VRIO分析とは、企業が持っている経営資源が競争優位の獲得に役立っているかどうかを判断するためのフレームワークです。
これは、Value(経済的価値があるか)、Rarity(希少な資源であるか)、Imitability(簡単に模倣できるか)、Organization(組織として有効に活用できるか)といった切り口で判断していくという考え方です。
以下、一つ一つの切り口について見ていきたいと思います。
- それに価値があるの?(Value)
まず、Value(経済的価値があるか)について見ていきたいと思います。
経営者がどれだけ「うちには経営資源がある」と言っても、それに経済的な価値が無ければあまり意味はありません。
例えば、「ウチはシベリアに広大な土地を持っている!」と台東区にあるおまんじゅう屋さんが胸を張っていたとしても、その土地があるだけではあまり意味は無さそうですよね。
それよりも「うちのおまんじゅうは周辺ではちょっとした進物に使われるほど評判がいいんだよ」といったブランド力を持っている方が、経済的価値がありそうですよね。
このように、持っている経営資源に経済的な価値があるかどうかを考えましょうというのが、『Value』という切り口なのです。
- その資源は希少なの?(Rarity)
「じゃあウチは経済的価値のある資源を持っているから大丈夫だね」と考える方もいるかもしれませんが、たとえ経済的な価値があっても、みんなが持っているようなモノ(希少ではないもの)は競争優位の源泉にはなりません。
例えば「うちは井戸水を使っていて、それが美味しいおまんじゅうの秘訣なんだよね」と言っても、近くにある競合他社が同じ井戸水を使えるとしたら特に希少な資源ではないですよね。
- 簡単にまねできる?(Imitability)
競合他社が現在は持っていない『ちょっとした技術』を競争優位の源泉としている会社があるとします。
この『ちょっとした技術』は特許が認められるような種類のものではなく、簡単なノウハウに属するようなモノだった場合、競合他社がそのノウハウに気が付くまでの間は競争優位を維持できると考えられます。
でも、競合他社がそのノウハウに気が付いてマネをした瞬間に、その資源は希少ではなくなり競争優位の源泉ではなくなるという事が起こるのです。
- 組織で活用できる?(Organization)
と、ここまでのハードルをすべて超えるような経営資源を持っていたとしてももう一つ考えるべき要素があります。
それは「その経営資源をちゃんと組織で活用できるの?」という事です。せっかくの経営資源であっても、組織として活用できずにいたら宝の持ち腐れになってしまいますからね。
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