まんがで気軽に経済用語

「知らないから動けない」をなくしたい。 中小企業診断士が、現場視点で経営用語をまんがでわかりやすく解説しています。 読むことで、生産性が上がり、心に余裕が生まれ、社会全体がちょっと良くなる。そんな循環を目指しています。

2025年09月

マーケティング
2025年9月30日

カニバリゼーション

カニバリゼーション_001
カニバリゼーション(cannibalization)とは、新商品が自社の既存の商品の売り上げを下げてしまうような、共食い現象のことを言います。

例えば、会計システムを主力としているような企業が売り上げの拡大をもくろみ、ある程度機能を制限した廉価版を販売したところ、既存商品のユーザが廉価版の商品に流れ、かえって全体の売り上げが低下するようなケ
ースがあります。

投入した新商品が既存の商品と同じようなターゲット顧客に同じようなモノを販売しようとしている場合に強くこの影響が出ると言われています。

差がよくわからない二つの製品があった場合、安価な方を選んでしまいますよね。それと同じことが起こるということです。

このまんがでは、1コマ目で職員をターゲットとしたお弁当の売り上げがとても良いため、2コマ目で学生さんへもちょっと安くして量を増やした同じような商品を販売していきたいと言っています。

発売した結果、売上数量が増えたのでしょうか、3コマ目でとても忙しそうにしています。ただし、客単価はとても下がったと言っており、結果として売上高は増えたかどうか不明です。場合によっては、安いものばかり売れてしまい、全体の売上高は下がっているかもしれないです。

4コマ目のように新しいお弁当が、元々あったお弁当の売上を食べてしまった、共食いのイメージがカニバリゼーションのイメージとなります。

■カニバリゼーションを防ぐ方法は

このような共食いですから、基本的にはマイナスになります。そして、このカニバリゼーションを防ぐことは、ビジネスにとってとても大切な考え方になります。(だって、味方が同士討ちしていたら勝負になりませんからね)

基本的には「似ている」商品やサービスを市場に投入することでカニバリゼーションは発生してしまいます。固く言えば新商品を既存商品と同一市場セグメントに投入するといった整理になります。


この事を逆に考えれば、「選ぶ理由」とか「魅力」をちょっとずらす事がカニバリゼーションを防ぐヒントとなります。

例えば、「大盛りの牛丼」であれば、ちょっと小さめのサイズを提供することで「小腹を満たしたり」重要な仕事の前に「満腹は避けたいけどお腹になにか入れておきたい」と言ったニーズに答えることができるかも知れません。

これは同じ牛丼という商品ですが、サイズを変えることで違う魅力をもたらすということができるという例です。

また、売るターゲットをずらすのも効果的です。例えば、学生向けとビジネスパーソン向けの商品として正確を明確にして売り出せれば同じような商品でも違った魅力を打ち出し、カニバリゼーションを防ぐことができるのです。

このターゲットずらしは、結構行われていて高級ラインと廉価場なラインを分けるなどというのを見たことがあるかたも多いと思います。アパレルなどでは「〇〇レーベル」とか「〇〇『ブランド名』」などブランド名を想起させる文言入れつつちょっと変えるといった事が行われています。

■逆にあえてカニバリゼーションを起こすケース

この他に、商売というのは面白いものであえてカニバリゼーションを起こして自社で顧客を取り合うという作戦もありえます。

例えば、家電やスマホはあえて旧機種と新機種を競合させて競わせるといったことがあります。当然旧機種の売上は新機種に相当部分取られますし、新機種の側も旧機種でいいと考える顧客を取り逃がします。

しかし、会社全体では市場シェアを維持することができたりするのです。

また、製品ライフサイクルで考えれば成熟期に入った後には、衰退が待っていると予測されますので、新たな製品をカニバリゼーションを恐れずに投入していくことが行われます。

そして、新旧製品を合わせて市場を確保していく事が行われます。

また、カニバリゼーションを恐れない作戦の一つの極端な例としてはコンビニエンスストアなどがやるドミナント戦略もあげられます。これは、既存店と新店舗が競合しても面的に商圏をおさえられればいいという割り切った考え方となっています。

