近隣型商店街_001
近隣型商店街とは地元の生活者が日用品などを徒歩や自転車などで買い物をする商店街です。取扱商品は最寄品中心となり、商圏は徒歩や自転車で訪れることができる範囲にとどまります。

商圏の人口は大体1万人以下にとどまり、商圏の半径は1キロ程度であるとされています。また、こういった近隣型商店街の核店舗は地元の食料品スーパーが該当してくると言われています。

中小企業庁が実施している商店街実態報告によるとこの近隣型商店街を「最寄品中心の商店街で地元住民が日用品を徒歩又は自転車等により買い物を行う商店街」と定義しています。
※最寄品:食品や日用品など、頻繁に購入される商品。

■近隣型商店街のイメージ


イメージとしては、私鉄沿線の駅前にあるこじんまりとした商店街があげられると思います。こういった商店街は、近隣住民の支持は得られていますが、なかなか隣の駅や遠くからお客さんが訪れるようなことは難しくなっています。

最寄りの商店街でそろうような商品をワザワザ隣の駅や隣町まで出かけて 購入することは、あまりないと思います。そして最寄りの駅でそろうものを中心にして取り扱っているのがこの近隣型商店街となります。

■どれくらいの数の近隣型商店街があるの?

『中小企業庁の令和3年度商店街実態調査報告書』によれば、近隣型商店街は回答全体の54.3%を占め、もっとも一般的な商店街タイプとなっています(図表5)。

商圏人口が1万人以下とされる点も含め、地域の生活に根ざした役割を担っており、平均店舗数は41.3店(図表10)と、コンパクトながらも日常利用に特化した構成となっているのが特徴です。

そして、この商店街の存在が街の(というか駅の)魅力を決める大きな要素になってきたりします。学生時代に都会に住んだ方などは、ちょっとしたノスタルジーとともに、住んでいた街を思い浮かべたりしますよね?

その時、街の魅力は近隣型商店街が担っていたはずです。

■まんがの内容と近隣型商店街

このまんがでは、近隣型商店街を想定しており、パン屋さんに行ってみるといつも同じ人が並んでいると言っています。

これは、この町に住んでいる人でほとんどのお客様を構成しているため、そのように見えると考えられるんですね。

そして、これが近隣型商店街にお店を出す場合のヒントになります。

近隣型商店街は逆に言えば、商圏内の客層が安定しています。そのため、「リピーターとの信頼関係」や「地域密着型のサービス」が成功の鍵になります。

特に高齢者や子育て世帯の来街頻度が高く、地場の顧客ニーズにきめ細かく応える姿勢が求められます。よく配達無料とか出前をやっているお店なんかがあると思いますが、そのような考え方なのです。

こうした商店街では、新しい集客よりも「失客を防ぐこと」に重きを置いた販促が効果的であり、口コミや顔なじみの関係が大きな経済圏を生んでいるのです。

■尖ったお店を始めたい場合

近隣型商店街の場合は、街自体が広域からの集客をあまり助けてはくれないと覚悟を決めて商売を営む必要があります。

例えば、私鉄沿線の商店街に鉄道模型併設カフェなどがあったりしますが、そういったご商売は商店街の力があまり借りられないので自社でなんとか集客するという心構えが重要になってくるのです。(とはいえ、私鉄の車両基地が近いなどアドバンテージのある立地は考えられますが)

同じように、商店街の商圏だけで商売が成り立ちにくいお店をやりたいならば、自分のちからでお客様を集める、自分のお店が目的地になるような商売を一から構築するガッツが必要になります。

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