵は、自己資本利益率(ROE)で、自己資本利益率(ROE)が十分に高いならば配当で株主に利益を分配するよりも再投資したほうが株主価値が高くなります。
多くの日本企業では配当性向を35%前後を目安としつつ(獲得した利益の35%前後を配当する)、単年度の利益増減で配当の額を増減させずに安定的に配当すると言ったことを行っています。
大きく儲かった場合は自社株買いで株主還元すると言ったイメージですね。
初出:2012/04/15
更新:2025/11/04