初出:2011/09/28
更新:2025/09/30
経済学
2025年9月28日

有形財

有形財_001
有形財とは形のある財(何らかの価値のあるもの)の事を言います。

例えば、食料品やテレビや洋服、パソコン、書籍といった形のある価値のあるモノの事を言うのです。

これは、サービスなど形が無いけれども有益なモノに対応する言葉ですね。これに対して形のない財を無形財といいます。こちらは形はないけど価値があるものでサービスなどが代表例になります。
  • 有形財の特徴とは? 
さて、この有形財。いちいち意識はしないと思いますが、無形財と比較して次のような特徴があります。

・実物を目で見たり、試すことができる。
形があるわけですから、実物を見たり触ったりすることができます。
 
・貯蔵することができる。
生ものとかでは日持ちはしませんが、貯蔵することが可能です。これに対して、無形財は貯蔵することが基本的にまったく不可能です。

言ってみれば当たり前の特性ですが、この当たり前の特性を備えていない無形財を考える時、この有形財の特徴を押さえておくとわかりやすいのですね。

■有形財の分類と活用方法

有形財は更に「消費財」と「生産財」に分類されます。消費財は生活の中で消費される財になり、食料品とか文房具、お菓子、洋服などになります。

これに対して生産財は、工場や会社で他のものを生産するために使われるもので機械や工具、材料などが該当します。

どちらも形があるという意味では有形財ですが、使い方で分類することができるのですね。

さて、このような分類はいわゆるBtoCBtoBの分類に該当してきます。物自体は一緒かもしれませんが、使われ方や使う人が異なるため、マーケティング戦略や流通をどうするかなど様々な面が異なってきます。

自社の商品は有形財を作っているということから一歩すすめて、それが消費財に当たるのか、生産財に当たるのかを考えてみると事業のヒントが得られるかも知れませんね。

■耐久性での分類

さらに有形財を異なる切り口で分類するならば、耐久財非耐久財といった分類もあります。

耐久財は使ってもすぐに無くならないモノをいいます。例えば、冷蔵庫や自動車、自転車などある程度長く使える財のことをいいます。

他方で非耐久財は消費したらそのときになくなってしまうような財で、食品(食べたらなくなりますからね)、衣料品、日用品などが該当します。

この分類も、売り方の違いに関連してきます。耐久財と非耐久財では売り方を買えないとうまくいきませんので自社の取り扱い商品について整理して考える必要があります。

■まとめー有形財の分類ー

上記のように、有形財は「消費財/生産財」と「耐久財/非耐久財」という2つの軸で整理することができます。

用途と使用期間の両方で分類することで、マーケティングや統計分析に役立ちますよ。

分類 耐久財(長く使える) 非耐久財(すぐなくなる)
消費財
(家庭や個人が使うもの)
テレビ・冷蔵庫・家具・自動車
⇒ 長期的に生活で使用する
食料品・飲料・日用品・衣料品
⇒ 消費や使用と同時になくなる
生産財
(企業や工場が使うもの)
工場機械・工作機械・建設設備
⇒ 生産活動で繰り返し利用される
原材料・燃料・部品
⇒ 生産過程で消費される

初出:2013/05/05
更新:2025/09/28
経営
2025年9月24日

業務的意思決定

業務的意思決定_001
業務的意思決定とは、与えられた資源を用いて短期間で最大限の効率化を図るための意思決定の事です。この業務的意思決定を行うのは主にロワーマネジメント層です。

イメージとしては主任さんや係長さんが日々の業務を最大限効率化できるようにする意思決定のイメージとなります。

例えば穴を掘るという業務があったとします。使える道具はスコップで、いる人員は5人とします。この条件のもと、最も効率の良い穴の掘り方を決定するようなことが業務的意思決定にあたります。

ここで、スコップではなく、ショベルカーを持ってくるといった決定であったり、5人ではなく10人の人員を使うであったりするような、決定は一般的にはロワーマネジメントが行う業務的意思決定の範囲外となります。

