まんがで気軽に経済用語

「知らないから動けない」をなくしたい。 中小企業診断士が、現場視点で経営用語をまんがでわかりやすく解説しています。 読むことで、生産性が上がり、心に余裕が生まれ、社会全体がちょっと良くなる。そんな循環を目指しています。

2015年04月

経営
2015年4月30日

レスポンシビリティ | 仕事をしようとする際には責任はつきものです

レスポンシビリティ
レスポンシビリティとは一般的には責任と訳される言葉です。企業では非常に重視されている概念です。(この言葉を使わないにしても、責任は重視される考え方ですよね。)これを英語で表記するとresponsibilityとなります。

さて、組織で働いていると、仕事を依頼したり、逆に仕事を依頼される事が出てくると思います。

そして、その仕事を相手が受託した段階で、仕事を完遂するという責任(レスポンシビリティ)が発生するのです。

難しい言い方をあえてしましたが、「誰か、このパンを3丁目の田中さん宅に配送してくれないか?」との問いに、あなたが「わかりました、私が対応します」と仕事を受けた段階で、あなたには3丁目の田中さん宅にパンを配送する責任が生じるわけです。

そして、その責任を果たすことが当然の事として期待されてくるのです。
  • 責任と説明責任
さて、このレスポンシビリティによく似た言葉でアカウンタビリティといった言葉があります。こちらは説明責任と訳される言葉で、単に責任を果たすだけではなく、それを説明するという責任もあるんだよといった概念です。

上の例では、3丁目の田中さん宅に配送するにしても、どのような経路で配送するのか、しっかりと安全性に配慮して運転をしているのかといった風に、配送するといった責任を果たす事に加え、その業務が適切である旨の説明をする事が求められるのです。

■個人責任と組織の責任

このレスポンシビリティは個人単位で発生するだけでなく、組織全体についても発生します。

個人は与えられた業務を遂行していく責任を持ちますが、組織はその結果についての責任を社会全体体に対して負います。

例えば、とある製品を企業が開発したとします。そして企業は製品仕様から製造ラインを構築し、従業員各位に製造を指示したとします。

その場合、従業員個人は指示された仕様で製品を作る責任があります。

他方で組織は、製品対して責任を負います。言い換えれば、製品に製造上の瑕疵があった場合、組織が責任を負います。これの考え方がコーポレートレスポンシビリティとなります。

なお、従業員個人に対して責任を問えるかは指示通りに製造したかどうかが重要です。指示通り製造していなければ、個人責任として懲戒の対象にすることは可能かも知れません。

しかし、企業側は欠陥品が出回らないようにするための適切な検査体制を整えていなかった、指示を徹底する事ができなかったという点から非難を免れることは困難です。

また、CSR(企業の社会的責任)という言葉を類義語で上げますが、こちらは組織のレスポンシビリティを拡張した考え方で、社会的な責任も果たすことが重要ですよという考え方となります。
財務・会計
2015年4月20日

タコ配 | タコが自分の足を食べるように…と説明されますがタコは自分の足を食べないそうです

タコ配
タコ配とは、タコ配当の略で、タコがお腹が減った際に自分の足を食べてお腹を満たすように、本来は自分で持っていなければならない純資産(自己資本)を食いつぶして無理をして配当を行うといった行為を表す言葉です。

■配当金は利益の配分です

例えば、赤字になっていた場合、配当金はあくまで儲けの分け前といった位置づけであるため、本来は配当を出さないという選択肢もあるのです。

しかし、「配当を出しておかなければ株価の下落を招くかもしれない」とか、「配当が出せないと経営責任を追及されるかもしれない」といった理由によって、赤字で会社の体力が減っているにもかかわらず、更に配当という形で会社の経済的資源を流出させるような意思決定が行われる事があります。

このような姿を指して、前述のタコのようだという事でタコ配と呼ばれているのです。

■タコ配の例

例えば、大塚家具という上場企業において、株主からの賛同を得て経営権を確保するために配当を大幅に増加させたという例があります。

その後、いろいろあって大赤字に転落したにもかかわらず、大幅に増加させた配当金の水準をそのままにして手元にある現金預金の水準を大幅に低下させたことがありました。


そもそも大塚家具の現預金がここまで細った一因には配当の大盤振る舞いがあったことを見逃してはならない。お家騒動でプロキシファイト(委任状争奪戦)が行われた際、久美子氏は株主から賛同を得るため大幅増配を約束した。15年12月期、大塚家具はそれまでの倍増となる年80円配を実施。必要な原資は14億円超にも上った。

不可解なのは、大赤字に陥った16年12月期も80円配を継続、さらに赤字幅が拡大し現預金の枯渇さえ心配され始めた前期も減配とはいえ年40円配を実施した点だ。

大塚家具のビジネスモデル大崩壊で、銀行が備え始めた「Xデー」 マネー現代 2018/6/13 

■タコは足を食べないらしいですよ?

