社会志向_001
社会志向とは生産志向製品志向販売指向マーケティング志向社会志向といったマーケティング・コンセプトの一つで「顧客のほしがるものを、社会に役立つ形で提供する!」という考え方です。

■社会思考は理想論?

本記事の初公開は2011年でしたので、「ちょっと理想論なんじゃないの?」と少し懐疑的な空気もありました。しかし2025年現在、社会志向は企業経営やブランディングにとても重要な柱を提供しています。

■敢えて商品を提供しない?

この社会志向は例え顧客が欲しがったとしても、顧客や社会の長期的な利益に合致しないような製品を作らない。企業は社会のなかで存在しているため、社会のためにならないような活動はしないという考え方を取る場合他あります。

例えば、現在の顧客がどんなに欲しがったとしても、燃費がとても悪く真っ黒な排気ガスをもくもくと吐き出すような乗り物は作らないといったことが考えられます。

燃費が悪くて燃料をばらまいて、爆音を立てて走っているような車であっても、かっこよければほしいですよね?でも、社会志向からすると、そのような車はあえて売らないといった考え方になります。

■マーケティング志向と社会志向の違い

このまんがでは、求められているものは肉やデザートでした。また、量の多さも重要だと調査からはわかっています。

マーケティング思考であれば、これらの顧客のニーズに答える商品を提供すればバッチリだったわけです。

しかし、社会志向の場合は、一歩進んで学生さんの健康を考えて野菜を付け合わせとして提供するといったことが考えられます。

つまり、社会志向とは消費者のニーズ、消費者の利益、企業の利益、社会の利益の4つを調和させるようなマーケティングコンセプトとなります。「私達が提供する価値が社会や未来にとっても有益か?」という視点を追加するのです。
たとえば、肉やデザートなど甘くて脂質たっぷりで量も多い料理は多くの顧客、とりわけ学生さんに求められるかもしれません。すごく売れるかもしれません。しかし、そのような商品を「企業としてそれだけを大量に売り続けることは果たしてよいのか?」といった道徳的観点が必要になってくるのです。

■様々なマーケティング・コンセプトの簡易まとめ


志向名 中心的な考え方 主体 顧客視点 社会性
生産志向 作れば売れる 企業側 無視される 無視される
製品志向 良いモノを作る 技術側 無視されがち なし
販売志向 売り切る! 営業側 欲望中心 なし
マーケティング志向 顧客満足重視 顧客側 高い 限定的
社会志向 顧客×社会の両立 顧客+社会 高い 高い(調和)


■社会志向が支持を集めるケースも多い

「そりゃそうだけど、ビジネスってのは綺麗事じゃないんだよ」などと、2011年当時は思ったかもしれませんが、2025年現在において、社会志向で「健康志向」や「環境配慮」といったキーワードが差別化要因になって業績を挙げている企業を読者の皆様も沢山ご存知なはずです。

つまり、世の中が成熟してきており、世のため人のためという感覚が経済的に報いられるようになってきたのです。

なお、小規模事業者さんはこの社会志向を強烈に打ち出すことで他社と協力に差別化するといった戦略で上手くいっているケースがたくさんあります。街を歩いてみれば、そのような社会志向のご商売を目にすると思いますので、ぜひ探して、ご自身のご商売に応用できないかを考えてみてください。

例えば、地元の飲食店が「無添加メニュー」「フードロス削減」などの取り組みを看板に掲げ、地元客から支持を集めている。そんな例も珍しくないですよね。