
市場細分化変数とは市場細分化(セグメンテーション)を行う際に用いる変数の事です。分類すると言っても、何らかの基準がないと分類のしようがないですよね。この市場細分化変数はその分類のための基準となります。
この市場細分化変数には次のようなものがあります。
- 地理的変数
国や地域などによる分類です。簡単に言うと関東と関西では好まれる味が異なるといった傾向を用いて分けてみようという事です。
- 人口統計的変数(デモグラフィック変数)
性別、年齢、職業、所得などの個人に紐づく分類です。例えば、男性と女性では好まれるものはかなり明確に分かれると思います。また、2歳児と10歳の子どもではほしがるおもちゃは明確に分かれると思われます。
- 心理的変数
ライフスタイルや価値観、購買動機に基づく分類です。例えば、海が好きでヨットに乗る人と、映画を見ることが好きな人の好みは明確に分かれそうですよね。
- 行動変数
その製品の使用頻度や購買動機に基づく分類です。例えば、安かったから買った人とその製品を親子代々愛してきた人ではその製品に対する態度が異なってくると考えることができると思います。
このまんがでは明らかにされていませんが、何らかの市場細分化変数を用いて分類を行った結果運動部の腹ペコ男子をターゲットにするという結論に到達したようです。
実務面からの加筆:
このまんがでは明らかにされていませんが、何らかの市場細分化変数を用いて分類を行った結果運動部の腹ペコ男子をターゲットにするという結論に到達したようです。
実務面からの加筆:
幾つかの変数を挙げてみましたが、実務的にどう使っていくかを考えてみたいと思います。
■市場細分化変数(地理的変数)
これはなんといってもデータが取得しやすいというのが強みになります。最初に検討していくと示唆を与えてくれる内容になってきます。
ただ、これが決定的な内容に成ることはほとんどないため、考える際にはアイスブレイクで使うといった使い方になってきます。(幾つか思いつくままに挙げていくと、考えが加速していきますから。)
住んでいるところで好みが変わる。だから売るものの味付けを変える。といった観点は重要ではありますが、あんまり実務的ではないです。差別化の観点からはここの変数は逆張りするために使っても良いかもしれませんね。(例えば、関西に敢えて関東風の醤油が強力な物品を提供するなど)
ただ、これも多くの場合は決定的な差別化要因にはなりにくいです。また、分類した感がでるため、表面上の浅い検討に成る危険性もあります。
「フィットネスが好きなミドル世代の女性」などとターゲットを分類したくなりますが、本質的なニーズが「健康」であれば、心理的変数や行動変数で分類した方が本質的だったりします。
しかし、とても主観的でd測定することが難しいため、本当にそのような価値観を持っている人がどれだけいるのかといった市場規模の測定が難しいことが多いです。
それは「お客様がどうしてうちの商品を使っているのか?」といった観点です。
この観点で見ていくと、行動変数にもとづいた無理のないターゲット像を作ることができたりします。
しかし、市場細分化変数はあくまで市場をどのような目で見るかを分類するだけの切り口となりますので、マーケティングのSTPの
S:分類(事情細分化変数はここで使う)
↓
T:ターゲッティング(分類した何処を狙う?)
↓
P:ポジショニング
といったステップを踏んで考えていくことが重要です。その意味では、市場細分化に過剰にこだわらず先に進んで戦略上違和感があったら戻って考えるといったほうが実務的だったりします。
ただ、これが決定的な内容に成ることはほとんどないため、考える際にはアイスブレイクで使うといった使い方になってきます。(幾つか思いつくままに挙げていくと、考えが加速していきますから。)
住んでいるところで好みが変わる。だから売るものの味付けを変える。といった観点は重要ではありますが、あんまり実務的ではないです。差別化の観点からはここの変数は逆張りするために使っても良いかもしれませんね。(例えば、関西に敢えて関東風の醤油が強力な物品を提供するなど)
■市場細分化変数(人口統計的変数)
個人を分類する変数ですから、客層を「見える」ようにする効果があります。所得層等を一定程度で分類すれば、生活に余裕がある層に向けるなど見え方が変わってきます。ただ、これも多くの場合は決定的な差別化要因にはなりにくいです。また、分類した感がでるため、表面上の浅い検討に成る危険性もあります。
「フィットネスが好きなミドル世代の女性」などとターゲットを分類したくなりますが、本質的なニーズが「健康」であれば、心理的変数や行動変数で分類した方が本質的だったりします。
■市場細分化変数(心理的変数)
ライフスタイルや価値観を追いかけますので、より本質的な分類にはなります。しかし、とても主観的でd測定することが難しいため、本当にそのような価値観を持っている人がどれだけいるのかといった市場規模の測定が難しいことが多いです。
■市場細分化変数(行動的変数)
購買履歴が残っていれば、その購買履歴を用いた分類もできます。ただ、お察しの通り新規顧客の獲得には極めて使いにくいと言った弱点があります。■じゃあどうすればいいの?
全くの新規事業では仮説を積み上げるしかないのですが、既存の事業では最強の事例があります。それは「お客様がどうしてうちの商品を使っているのか?」といった観点です。
この観点で見ていくと、行動変数にもとづいた無理のないターゲット像を作ることができたりします。
■市場細分化変数はあくまで市場を見るメガネ
今回の漫画では「運動部の腹ペコ男子」をターゲットにすると言っていますが、それは心理的変数と行動変数の組み合わせてなかなか妥当性があるように思われます。しかし、市場細分化変数はあくまで市場をどのような目で見るかを分類するだけの切り口となりますので、マーケティングのSTPの
S:分類(事情細分化変数はここで使う)
↓
T:ターゲッティング(分類した何処を狙う?)
↓
P:ポジショニング
といったステップを踏んで考えていくことが重要です。その意味では、市場細分化に過剰にこだわらず先に進んで戦略上違和感があったら戻って考えるといったほうが実務的だったりします。
「市場細分化(セグメンテーション)とは何か?」という基本的な内容については、以下の記事をご参照ください。
初出:2012/03/17
更新:2025/06/19