市場細分化戦略_001
市場細分化戦略とはある基準によって細分化された、同質であるとみなされる集団に対してアプローチする戦略のことをいいます。

一言でいうと、みんなを相手にするのではなくある条件に合致するグループを相手にする戦略です。

これは単一市場に対して大量に単一製品を投入するようなマス・マーケティングでは消費者を満足させることが難しくなってきているためです。

例えば、日本全国老若男女すべての人に満足してもらうようなカップラーメンを作るとします。その場合、何か際立った特徴を打ち出すことはできるでしょうか?こってりし過ぎてもよくないし、あっさりし過ぎてもダメ。麺も太すぎず細すぎず、野菜の量も肉の量も万人受けする水準を目指す。

みんなが満足できるような製品を作ろうとすると、みんながなんとなく物足りない思いをしそうですよね。その結果魅力の乏しい製品になりがちだと思います。

その様な努力をするのではなく、市場細分化(セグメンテーション)を行い、細分化したある市場に経営資源を集中投入することが効率的であると考えられています。

そして、コトラーによればこの市場細分化の有効性は以下の要素によって決まってくると言われています。
  • 市場の測定可能性
その細分化した市場に対して行ったアプローチの効果を測定できるのか?という要素です。何をやっても反応を測定できないのであれば、その細分化が正しかったのかを判別することはできません。
  • 利益確保性
その細分化した市場で利益は確保できるのか?という要素です。例えばものすごくケチな人々みたいな市場を細分化して特定したとします。なんとなくこの市場では利益を生み出すのは難しそうですよね。
  • 市場への接近可能性
その細分化した市場にアプローチできるのか?という要素です。どんなに素晴らしい市場を細分化したとしても、そこにアプローチできないのであれば意味がありません。例えば、その市場は規制がかかっていて参入が不可能というのであればその分類は意味をなさないのです。
  • 差別化可能性
その細分化した市場にアプローチする際、差別化することができるのか?という要素です。せっかく市場を細分化したとしても、その市場に他社と同じものしか提供できないのであれば、その分類を行う有効性は低くなってしまいます。
  • 戦略の実行可能性
その細分化した市場にアプローチする戦略は実現可能か?という要素です。できない戦略を考えても仕方ありません。例えば革新的な製品を送り出すために接客時に細かく説明をして販売するとの戦略を立てたとします。しかし、経営資源が乏しく接客を行う人員を確保できないのであればこの戦略は絵に描いた餅になってしまいます。

このまんがではターゲットを絞り込んで新製品を開発したところ成功しています。

みんなに好かれるものはもちろん理想ですが、みんなに好かれるものを目指すとみんなが物足りないものになりがちです。そうではなく、少なくとも特定の層に好かれるものを提供していくことが大切なのです。
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