戦略的意思決定_001
戦略的意思決定とは企業の方向性を決めるような重要な問題に対する意思決定です。簡単に言うと、工場の場所を決定する、出店を行う地域を決定するなどの非常に大きな意思決定を言います。

この戦略的意思決定は主にトップマネジメント層が行う意思決定となります。

戦略的意思決定の特徴として、繰り返しが少ない非定型的な意思決定であることがあげられます。また、非常に不確実性が高いですがうまくいけば非常に大きな効果を得ることができます。言い換えればハイリスク・ハイリターンの意思決定という事もできます。

例えば出店する地域の決定等は繰り返して行うタイプの意思決定ではなく、一度きりの非常に大切な意思決定です。その意味で非定型的な意思決定であるという事ができます。

さらに、出店する地域をうまく決定できれば非常に大きな効果を得ることができますが、失敗したら日常業務の意思決定以上にひどい損失を受けることになります。

このまんがでは先生がトップマネジメント層として、戦略的意思決定を行っています。今回は学食との提携に関する意思決定を行っているようです。

このように、組織の長期的な方向を決定する意思決定を戦略的意思決定と言います。 

■組織階層ごとに意思決定のレベル感がある

意思決定の階層構造といった記事で触れたことがありますが、組織階層ごとに意思決定のレベル感があります。

この戦略的意思決定は本稿の通り、トップマネジメント層が行う非定型の意思決定ですが、中間管理職が行う管理的意思決定、現場で行う定型的反復的な意思決定である業務的意思決定と言ったふうに分類されます。

とはいえこれは厳密なものではなく、相対的なものとなっています。

■経営は意思決定の連続です

例えば、仕入れ数量やアルバイトさんのシフト決定など繰り返し発生する意思決定はとても重要ではありますが、繰り返し発生し影響範囲も限定的であるため、業務的意思決定に該当します。他方で、起業の方向性や存続に直結するような意思決定は戦略的意思決定に該当します。

ただし、お店を数百と出しているような大企業にとっては新規出店検討は戦略的意思決定ではなく、中間の管理的意思決定かもしれませんが、地域で頑張っている多くの中小企業・小規模事業者にとっての新規出店計画は企業自体の存続基盤に関わる意思決定である戦略的意思決定にほかなりません。

■まんがの例と実務的追記

今回の事例は学食との提携という一見すると些細な意思決定に思えるかもしれません。しかし、この組織にとっては存続基盤を左右するような戦略的意思決定にほかならないのです。

このように、組織の規模によっても意思決定の重要性は変わってきます。多くの中小企業・小規模事業者さんの相談は、大きな企業出身の支援者からすると些細な意思決定に見えるかもしれません。

しかし、企業自体の存続に影響を与える極めて重要な意思決定に悩んで相談してきているケースもとても多いため、相談者に寄り添った支援の第一歩は相手の立場に自分をおいてみることなのです。

初出:2012/02/28
更新:2025/06/18