さて、タコが本当に自分の足を食べるかどうかについては知りませんし、特にその話題を突き詰めようとも思いません。(当サイトはまんがで気軽にタコの生態ではありませんからね。)

しかし、自らの身を削って配当をするという行為についてこのように、かなり強烈な例えを使って示しているのです。

なお、負債(他人資本)と純資産(自己資本)は単に会社が現金をどのように調達しているかを示す言葉です。

タコ配をするために「会社の資産を売り払って現金化して云々」といった解説がなされる場合があるのですが、それはこの『タコ配』という言葉とは特に関係のない話となります。

つまり、タコ配をするためには、最終的には現金を払い出すことになりますが、その現金の調達源泉はなんであっても構わないのです。

金庫にしまってあった現金であっても、建物を売り払っても、場合によっては銀行から借りてきても良いのです。

このタコ配という言葉で問題にされるのは、配当が儲けの分け前として行われるのではなく、過年度に蓄積された内部留保、すなわち利益剰余金等の剰余金が減るという事なのです。

そのため、会社にある金庫から現金を出してきて配当金を支払ったとしてもタコ配になる可能性もありますし、十分に利益が出ている会社ならば、配当をするために土地や建物を売り払ったとしても、通常の配当である場合もあるのです。

現金とその調達源泉を分けて記録するという簿記のお話が理解できればこの辺のカラクリを理解できると思うのですが、この辺を分かって話ができる人は少ないというのが現状です。

なお、会社法では債権者を保護するために分配可能額を上回るタコ配を禁じています。債権者も株主と同じ重要なステークホルダーですから、株主が企業が破綻するのを覚悟の上で際限なくタコ配をしてしまうと非常に問題です。

そのため、配当として分配できる金額は会社法上で制限が加えられているのです。タコの足を食べるぐらいならいいとして、タコの体までは食べてはいけないと言うことですね。

財務・会計
2015年4月8日

為替リスク | 変動するモノを扱う場合リスク(不確実性)はつきものです

為替リスク
為替リスクとは為替レートの変動に伴う不確実性のことを言います。

例えばあなたの会社が、1ドルで何かを購入する契約を結んだとします。この時の為替レートは1ドル100円だったとして、「1ドルが原価、つまり100円の原価のモノだから、130円で売れれば30円が儲かるな…」という風に想定していたとします。

さて、このような契約を結び実際にお金を払う段になった時に、為替レートが変化しているような事を為替リスクと称するのです。

この場合、1ドルが80円にまで円高水準になっていれば、あなたの会社は80円で仕入れて130円で販売できたわけですから当初の想定よりも20円ほど多く利益を獲得できています。(この20円分が為替リスクなんですね)

しかし、1ドルが130円まで円安水準になっているような場合、あなたの会社は130円で仕入れて130円で販売する事になるので利益は無くなってしまいます。(当初の想定より30円ほど利益が少なくなっています。この30円分が為替リスクです。)

このように、通常の意味合いでのリスクというと損失方向のみを考えるのですが、為替リスクというと変動の幅、つまり得する可能性もあるという事を意味するのです。
  • とはいえ
とはいえ、このような為替リスクを放置していたら輸出入取引といった海外と行う取引は儲かるかどうか分からない一か八かの取引になってしまいます。

それでは困るので、商品を販売すると同時に外貨を購入・売却しておく(または、その時点の為替レートで取引できるような約束をしておく)といった事が行われています。これらはオプション取引や先物取引などを活用することで実現することができるのです。

この種の取引はもともと投資家が投資目的(投機目的)で行われていたのではなく、実際の取引に役立つように考え出されたものになるのですね。

(こんな風に書くとちょっと投機目的で使っている人は良くないといったニュアンスが出てしまいますが、投機目的で取引をしている人も、必要性があって使っている人の取引が成立しやすくなるといった価値を市場に提供していますので、大切な人たちなんですよ。)

■企業の為替リスク管理

さて、このような為替リスクですが企業では外国との取引で損がないように様々な工夫を行います。

その一つが、「現在の為替レートで取引を行う約束」という方法です。こういった方法を「フォワード契約(為替予約)」といい、現在の為替レートで将来の決済レートをあらかじめ固定する方法になります。

これは将来の為替変動によって自社が有利になる可能性を捨てる代わりに、逆に自社が不利になる危険性を潰すと言った発想になります。(こういった種類の取引に投機目的の投資家が応じる事で、企業が為替ヘッジを利用できるという面から、投機家も経済に参加している大切な人たちです。)

この他には、輸出入の通貨を揃えて、その通貨が高くなっても安くなっても影響を少なくするナチュラルヘッジや、逆に複数通貨に分散して決済することで全体の通貨が一方方向に動く可能性が低いことを利用したヘッジ方法なども考えられます。

いずれにしても、会社の財務部門としてこれらのリスク管理はとても重要なお仕事であり、海外に展開している企業では必須の取り組みだったりするのです。

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