USP(Unique Selling Proposition)とは、独自の売りもの、競合と比較して自社の独自の売りものであり、自社サービスを顧客が選ぶための回答といった考え方です。
ユニークすなわち独自のものとまで言っているので非常に強いコンセプトです。
- キャッチコピーや単なる差別化要因とは違います
さて似たような考え方で差別化要因というものが挙げられます。
自社の商品を競合他社と比較しながらわざわざ選ぶということです。そのため、差別化要因という似たような考え方であると思うかも知れません。
また広告上の売り文句であると考え、キャッチフレーズと混同する可能性もあります。
しかし USP はこの差別化要因やキャッチフレーズよりももっと強い考え方です。
そもそもユニークという言葉には唯一のという意味がありますので、非常にとんがった考え方となります。
- USPの3つの要素
この考え方を端的に示す3つの要素があります。
・顧客への提案である事
・独自の提案である事
・強力な提案である事
この家の独自の提案であるということが重要です。
この独自のというのは競合他社が同様の提案をすることができないといった意味を持っています。このように非常に強い考え方なのです。
- 独自の提案とは何か
さてこの独自の提案とはお客様があなたから購入する理由となります。
これは単に高くても買いたいと思わせるレベルでは足りず、この商品だからこのサービスだから買いたいと考えさせる水準まで高める必要があります。
例えば発売当初の iPhone などはそういったものを備えていたのかもしれません。
- USPは見いだせるのか?
さて中小企業の経営実務において USPを維持することは可能でしょうか。
答えはもちろん可能です。
この USPは企業の活動において全ての段階で見出すことが可能です。
原料の調達から加工、マーケティング営業販売といった一連の行動において競合他社が真似をできない価値を提供できれば USPとなりえます。
例えば、○○市で採れた完全無農薬で育てた野菜だけを使い、アレルギーを持った人でも美味しく食べられる料理を提供するお店などは非常にユニークな存在です。
この場合原材料の調達と野菜だけで美味しいものを作るという加工のノウハウに独自性があります。
- 実務的にはどうか
ただし、実務的には無理にこの USB を追求することはないと考えます。
なぜならば、模倣が困難であるというユニークさと、市場を無視した自己満足の開発は紙一重だからです。
例えば革新的なサービス業を何かやろうと考えた時に、色々なアイディアは出てくると思います。
しかしそのアイデアが現在競合他社がどこもやっていないということは、アイデアはユニークだからではなく誰もやらないキワモノサービスであるからかもしれません。
もちろん事業を作っていく中でユニークさを見出せるならばそれに越したことありませんか、ユニークさがないからといって優れた事業ではないということではありません。