超広域型商店街_001
超広域型商店街とは非常に交通量の多いところにあり、全国的な中心都市にある商店街です。取扱商品は買回品を中心に取り扱っています。商圏広域型商店街よりもさらに広域となります。

商圏の人口は大体100万人以上となり、商圏の半径は30キロ以上に及ぶと言われています。中小企業庁が実施している商店街実態報告によるとこの超広域型商店街を「百貨店、量販店を含む大型店があり、有名専門店、高級専門店を中心に構成され、遠距離から来街する商店街」と定義しています。

■超広域型商店街のイメージ

イメージとしては、東京や大阪、名古屋、仙台等全国的な中心都市にある商店街があげられると思います。例えば、東京の銀座や新宿等日本を代表するような商店街となります。このような商店街は、日本全国からお客を集めることが可能となります。

またこういった商店街の核店舗は全国的に有名な百貨店等が該当してくると言われています。

■どれくらいの数が超広域型商店街なの?

『中小企業庁の令和3年度商店街実態調査報告書』によれば、回答された4,536商店街のうち、超広域型商店街に該当するとされたのはわずか1.8%(82件)であり、非常に少数です(図表5)。

しかしその平均店舗数は144.7店舗と、全タイプ中でも圧倒的に多く、商圏の広さと集客力を物語っています(図表10)。

このような商店街に出店するには、全国規模で認知されるブランドや特化商品を扱うことが前提となり、個人事業や地域密着型ビジネスには適さない場合もあります。

もちろん、超広域型商店街で最寄り品を取り扱ってもそれなりに売れるとは考えられますが、超広域型商店街の地価の高さによって家賃などの固定費を賄うのが極めて困難だったりします。

また、土地のオーナーであればそこは無視できるかもしれませんが、賃貸で出した時の家賃収入とお店の収益の差額が機会費用となるため(殆どの場合賃貸に出したほうが収益が多くなる)、外部に株主がいたりと経営に第三者が影響力を行使するような、自分の判断だけで商売をできないビジネスでは最寄り品を扱ったお店を営むのは困難です。

(株主からすれば正当な利益を放棄しているわけですから。)

逆に言えば、全国から買いに来る目的性の高い商品を扱う事業者にとっては、この上ない市場環境です。

このような特徴を踏まえ、超広域型商店街は『目的型来街者』をいかに取り込むかが重要な戦略となります。

■まんがの内容と超広域型商店街

このまんがでは地元では良い什器がなく東京まで行こうとしています。今回はこの東京にある商店街を超広域型商店街として描いています。

そして、超広域型商店街は近県からも人を集めることができると言っています。どうやら学食の人たちも什器を見に来ていたようで、ばったりと会ったようですね。 

■商店街タイプの比較(一覧表)

商店街は中小企業庁の調査により、近隣型、地域型、広域型、超広域型の4タイプに大きく分類されています。それぞれに商圏規模や平均店舗数、取扱商品の性質に違いがあり、どのような商売を展開すべきかのヒントとなります。

以下の表にタイプ別の違いをまとめていますので、出店や支援の参考にしてください。
商店街タイプ 商圏人口 来街手段 取扱商品 平均店舗数 主な立地イメージ
超広域型商店街 100万人以上 鉄道・自動車・観光 買回品
(専門性高)
144.7店舗 銀座・新宿など全国都市
広域型商店街 20万人以上 公共交通・自動車 買回品中心 87.8店舗 県庁所在地など
地域型商店街 数万~十数万人 徒歩・自転車・バス 最寄品+買回品 57.0店舗 小都市の中心部
近隣型商店街 1万人以下 徒歩・自転車 最寄品中心 41.3店舗 私鉄沿線の駅前など


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◎本記事:超広域型商店街とは
広域型商店街とは
地域型商店街とは
近隣型商店街とは

初出:2012/02/24
更新:2025/07/25