発注点在庫_001
発注点在庫とは、持っている在庫がその水準を下回ったときに発注を行うと定めた点です。この水準を決めておけば発注業務を機械的に行うことができます。

■発注点在庫の設定方法

それではどのようにしてこの発注点在庫を設定するとよいのでしょうか?

通常は発注したからと言ってすぐに納品されるわけではなくある程度の時間がかかります。そのため、発注点在庫は調達期間中の使用量も考えて設定します。

例えば一日当たり10個売れるであろう商品で発注から納品されるまで5日間かかる場合、少なくとも在庫が50個以上ある段階で発注をかけなければなりません。

また、品切れを防ぐために需要の変動に備えた安全在庫を考慮する必要もあります。

これらの事をふまえ、発注点在庫は次の計算式で計算することができます。

■発注点在庫の具体的計算式

発注点在庫=平均在庫使用量×在庫調達期間(リードタイム)+安全在庫

■発注点在庫についてのまんがの解説

さて、このまんがでは品切れを防ぐための方法を考えています。

2コマ目のとにかくたくさん仕入れて品切れを発生させないという解決策は確かにその通りですが、在庫を沢山持ちすぎると倉庫代がかかったり、陳腐化するリスクなどを抱えてしまいます。

3コマ目で大変だったと言っているように、大量に在庫を抱えた場合は、在庫を処分するために苦労したのでしょう。

今回のテーマである発注点を決めてはどうかと最終コマで言っています。仕組み化しておくと、都度判断する必要がなくなるので、本当に大切な仕事に集中することもできますし、良いやり方ですね。

■発注点在庫の注意点と導入のメリット

発注点在庫方式は、このように在庫切れを防ぐだけでなく、発注のタイミングを明確にすることで発注業務の属人化も防げます。

言い換えれば、誰が見ても「いつ発注すべきか」が分かるようになるため、業務の標準化が進みます。

ただし、発注点を正確に設定するためには、過去の販売データや仕入れ先の納期のばらつきを把握しておく必要があります。

たとえば季節によって需要が大きく変動する商品では、過去の平均使用量だけでなく、ピーク時の販売実績を考慮して安全在庫を上乗せする必要があるでしょう。

これは、かき氷シロップが年間平均すると1つしか売れていないとすると判断を誤るという意味になります。この種の季節商品は年間平均に意味はなく、シーズン内での平均をちゃんと考えないと全然的はずれな発注点の設定になってしまいます。

また、調達先が海外などの場合はリードタイムが長く、発注点を誤ると致命的な品切れを引き起こす可能性があります。また、2025年現在では米国との関税交渉が進むなど取引環境の大きな変革も発生しています。

そのため、発注点在庫は「仕組みとしての管理」として導入した後、定期的に見直すことが大切ですね。

このように、在庫管理を効率化し、業務を仕組みで動かすうえで、発注点在庫は中小企業にも非常に有効な手法です。