ファイブフォース分析とは業界を取り巻く5つの競争要因からその業界の魅力度を測るフレームワークです。
例えば、今現在競争相手のすごく多い業界、いつでも競争相手が参入できるような業界は一般的に業界の魅力があまり高くないという事が出来ます。(儲ける事が難しいため)
その5つ要因とは「業者間の競争」「新規参入」「供給者」「需要者」「代替品」です。
「業者間の競争」とは、自社と既存の競争業者との競争です。
「新規参入」とは、新しい参入者が業界に入り込んでくる可能性です。参入障壁が低い業界は競争が激しくなりがちです。
「供給者」とは、供給業者が少数であったり交渉力が強い場合、必要な資源を手に入れるためにより多くの費用がかかり、自社の利益が少なくなりがちです。
「需要者」とは、需要者が少数であったり、大口であったりする場合、交渉力が強くなるため、自社の利益が少なりがちです。
「代替品」とは、顧客のニーズが代替品で満たされ自社の製品・サービスの存在価値が少なくなりがちです。
この例ではそのうちの2つを示しています。
チェーン店が多いというのは「業者間の競争」が激しいという事ですし、色々なお茶があるという事は「代替品」の存在があるという事です。
- 業者間の競争とはなにか
この業者間の競争とは直接の競合関係が当たります。
一番想像しやすい競争関係であると思います。
例えば隣に同じようなお店ができたら競争を激しくなります。また容易に撤退できないような社会的意義が大きい事業であれば、競争相手が市場にひしめいてしまいますので競争は激しくなります。
このように撤退できないような産業として大規模な装置産業が挙げられます。
この種の産業は生産設備を導入するために非常に多額の金額がかかっています。それだけならば単なるサンクコストなので無視しして撤退の意思決定をしてもいいのですが、会計上その設備の減価償却が終わっておらず残存価額があるとすると大きな減損処理をする必要が出てしまいます。
そして経営者は自分の代で減損処理をして会社を赤字にしたとみられることを非常に嫌がるため、客観的に見て供給過剰であっても撤退することができないのです。
このように市場内の業者間で競争が激しくなれば、その市場で得られる利潤は少なくなるため市場の魅力は減少していきます。
- 新規参入とは何か
新規参入の多さも市場の魅力を削ぐ結果となります。
新規参入が多ければ多いほど市場内の競争を激しくなり適正な利益を得ることが難しくなっていきます。
特に自社が特別なブランドを持っていたり何らかの差別化要因を持っていないような場合、
この新規参入は非常な脅威となります。
自社と同じような商品を売る競争相手がどんどん出てくれば、
自社の競争環境はどんどん厳しくなるのは当然です。
- 売り手の交渉力(供給者)
通常は上の二つだけで競争環境を考えがちですがファイブフォース分析においては売り手の交渉力も考えていきます。
売り手の交渉力と言うとなかなかピンと来ませんが具体的には原材料などを売ってくれる供給業者の交渉力のことが挙げられます。
どうしてもその業者から仕入れないといけないといった状況では原材料の価格が高止まりしがちです。
また原材料の供給が逼迫してくると売り手の交渉力が非常に強くなり市場の魅力が減退していきます。
- 買い手の交渉力(需要者)
さらに買い手側の交渉力も重要です。
例えば買い手側が大手小売業であり非常に価格交渉力を持ってたとすると、
よほどの差別化要因がない限り強烈な価格交渉を受けてしまい十分な利益を得ることが難しくなってしまいます。
そのため相手の価格交渉力が非常に強い市場はそれほど魅力的ではないと5フォース分析では考えることができるのです。
- 代替品
さらに決定的なのが代替品の脅威です。
例えばどんなに良いものを売っていたとしても優れて代替品が出てしまえば陳腐化してしまうという恐れがあります。
例えば抜群の性能を誇るそろばんを非常に沢山売っていた会社があるとします。
このような会社は計算機という機能を考えると、
電卓という代替品が出た段階で決定的にその魅力がそがれてしまいます。
もちろんそろばんは能力開発という別の側面で有益なものですので完全には陳腐化しませんでしたが方向性としては概ね以上のようなことが挙げられます。
- ファイブフォース分析の利用方法
このファイブフォース分析は自社を取り巻く市場環境を分析する際によく用いられるフレームワークです。
ファイブフォース分析を基に市場に存在する脅威を特定し、対応策を考えていくというアプローチとなります。
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