
サンクコストは埋没原価ともいい、どんな意思決定をしても取り返せないコストの事を言います。
上の例のように、すでに払ってしまった映画のチケット代はサンクコストとなります。映画に行こうが行くまいがチケット代は戻ってこないためコンサートに行くかどうかを考えるときは考慮しない方が合理的な選択ができるという事です。
上の例では追加の費用はかからないわけですから、行きたい方に行く方が合理的なわけです。
- 経営的には
経営的にはこのサンクコストを無視することが重要であるとされています。
どうせ取り戻せないお金なので、論理的には無視することが正解なのです。
例えば、「もう1億円も投資してしまったので後には引けない」といった事を言う人がいたとします。
詳しく話を聞いてみると、あと5千万円投資したら、製品ができ上がるとのこと。しかし、製品ができても2千万円の利益しか獲得できない見込みであると言っています。
この場合、どうするのが正解でしょうか?
- 合理的な意思決定では
この場合、5千万円の追加投資をせずに諦めるのが正解となります。あと5千万円で製品ができるならば投資しないともったいないですよね?しかし、よく考えてみるとそうではないのです。
ケースA:5千万円投資した場合
この場合
総コストは1億円+5千万円の1.5億円となります。
一方、利益は2千万円なので、
1.3億円が最終的な損失です。
ケースB:5千万円を投資せずあきらめる場合
総コストは1億円となります。
一方得られる利益は0円となり、
1億円が最終的な損失です。
このように、追加投資しない方が損失が抑えられています。
しかし、よくこのケースを見ると、既に投資している1億円は検討する意味がないことが分かります。この1億円は、どうやっても取り戻せないため、この問題では追加投資の分だけを検討すればよいのです。
そして、このどうやっても取り戻せない1億円をサンクコストと呼ぶのです。
サンクコストは無視すること。これが意思決定の鉄則ですよ。
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