ペネトレイティングプライス_001
ペネトレイティングプライス(市場浸透価格)とは新製品を市場に投入する際の価格設定の方法の一つで、製品の導入初期に意図的に低めの価格を設定しすることをいいます。新製品を市場に投入する際の価格設定の方法はこのペネトレイティングプライス(市場浸透価格)スキミングプライス上澄み吸収価格)があります。

このような価格政策は以下のような条件の場合に採られるといわれています。

1.製品の差別化しにくい
競合が参入しやすいため、導入当初に高い市場シェアを確保する、早めに市場に浸透して高いシェアを目指すといった効果を狙います。

2.価格弾力性が大きい
価格が変化した場合、需要は大きく変わります。すなわち、価格を安くした場合に、需要が大きく増加するため、安くしても販売量の増加の影響の方が大きく、売上高が増加する可能性があります。また費用面では
規模の経済の効果を期待して利益の増大を狙います。

3.
製品ライフサイクルが長いと見込まれる
製品の導入当初に高いシェアを確保し、経験曲線効果を期待し長期的に利益を得るという効果を狙います。

このまんがでは、新製品のカメラがとても安いと言っています。このカメラについて販売企業は、「製品の差別化は難しく、安くするとたくさん売れる。また、この製品は息の長い製品である。」といったような事を考え、このような安い価格設定を行っていると考えることができます。


実務面からの加筆:
実務的に安くして市場に浸透するという戦略(ペネトレイティングプライス)を中小企業、更に規模の大きくない小規模事業者が採用するのが合理的かという問題があります。

特に小規模事業者が新製品や新サービスにつける値段は安すぎる場合があります。その価格で売っても適正な利潤が得られないかもしれない価格をつけるのはあまり合理的ではないです。

■市場に浸透させるという言い訳

このペネトレイティングプライスは「安くして市場に浸透する」→「大きな市場シェアを獲得する」→「規模の経済や経験曲線効果でコスト削減が見込めるので結果として儲かる」といった論理構成になります。

しかし、多くの中小企業は経営資源の制約からこのような戦略をとることは難しいですし、もっと規模の小さな小規模事業者にとっては更に厳しい道となります。

そもそも、浸透させようと考えている市場規模がどの程度あるかの見積もりすら、行われていないケースもあるのです。

■小規模事業者はペネトレイティングプライス戦略を採用すべきか?

現実的には、新製品や新サービスはこのペネトレイティングプライスといったアプローチではなく、最初から適正な利潤を得られる価格をつけることをおすすめすることが多いです。

そうすると、「そんな高くしたら売れないよ」といった声も聞こえてきますが、それを売れるような付加価値を考えていくほうが楽しいですしうまくいくケースが多いです。

とにかく、中小企業、特に小規模事業者は大企業と競争したら絶対的に不利だという現実から始めたほうが良いと考えます。

ヤマザキパンや第一パンと同じ軸で勝負したら絶対に勝てないので、ちゃんと適正な利潤が取れる街の素敵なパン屋さんを目指すべきなのです。

(相手の戦略を知っておくことは有益ですので、ペネトレイティングプライスの考え方を知ることは重要です。しかし、勝算なく安売り競争に打って出ないこともまた重要です。)

関連用語
参入阻止価格

初出:2011/10/18
更新:2025/06/10