組織文化とは組織のメンバーが共有する価値観、世界観、行動規範の事を言います。いわゆる社風に近いものです。
組織が提供する経営理念により価値観が形成され、ともに仕事や行動することに世界観が共有されていき、暗黙的なルールが共有され行動規範が似通ってきます。
そして、このように組織文化が形成されると次のような機能と逆機能が生じるといわれています。
1.組織文化の機能(プラス面)
①対内的機能(組織内へむけての機能)
・同じ価値観を共有する事により、コミュニケーションを容易にする
・組織文化が学ばなければならないことを暗黙に指示するため、学習を促進する
・組織文化が行動を調整することで意思決定を早くする
②対外的機能(組織外にむけての機能)
・企業のイメージと評判を外部に向けて発信することが可能となる
2.組織文化の逆機能(マイナス面)
・組織の構成員の思考様式が均質化され、変化への対応が困難になる
・組織文化の維持そのものが組織の目的となってしまう
このまんがでは、パーカッションパートの面々は体育会系の組織文化を持っているため、集合がかかるとしっかりと行動するけど、ホルンパートの面々は自由人の集まりであるため、集合がグダグダになっています。
ただし、環境に適合しない組織文化を持つと発展のためにはならなくなる可能性もあります。そのため、組織文化の変更を促すことが必要となることがあります。しかしこれは現在の組織文化で成し遂げた成功の度合いが大きいほど困難となります。
- 戦略を重視しがちですが
企業の業績を伸ばすなどを考えると、経営戦略などを重視しがちです。
確かに経営戦略は極めて大事なものです。
しかしその経営戦略を実行するためのバックグラウンドとなり、またどのような経営戦略を策定するかの価値観の元となる組織文化もこれ以上に大事なものとなります
- 組織文化に合わない経営戦略は実行されにくい
例えば組織文化をあまり考えずに外部環境の分析と経営資源の分析から経営戦略を導き出した場合を考えてみます。
例えば組織文化としては、非常にプロセスにこだわり、長く使える品質の良いものを徹底して追求するような文化が根付いていたとします。
しかし経営戦略として以下のような分析をして策定を行ったとします。
『高いプロセスの実行能力を経営資源とし、市場は安価でそこそこ良いものを求めている』と分析した
ここからそこそこの品質のものを、どんどん市場に投入していくということ考えたとします
この場合組織文化として長く使える品質の良いものという部分と経営戦略に矛盾が生じておりますので、働く人の士気が高まりません。
また最悪のケースでは、「自分はこんな仕事がしたくて、この会社に入ったわけではない」と離職者が続出する可能性すらあります。
これは組織文化の逆機能かもしれませんが、働く人を尊重した意思決定でなかったというところが問題となっています
- 組織文化が経営戦略を加速するケース
これとは逆に組織文化が経営戦略の実行を後押しするというケースも考えられます
上記のプロセスを非常に重視し長く使える高い品質のものを市場に投入したいという組織文化を持つ企業において、高品質かつ高価格帯で耐久性のある商品を徹底して開発していくといった経営戦略が打ち出されれば、働く人の士気も上がります。
また組織文化に沿った事業計画ですので、事業計画を実行するために必要なことがすぐ組織のノウハウとして蓄積されていきます。
また相互のコミュニケーションも、同じ前提を共有していますのでスムーズに取ることができ、新しい経営戦略であるにもかかわらず素早く実行に移せると言ったことが考えられます。
何よりも、品質重視でプロセス重視であるという組織文化を持っていることが適切に発信出来れば、当社の製品の特徴を企業外部に簡単に発信することができるようになります。
- 良い組織文化と悪い組織文化
基本的には、組織は人と同じで組織文化に良し悪しは存在しません。
ある局面では長所であっても逆の見方をすれば短所であるということよくあることです。
例えばプロセス重視ということが組織文化として定着してるのであれば、企業の外部環境が安定的であるならば非常に手堅く仕事をすると言う強力な長所となります。
しかし企業の外部環境が変化している時代においては、意思決定のスピードにかけるといった弊害が出てくるかもしれません。
これは別に良し悪しではなくその企業の特徴であると考えられます。
なお、良し悪しではないと述べましたが、不正やごまかしを容認するなど、ビジネスに向いていないような組織文化というものがありますので注意が必要です。
好意的に捉えれば柔軟な発想できるということですが、ビジネス環境において、良いか悪いかは別として、ビジネスには向いていない組織文化と考えざるを得ません。
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