このまんがでは効率の良い生産方法を決定していますが、人員の増強については権限がないとのことで、上長に増員要請を行っています。

業務的意思決定とはこのように与えられた資源を活用する意思決定の事を言います。

■業務的意思決定と他の意思決定の違い

業務的意思決定と他の意思決定(管理的意思決定戦略的意意思決定)には階層構造(意思決定の階層構造)があり、誰が意思決定するか、どの範囲で意思決定するかが決まっています。

これは無駄にヒエラルキーを作って喜んでいるというよりも、意思決定に階層構造をもたせたほうが効果的に管理できるためです。

■業務的意思決定の例

仕事で穴を掘るとき、スコップしか現場にないならば、そのスコップをどう使って効率的に仕事をするのかを決めるのが業務的意思決定です。

現場の経営資源をどう使い、同効果を上げるか。日常の業務をより良く執行するための意思決定ですね。

■上の階層で考えること

これに対して、「スコップじゃなくてショベルカーを投入すべきだ。購入することにしよう。」とか「現場の人員を増員させ、そのための管理者も然るべき訓練をされた人間にしよう」と言ったふうに考えるのが管理的意思決定のイメージです。

更に、「弊社は、土木関係の仕事をやるのはやめ、これからは内装工事に集中しよう」と会社の進むべき方向、あり方を決めるのが戦略的意思決定となります。こういったのがトップマネジメントの仕事なのですね。

■業務的意思決定をより良くするための権限

上記のように、業務的意思決定は与えられた経営資源で工夫する事です。そのため逆に言えば与えられた経営資源を活用するための権限を移譲しておくことが重要です。

例えば、スコップで現場対応する際に、道具が人数と比較して足りないということが発生するかもしれません。その場合「少額でも現場判断で経費を使える権限」を付与しておけば、足りない道具を買い足すことができます。

また、「臨時にシフトを追加する権限」なども与えておけば、多少の業務遅れを上位層の判断を仰がずにリカバリーできるかも知れません。(報告はする必要がありますが)。

これら、必要な権限を移譲しておくことで、仕事を止めないで効率的な運営ができたりするのです。

初出:2012/03/09
更新:2025/09/24
生産管理
2025年9月21日

5S | 5Sとは地道で誰でもできる改善ですが徹底するとすごい効果が生まれます

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5Sとは職場で徹底されるべき状態を示した言葉です。「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の5つの要素は全て頭文字がSとなるため、5つのSから5Sとなります。

■5つのSとはなにか

この5Sは以下の5つですが、それぞれに達成すべき状態が決まっています。以下、ざっくりと説明します。 「整理」とは、いるものといらないものとを分け、いらないものを捨てる事です。 「整頓」とは、いるものをいつでも使えるように明示しておく事です。 「清掃」とは、掃除をして綺麗にしておく事です。 「清潔」とは、上の三つを徹底して維持する事です。 「しつけ」とは、決められた事を守るように習慣づけする事です。 このまんがの例ように整理整頓がされていないと、必要な時に必要な物が見つからないため無駄が生じますし、最悪の場合事故につながる危険性もあります。 5Sは当たり前の事といえば当たり前の事ですが、その当たり前の事を徹底する事によって、安全の確保や無駄の削減、従業員の士気の向上等の効果を得る事ができます。

■5Sの各要素について

ここから5Sの各要素について細かく見ていきます。なお、5Sとはこの順番に進めていくと言った一つの行動指針でもあります。 また、それぞれの要素を『徹底する』といったニュアンスがあります。この徹底という言葉が重要で、気まぐれに整理整頓するといった活動ではなく、徹底した改善活動なのです。 もちろん一つ一つの要素は心がけるだけで誰でもできます。しかし、物事を徹底するのは非常に難しいことなので、5Sを徹底する指導を行うだけで非常に高い業績を上げているコンサルタントの先生もいますし、奥深い分野なのです。

