
本日は先日ご紹介しました、競争地位の4類型それぞれの戦略定石をご説明します。
1.リーダーの戦略定石
細かくは、先日リーダーの戦略定石の記事でご説明しましたが、一言でいうと、基本的なオーソドックスな戦略を採るというところです。
一例を紹介すると、リーダーは経営資源が豊富というのが何よりも大きな強みです。この強みは非常に強力であり、奇をてらったことをしなくても良いのです。
ということは逆に言えば、競争相手が奇をてらったことをやってきたら、そのままかぶせてしまえば、経営資源大きさで勝つことができます。
よく、似たような雰囲気の居酒屋がありますが、あれは経営資源が多い、相対的に大きな企業側が後からあえて雰囲気を似せている面があります。
同じようなことをやれば、大きな企業の方が規模の経済や範囲の経済、経験曲線効果が効いてくるので低コストで質のいいものを提供できます。
そのため、あえて似せると言った方法が効果を発揮するのです。
2.チャレンジャーの戦略
チャレンジャーはリーダーにはできない非オーソドックスな戦略で差別化を目指します。対リーダー、創造的、革新的がキーワードとなります。
チャレンジャーは二番手以下なので、リーダーを駆逐する必要があります。そのため、なんとしてでもリーダーの市場シェアを奪う必要が出てきます。
この場合、リーダーと同じ事をやっていてもかなわないため、リーダーとは違う方法をあえて取ります。この方法は苦し紛れに見えますが、とにかくやってみて突破口を開くために色々やっていくしかないのです。
有名な例で、アサヒビールがキリンにシェアで負けていたときに味の軸を変えました。従来は『苦み』がキーワードだったのですが、『コク』と『キレ』に集中してアサヒスーパードライを販売しシェアを逆転したのです。
この際に、キリンがリーダーとして真似してきたらどうなったかはわかりませんが、いずれにしても、アサヒビールは独自の切り口を打ち出すことでシェアの逆転を果たしたのです。
3.フォロワーの戦略
フォロワーはリーダーやチャレンジャーの戦略を模倣します。模倣戦略、低コスト、臨機応変がキーワードとなります。
細々と生き残りを図るのも決してわるい選択肢ではありません。もしかしたら、市場が縮小して、上位陣が市場から退出するかもしれませんから。
そうなると、残存者利益を獲得する可能性すら存在しています。
4.ニッチャーの戦略
ニッチャーは自らの市場を競争者と違うところに定義し、その市場にニッチを築くことを目指します。市場細分化、特定市場でのミニリーダー戦略、特定ニーズがキーワードとなります。
ニッチャーは、その選んだ市場のリーダーとなります。そのためニッチャーの戦略は基本的にはリーダーの戦略定石と同じになります。
説明で出てきた用語
残存者利益
範囲の経済
ランチェスター戦略
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