アーリーアダプター_001
本記事では、ロジャースの採用者モデル理論における「アーリーアダプター」の位置づけを整理し、イノベーターとの違いや、普及理論・キャズム理論との関係を具体的に解説します。

<用語解説>
アーリーアダプター(前期少数採用者)とはロジャース(Rogers)が採用者モデル理論(イノベーター理論)の中で新しいアイディアや製品・ライフスタイルの採用の早さで人々を分類したうちの一つで、イノベーターの次に一番新しいものが好きな人々の事を指します。

この採用者モデルは新しい物事を採用する速さの順で、イノベーター(Innovators)、アーリーアダプター(Early Adopters)、アーリーマジョリティ(Early Majority)、レイトマジョリティ(Late Majority)、ラガード(Laggards)の5つに人々を分類しています。

■アーリーアダプターは新しいこと+有用性で判断します

このアーリーアダプターといわれる人々はアイディアや製品・ライフスタイルが単に「新しい」という理由だけではなく、「有用であるか・価値があるか」も含めて考慮し採用します。

ここが同じ新しいモノ好きであるイノベーターとの違いで、以下のように簡単にまとめてみました。

項目 イノベーター(Innovators) アーリーアダプター(Early Adopters)
市場構成比 2.5% 13.5%
特徴 革新性を追求し、技術的知識が豊富
新しいことに価値を見出す
新しいものに敏感で、価値を見極めて採用
リスクへの姿勢 高リスクもいとわず試す 一定のリスクは取るが、実用性も重視
社会的役割 技術的導入の先駆者 オピニオンリーダーとして影響力を持つ
採用動機 単に「新しいから」 「新しく、かつ価値があるから」
製品普及への影響 初期導入に貢献 コミュニティ内での広まりを加速させる

この
アーリーアダプターの割合は市場全体の13.5%程度言われています。あなたのそばにも新しい物事が好きでその人が使うとその人がいるコミュニティーで流行るような人がいますよね?その人がアーリーアダプターのイメージとなります。

この種の人々は市場全体に及ぼす影響はかなり大きいです。このアーリーアダプターは別名「オピニオンリーダー」とも呼ばれ、そのコミュニティー内で指導的な地位を保っています。

■アーリーアダプターは単なる新しもの好きと違い、影響力があります

このアーリーアダプターとイノベーターが導入した段階で、製品やサービスの普及率は16%となり、この値を超えると一気に市場に受け入れられるといわれています。この普及率をクリティカルマスと言います。

また、製品ライフサイクルの導入期にはこのイノベーターとアーリーアダプターの一部が主な購入者であるといわれています。

■まんがについて

今回のまんがは先輩を
アーリーアダプターとして描いています。アーリーアダプターである先輩は何らかの価値を感じて耳みたいなものをつけているようです。

そして彼女はオピニオンリーダーとしてコミュニティーに対して影響力を持っており、先輩がつけているとほしくなると後輩に言われています。

■あなたの周りのアーリーアダプターは誰ですか?

新しいサービスやガジェットをいち早く試して、その感想を共有してくれる友人はいませんか?そして、その感想は的を射ているので信頼されるような人です。

(新しいもの好きで、単に自慢するような、ドラえもんのスネ夫的な人はイノベータかもしれませんが、影響力は限定的です。)

彼らは無意識のうちにオピニオンリーダーとして機能し、周囲に影響を与えています。

アーリーアダプターは単なる物好きではなく、社会の中で流行を作り出す重要な役割を担っている存在なのです。

■ビジネスへの応用:アーリーアダプターには高価格でも受け入れられる?

アーリーアダプター層は、「新しさ」や「価値のある体験」に対して高い関心を持っており、価格よりも利便性や差別化要素を重視する傾向があります。

そのため、マーケティング戦略としてはスキミングプライス(上澄み価格戦略):導入期にあえて高価格を設定し、価値に敏感な層から利益を得る方法が有効に働くことがあります。

製品やサービスに先進性や独自性があり、限られた層に強く訴求できるものであれば、アーリーアダプターは「高価格=価値の証」として積極的に支持してくれるケースも有り、上手くこの層に刺さる商品開発ができれば大いに収益に貢献してくれます。

なお、逆にあえて価格を抑えて市場シェアを取りに行くといった戦略もありえます。このあたりは、ビジネスのコンセプトの問題となり正解はないのですが、自社内で整合性を取っておくと良いですね。