■1.整理とは何か

5Sの最初の一つは整理です。整理とはいるモノといらないモノを区別して、いらないモノを捨てることです。 この順番にも意味があって、『整理』つまりいらないモノを捨てる事が最初に来ている事に注意してください。最初に捨てるというのはECRSという考え方に通じますね。 まずは、いらないモノを捨てる。いらないモノがある段階で、その後の整頓しても清掃しても上手くいかないと言ったことを示唆しています。 例えば、いらない箱が床に置いてある向上を考えてみます。いつか使うだろうと思って、倉庫の入り口付近においてある事を想定します。 この倉庫は毎日、材料の入庫と出庫が行われるため、入り口にある箱は微妙に邪魔です。実はその箱をよけるために1回あたり10秒の時間がかかっているとします。 入庫と出庫は一日120回行われており、工場は年間240日稼働だとします。また工場で働く人の平均賃金は1時間あたり2,000円だとします。 この箱はどれだけの余計なコストを発生させているかわかりますか? 答えは 10秒×120回×240日÷60秒÷60分=80時間 80時間×2,000円=160,000円 となります。 邪魔な箱が一つ置いてあるだけですが、これだけの余計なコストが生じているのです。また、箱に入っているモノの在庫コストなどを無視しているので、これよりももっと無駄が生じているかも知れません。 ここまで極端じゃないにしても、モノがある事によって探す手間がわずかですが増えますし、整頓や清掃の手間も増えます。このわずかなモノが積み重なると大きなコストとなります。
onnanoko_bustup
あーもーぜんぜん片つかないわ!一生懸命しまってもすぐに散らかっちゃうし!

neko
オーナーさん、最初にいらないモノを捨てるといいってききましたよ。色々しまっていますけど、本当に使うかどうかで分けた方がいいと思います。

onnanoko_bustup
わかってはいるのよね。開店当初のPOPとか絶対使わないけどつい取っておいちゃうのよね。でも、確かにこのPOPを捨てれば仕事が楽になる気がするわ。

■2.整頓とは何か

次にモノを使えるように並べておくことをします。整理を最初にしてモノを減らしてから整頓するわけですから合理的ですよね。 仕事や学校で、何かを探し回る手間って感じたことがありませんか?すごく忙しい感じはしますが、残念ながら何かを探している時間は何の付加価値も生んでいない時間です。 そのような時間の発生を防ぐために整頓を徹底するのです。 飲食店で考えるならば、包丁は包丁がしまってあるところへ、ザルはザルがしまってあるところへ、フォークはフォークがしまってあるところへと誰が見てもわかるように必ずそこにしまっておくことです。 また、しまい込んではだめで、必要な時にすぐ取り出せるようにする必要もあります。このようなしまい方をしっかりと工夫することが整頓なのです。
onnanoko_bustup
ふー片ついたわ。やっぱりモノがなくなると仕事がしやすいわね。

hiyoko
次は、決められたところにモノをしまうことよ。POPを作るために、いつも色紙とかマジックを探し回っているからそうならないようにするといいと思うわ。

onnanoko_bustup
そうね、いつも思っていたけど、探し回る時間がなくなればもっと早くうちに帰って次の企画が立てられるのよね。

■3.清掃とは何か

清掃とは5Sの3番目にきていますが、掃除をしっかりとしてきれいな状態に保つことを言います。 汚いのときれいなのであれば綺麗な状態がいいぐらいの意味に取る人もいるかも知れませんが、清掃で言うところの綺麗な状態は、清掃を行いながら細部を確認するといった意味を持ちます。 機械や道具に違和感があれば、壊れる前に保全活動を行えますよね?壊れてから直すのではコストがかかりますので、壊れる前に異常を感知するといった意識を持つことが大切です。 また、清掃を常に行っていれば、職場に余計なモノがないはずです。そのような状況で余計なモノがあれば「あれ、なんか変だぞ」といった違和感につながります。 そのような違和感は改善の大きなヒントになりますし、事故を未然に防ぐといった意味でも重要なのです。
neko_akire
5S頑張るって宣言したのはいいんですけど、清潔って何かちがくないですか?

