市場細分化_001
市場細分化(セグメンテーション)とは、企業が市場や顧客をある基準によって細分化して分類することを言います。

この細分化の方法はいろいろ考えることが可能です。例えば、関東・関西では好まれる味付けが異なりますよね。そのため、カップうどんのような商品では関東と関西とでは味が異なってきます。

このように地理的な条件で分類を行う事や、性別・年齢のような人口統計的な条件で分類を行うことが可能となります。これらの分類の条件を市場細分化変数と言います。

この市場細分化(セグメンテーション)に対し、市場を細分化せずに単一市場に対して単一製品を投入するようなマーケティングの手法をマス・マーケティングと言います。

このマス・マーケティングとは、日本全国老若男女すべての人に満足してもらうようなカップラーメンを作るようなイメージとなります。

これに対して市場細分化(セグメンテーション)は若い男性向けにがっつりとした大盛りラーメンを提供するようなイメージとなります。

このように、分類した集団に対してアプローチを行う戦略を市場細分化戦略と言います。
 
このまんがでは、購買に来てくれる生徒さんを分類して新製品開発に役立てようとしているようです。

■代表的な市場細分化変数

市場細分化変数という上から辿れるリンクでも書いていますが、代表的には
・地理的変数
 何処に住んでいるかとかです。関東と関西では味の好みが違うことはよく知られていますよね?

・人口統計的変数
 年齢とか、職業・性別などの個人に紐づく分類です。男女差をことさらに強調する必要はありませんが、年齢等では明らかに好みが違ったりします。(未成年とシニア層では趣味趣向が違う傾向があります。)

・心理的変数
どんなライフスタイルを好むかと言った変数です。バイク乗りとか山屋さんなどのアウトドア派とインドア派はやはり好むものが違いますよね?

・行動的変数
購買歴などに基づく変数です。

と分類していきます。

■分類後の流れ

これらの変数で分類したとして、それを経営に生かさないとなんの意味もありません。そのため、

分類

ターゲットの設定

自社のポジショニングを決める

といった流れで戦略に落とし込んでいきます。

なお、ターゲットの選定には
・市場の測定可能性
・利益確保性
・市場への接近可能性
・差別化可能性
・戦略の実行可能性
といった観点でみていくと良いです。これは(市場細分化戦略という記事で詳しく説明しています)

■マンガの例で市場細分化を考えてみる

今回の漫画では生徒さんを分類したいと言っています。今回挙げた市場細分化の観点では、地理的には同質性が高いですし、年齢や職業は学生さんなのでほぼ一緒になっています。

とすると一案として、生徒さんを心理的変数で分類していく事が考えられます。

例えば、

運動部、健康志向、インドア派

などと分けられれば、

運動部を狙うなら「腹ペコさんへ沢山食べてもらう」といった展開が考えられますね。


記事の内容がかぶるのですが、市場細分化変数の記事には実務的にどのように考えればいいの?といった視点を加えてみました。こちらも合わせてご覧くださいませ。



合わせて読むと理解が深まる!『市場を分ける!それが成功の第一歩』そんな観点から
市場細分化(セグメンテーション)とは<本記事>
市場細分化変数とは
市場細分化戦略とは

といったシリーズもので書いてみました。合わせてご覧くださいませ。


初出:2012/03/15
更新:2025/06/19