売上高経常利益率_001
売上高経常利益率とは収益性の分析の一種で、分析対象企業の本来の収益性を測る指標です。

この指標は高ければ高いほど、通常の企業活動の収益性が高いということが可能です。

これは経常利益が財務活動(借入金の利払いや受け取っている利息など)を含め、臨時的な特別損益を計上していない利益の概念であるため、通常の活動の収益性を示すということができるためです。

この売上高経常利益率は【売上高経常利益率=経常利益÷売上高×100%】という計算式で求めます。この式はその企業の売上高で経常利益額を除すという構造になっているため、売上高の大きさが異なっていても比較することができます。

ここで、この指標を使用する際に注意点があります。それは経常利益という利益概念は上で述べたとおり、財務活動の結果が含められているということです。

例えば、売り上げが100円で経常利益が10円の会社がA社、B社の2社あったとします。

ここでA社は有利子負債を相当量額抱えており、支払利息で5円負担したうえで経常利益が10円となったとします。

また、B社は本業ではほとんど利益を上げられていませんが、豊富に持っている債券の利息9円を受取った結果経常利益は10円となっています。

これらの企業は売上高経常利益率は同じ10%ですが内容は大きく異なっていることが直感的にも感じ取れると思います。

今回のまんがでは、収益性を分析した結果「学食」も、「経営クラブ」もROAがほぼ同じであったと言っています。しかし、売上の規模も違うし、持っている資産の規模も違うため、もっと詳細に分析してみたいと考えているみたいです。

最終コマで先生にもっと詳しい分析の方法を聞いてみると言っていますが、きっと先生は今回の売上高経常利益率や総資本回転率などの指標を教えてくれると思います。

それはこれらの指標は以下の式のように、ROAを売上高を使って分解した指標であるからです。

1.(総)資本利益率(ROA:Retuen On Asset)=経常利益÷総資本×100%
2.売上高経常利益率=経常利益÷売上高×100%
3.(総)資本回転率=売上高÷総資本 (回)
経営指標

■固定費構造の違いと売上高経常利益率の限界

同じ売上高経常利益率が10%の企業があったらどうでしょうか?「割といいな」と考えるか「ちょっと厳しいな」と考えるかは業種業態によりますが、会社が安定しているかどうかは固定費構造によって変わってきます。

固定費型ビジネスという、固定費の比率が多く利益が出るまで沢山売上を上げないといけないような商売があります。

例えば、製鉄など巨大な設備投資が前提でその費用の多く部分が減価償却費だったりします。そのようなビジネスの場合は、売上高に対する粗利率は高くなりがちで、固定費を回収する損益分岐点を超えると大きく利益が伸びたりします。

これに対して、固定費が少なく多くの部分が変動費になるような変動費型ビジネスといったものがあります。

これらのビジネスモデルで同じ売上高経常利益率が10%だったらどうでしょうか?

固定費型ビジネスの場合は売上の多少の増減で大きく売上高経常利益率がズレてきます。他方、変動費型ビジネスの場合は多少売上が増減してもそれほど売上高経常利益率はぶれません。

このように、単に売上高経常利益率だけを見るのではなく、その背景まで想像力を働かせて利用することが重要なのです。