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そうよね、ニュアンス違うわよね。でも状態を維持するって事は重要なのよ。

■4.清潔とは

5Sの4番目である清潔は今までの言葉とはニュアンスが異なってきます。『整理』『整頓』『清掃』は行動です。しかし『清潔』は状態を示す言葉です。 そのため、清潔は整理整頓清掃が行き届いた状態を維持するといった意味になります。 では、なぜ清潔にしておく必要があるのでしょうか?それは、異常を浮かび上がらせるためです。 例えば、汚い工場では機械が油漏れを起こしていても誰も気がつきません。しかし、綺麗で清潔な工場であれば、油漏れを起こした機械はすぐにわかります。 このことは事故を防ぐ意味でも重要です。 そして、清潔を徹底するためにあえて汚れが目立つ色に床を塗る事までします。清潔という状態まで徹底で来てれば、逆に汚れが目立つ方が異常がわかりやすくて良いと言った境地になるのです。

■5.しつけとは

そして5Sの最後は躾です。この躾とは、従業員の教育訓練を表しています。言われなくても、5Sの整理、整頓、清掃、清潔を守るようにする事です。 また、それらが実現しやすくなる環境や仕組みを整えることも示しています。さらに、教育訓練だから従業員にやらせるだけで良いと考えるのは大きな間違いです。 社長が、工場長が、部門長が、料理長が率先して5Sを実行するのが一番の躾となります。 要するに、職場ぐるみで5Sを行う状態にするといった事が躾なのです。
onnanoko_bustup
さー5Sよ!ちゃんとやってよね!

hiyoko_2
ぴーーーーオーナーさん。それはだめよ。

onnanoko_bustup
あらどうして?ちゃんと5Sを徹底するのが躾じゃないの?

hiyoko
躾って、状態を習慣化することだから、偉い人が率先しないとだめなのですわ。

onnanoko_bustup
そっか、5Sで職場がとても改善したからついつい、調子に乗ってしまったわ。自分でちゃんとやっていかないとね。

■5Sで何が変わるのか

このようにしっかりと順番をおって5Sに取り組めば、職場が変わるイメージがつかめたと思います。 なお、5つの要素を簡単にまとめましたので参考にしていただけばと存じます 5Sまとめ
解説で出てきた用語・関連用語
ロワーマネジメント
ECRS
在庫費用
予防保全

初出:多分2011年
更新:2019/02/04
更新2:2025/09/21

マーケティング
2025年9月18日

ペイドパブリシティ

ペイドパブリシティ_001
ペイドパブリシティとは、マス媒体にお金を支払ってパブリシティを行ってもらう事を言います。一般的には記事広告と呼ばれる形態です。

通常、パブリシティでは企業側はお金を払わずに記事にしてもらいます。

しかし、ペイドパブリシティではお金を支払うので、情報のコントロールが可能です。その意味では、パブリシティというよりも通常の広告の一種であるという事ができると思います。

また、記事風の広告なので通常の広告よりも信頼感が高まると言われています。

例えば、雑誌などで特定の企業を猛烈にプッシュしている記事を見たことはないでしょうか?業界全体の特集を組んでいる雑誌記事のなかに、特定の企業の情報が沢山盛り込まれているページがあるような場合です。

そのような記事は、記事広告である場合があります。

そして、記事広告であるならば、その記事のどこかに「広告」である旨を表示する文字が入っているはずです。

もっとも、広告である旨を明示しないで水面下でお金が動いていたりすると「ステルスマーケティング」(いわゆるステマですね)の一種になってしまいます。

お金を払って広告を出したにもかかわらずステルスマーケティングを行ったなどと非難を浴びてしまっては意味がないばかりか、企業の評判に害を与えますので注意が必要です。

■ペイドパブリシティの注意点

ペイドパブリシティはこのように実態は広告ですが、記事風になっているという体裁を取ります。BtoCで雑誌やWeb記事に記事的に露出を図ることで、記事を掲載した媒体や記事を書いた人のお墨付きを得たかのようにメッセージを伝えることができます。

また、記事風の広告ですから、ニュースっぽい雰囲気を出せますので権威性をもたせることも可能です。

よく取材してくれて、まとめてもらえればプロが書いた記事ですからとても良いものができあがります。ひょっとしたら会社自身も気がついていなかったような商品や会社の魅力を言語化してくれるかも知れません。

そのため、季節限定の新商品を発表したときとか、新しくオープンしたお店を知ってほしい場合、場合によっては新業態を開発してこれから〇〇というお店を展開するよといったときにペイドパブリシティが活用されます。

