ishi_kaisou_001
組織での意思決定は、その組織に所属している人は皆行っています。といっても誰でも同じレベルの意思決定ができるわけではありません。

その意思決定を次の3つに分類したのがアンゾフです。

1.業務的意思決定
日常業務の効率的遂行を果たすために行う意思決定です。主にロワーマネジメントが行う意思決定です。

2.管理的意思決定
 仕事の流れや、組織形態等組織の構造に関する意思決定です。主にミドルマネジメントが行う意思決定です。

3.戦略的意思決定
 企業目標の決定やどんな事業に進出するかなどに関する意思決定です、主にトップマネジメントが行う意思決定です。

このマンガでは、
1.パートリーダーはロワーマネジメントとして、日々のパート練習の計画を立てる事でパートの技術の底上げを図るための意思決定をします。

2.吹奏楽部部長はミドルマネジメントとして組織を編成し目標を与えて実行するための意思決定をします。

3.顧問はトップマネジメントとしてどのような演奏会を開くかなどの意思決定をします。

曲目や演奏会の会場などがいまいちであった場合、どれだけ効率的に練習を行っても演奏会を成功させる事は難しくなってしまいます。その意味で戦略的意思決定が非常に重要となってきます。

キャプチャ


  • その意思決定は定型的か非定型か



意思決定について階層構造があることを見てきました。

さらに推し進めてその意思決定がどのような性格を持つのかについても触れていきたいと思います。

まず業務的意思決定はどちらかと言うと定型的な意思決定になります。

日々の業務で困ったことがあった時にどのように解決するかそういったことを考えていくような意思決定です。

これに対して戦略的意思決定は非定型的な意思決定となります。

企業を取り巻く環境が変化したり、企業内部の経営資源が変化したりすることがあります。

このような場合意思決定の前提条件が変わってしまうため、通常の意思決定プロセスではなく様々な経営資源を投入できる階層の人間が意思決定する必要があります。

つまり経営のトップ層がこの種の意思決定をする必要があるということです。

なお、管理的意思決定はこの2つの意思決定のあいだの性格を併せ持ちます。


実務面からの加筆:
何かを提案するときは、誰と話しているの?と問うことが大切です。ここで見た通り意思決定には階層構造があるので、いわゆる「決裁権」(決める権利)のある人に話さないと大抵のことは徒労に終わります。

逆に、決められるけど現場レベルのことを長々と管理者に話すのも相手の時間を奪いますので、その人が持つ権限に過不足のない提案が重要となります。

なお、実際の職位と組織内での権勢は別の概念になりますので、権限だけ見てキーパーソンを外して提案すると「私は聞いていない」という日本組織的な面倒が発生するので注意が必要ですよ。

また、フォロワーシップを育てていき、建設的な議論ができる組織にしていくことも重要です。


初出:不明(初期に作った記事なので結構古いはず)
更新:2019/11/10
更新:2025/06/03