インフォーマル組織_001
インフォーマル組織とは、組織内に人間関係などで発生する非公式な組織の事です。

公式な組織であるフォーマルな組織が様々な目的を達成するために、管理者が意図的に作り上げられた組織であり、組織図で表現できるものに対して、インフォーマル組織は自然発生的に生じた組織であると言うことができます。

言い換えればインフォーマル組織は組織内に発生した仲良しグループのイメージです。

このまんがでは、吹奏楽部の公式な組織を1コマ目に示されているような組織図として表現しています。

しかし、この正式な組織図にかかわらず2コマ目、3コマ目のように普段の行動はインフォーマルな組織で行っています。

そして、人間関係論という学問では、インフォーマルな組織が組織に所属する人々の士気に大きな影響を与えていると指摘しています。

例えば、組織内に発生しているインフォーマルな組織が一生懸命練習をすることをよしとするような文化を持っていれば、練習の効果が上がります。

逆に練習をまじめにやる人を排斥するような文化を持っていると、どんなに正式な組織を練習に適するように整えても効果には限界が出てしまいます。

■インフォーマル組織のメリットとデメリット

インフォーマル組織は仲良しなグループのようなものです。どのような会社でも同僚同士や上司と部下の間に私的な関係が構築され、通常の指揮命令系統では流通しないような情報がそういった非公式の組織で流通します。

その結果、メンバーのモチベーションが上がったり(人間関係の良い職場のほうが働きやすいですからね)、意思決定が迅速になったりと様々な良い面が生まれます。

この意味で、「職場の懇親会なんかには出ておいたほうが良いですよ」といった実際的なアドバイスがされたりするのです。(非公式の情報の流れというのがどんな組織にもあるのです。そして、その流れにアクセスするためには、処世術として懇親会に全く不参加で貫くというのはおすすめしません)

■デメリット

と、「良さそうな機能があるので会社側からも大歓迎です。」とはいかないので注意が必要です。

情報が非公式の組織で流通するということは、いわゆる派閥が発生したり、仲間外れなど人間の負の面が発生します。

また、悪い場合はインフォーマル組織(非公式組織)の方の価値観が強まり、会社とか組織などのフォーマル組織(公式組織)の方針と乖離してしまうリスクもあります。

「職務上は決裁権が無いけど、事前にベテランの〇〇さんに相談すること」等といった、よくわからない職場のローカルルールなんかが生まれれば、非効率の温床となりますし、組織が壊れる原因となります。

そのため、マネジメント層はインフォーマル組織を健全に活かすといった視点が必要です。特に与えていない権限を僭称する組織構成員が出ないかどうかに、目を光らせておくことが重要です。

せっかく採用した従業員が定着しない職場には、その種の非公式なボスが、組織の意図とは別に過剰な負荷をかけている可能性がありますので。


ただし、繰り返しになりますが、インフォーマル組織は上記のようなメリットも大きいため、排除するのではなく健全に活かす工夫が求められます。