ただ、やはりどこまで言っても広告ですから本来のパブリシティが持つ信頼性には一歩劣ります。その上、広告の中でも結構お高めの値段つけになりがちです(記者が取材して記事にまとめてくれるわけですからね)

また、営業が来た場合は媒体の性格を確認することも重要です。一般向けの商品を扱っているなら一般の人が読む媒体が望ましいですし、業界向けの商材なら当該業界の業界人が読む媒体が望ましいです。

このように広報戦略の一つとして各種広告やオウンドメディア、純広告などと組み合わせて活用すると良いでしょう。

■各種広報手法の整理

広報手法には様々なものがあります。簡単に整理してみますね。

手法 費用感 内容コントロール 露出速度 主な目的 代表媒体/例
ペイドパブリシティ(記事広告) 中〜高 高い 出稿時期を選べる 短期認知・比較検討 ニュースサイト、雑誌のタイアップ
パブリシティ 基本不可不確実 社会的信頼の獲得 TV/新聞/専門誌
プレスリリース配信 低〜中 情報告知・取材呼び込み 配信サービス、記者クラブ
純広告(ディスプレイ/検索/紙) 入札/枠次第 非常に高い 非常に速い 到達/トラフィック獲得 Google広告、交通広告
オウンドメディア/ブログ 低〜中 非常に高い 遅い 検索流入・教育 自社サイト、ナレッジ記事
SNS運用/インフルエンサー 低〜中〜高 中(投稿は制御可/反応は不可) 速い 話題化・共感形成・UGC創出 X/Instagram/YouTube 等
イベント/記者発表会 中〜高 高い(体験設計可) 体験提供・一次情報発信 発表会、試食、展示会

※信頼度はコンテンツ品質と媒体選定で上下します。


いろいろな手法がある中で、ペイドパブリシティを選択するのであれば、その選択の根拠と狙いを明らかにしておくことが重要だったりします。

初出:2012/10/13
更新:2025/09/18

経営
2025年9月17日

水平的競争

水平的競争_001
水平的競争とは、流通の段階の同じ事業者間で生じる競争を言います。(流通は川に例えられることが多く、消費者に近い方を川下、商品を製造している側を川上と表現することがあります。これから、川上どうしが直接競争する、川下どうしが直接競争する→同じ段階での競争のイメージ→水平的競争という風にイメージしていただければと思います。)

この水平的競争とは垂直的競争に対する言葉で、いわゆる通常の競争のイメージになります。

例えば、製造業者同士が製品のシェア争いをする競争や小売業者同士が同じ商圏内で競争するといったイメージですね。

■水平的競争がもたらす影響

同じ立地や立場のお店や会社が競争することは消費者にとっては良いことです。なぜならば、競争があるところでは、価格の低下や品質改善、サービスの向上などあの手この手で顧客を獲得しようと利潤を削ってまで頑張るからです。

その意味で、便利で良い商品を適正価格で手に入れることができます。

他方で、企業の側から言えば、水平的競争はあまり望ましくないです。真っ向から勝負するなれば価格競争やサービス競争など利潤を削った消耗戦に陥ります。

特に取り扱う商品に差がないような業態で、参入障壁が低いような業態の場合は最終的には値引き合戦になってしまいます。その結果、この競争が亢進すれば最終的には敗者が生まれ、事業継続が難しくなる事業者が出てきてしまいます。

そのため、私達がアドバイスする場合は、競争にならないように、なにか軸をずらして直接競争に陥らないような方策を考えていきます。

■消費者行動の変化

近年では、スマホでお店の値段や評判などを口コミで比較することが従来よりも更に容易になってきています。

また、少し遠方のお店も口コミを見ることができ、推薦される(レコメンドエンジンという仕組みがあります)という仕組みもあることから、かなり広域でライバル店になってしまいます。その上、ネット上の通販サイトからも同じ商品を購入できるといったことすら発生しています。

そのため、従来のローカルな商圏内での競争を超えた、水平的競争が発生してしまっているのです。

■水平的競争を避けるために

同じお店同士ですから価格競争に陥ってしまうと上で指摘した通り、消耗戦になります。お客さんにとってはどっちのお店で買っても同じとなってしまえば、安い方で購入することが合理的ですからね。

そのため、この競争を避けるために以下のような方策を考えます。
などなど、いろいろな方法が考えられます。これらは考えることがたくさんありますが、一般的なアドバイスを書くとするならば、「あなたの会社がもつ経営資源を活かして、競合のお店と違うことをやってください」ということにつきます。

そして、その違うことは競合が真似しにくい事のほうが望ましいです。こういったことを丁寧に積み上げることで、どこにもないユニークなお店が出来上がっていくのですから。

■水平的競争と水平統合の関係

この水平的競争が激化していくと、企業はいっそのこと競合と統合してしまおうと検討することがあります。これを「水平統合」といい、力を合わせて経営に取り組むことでバイイングパワーも強くなりますし、規模の経済を達成することも可能です。

ただし、あまりに寡占が進むような統合案の場合は、独占禁止法の観点から規制が入り可能性もあります。

関連用語

初出:2013/01/08
更新:2025/09/17
マーケティング
2025年9月7日

アフターマーケット

アフターマーケット_001
アフターマーケットとは、ある商品が販売された後に生じる二次的な市場のことを言います。

そして、二次的な市場ですので、様々な業者が参入してきます。

例えば、クルマが販売されたことによって、車のパーツや消耗品、整備サービスが行われる市場が生まれたといったイメージです。これらの市場は、そもそものクルマが販売されていなければ生じる余地はないわけです。

(クルマのない時代に、車の整備屋さんとか、車のワイパーを販売する業者が存在するわけがないですよね?こういった市場は明らかにクルマが販売されたことによって生じたアフターマーケットなのです。)

■アフターマーケットの経済的意義

アフターマーケットは買ったあとにもお金の流れが続いていきます。車屋さんの例がわかりやすいので引き続き車屋さんの話を元に説明していきます。

例えば、純正パーツを販売して利益を稼いだり、定期点検を(しばしば無料で)実施してお客様とのつながりを維持し、定期的な車検やアフターサービスからも大きな利益を得ることができたりします。

そして、いよいよ乗り換えになった際には、車の下取りをして新車を販売します。

下取りした車はどこに行くかというと、中古車として売却されます。

このように、車は売ったら終わりではなく、二重三重に収益を得ることができるのです。また状況によっては車を作って売るという一次市場よりも利益率が大きなケースもあるのです。

車屋さんの他には、ソフトウェア業界やスマホ業界なども考えられます。これらも本体やソフトウェアを販売してからがある意味本番で、導入後のサポート・保守契約、機能追加、法令の変更やOSなどの仕様変更に伴うやむを得ない対応費用などが安定収益を支えるのです。

うまく囲い込むような設計ができれば(ベンダロックイン)販売したあとに、顧客のライフサイクル全体で安定収益を確保し、収益の最大化を狙っていくことも可能なのです。(ライフタイムバリュー(lifetime value:LTV)といいます。)

■消費者にとってのアフターマーケット

アフターマーケットは企業にとってとても重要であることがわかりました。では消費者にとってはどうでしょうか?

消費者にとっては、購入した商品の価値を拡張したり、維持したりするための重要な機会になります。例えば、後付可能な純正パーツなんてワクワクしますよね。また、サードパーティがいろいろなパーツを作ってくれるのも素敵なことです。

これは、欲しい機能をあとづけて選択して購入することができる利便性にもつながってきます。

何より、みんながいろいろなパーツなどを考えて作っていけば、それ自体が一つの文化圏になり、趣味として楽しむと言った別の価値も生まれてきます。

また、アフターサービスやメンテナンスを定期的に受けられるのは大きな安心に繋がりますし、何よりも故障に伴う事故などを避けることができるというのも利点です。

最後には、下取りや中古販売で投入した費用を回収できるマーケットがあるというのも消費者にとっては利点となりえます。このようにアフターマーケットが充実している市場は、商品そのものの魅力だけでなく、それを取り巻く環境全体の魅力も高まってくるのです。

初出:2013/05/19
更新:2025/09/07


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