まんがで気軽に経済用語

「知らないから動けない」をなくしたい。 中小企業診断士が、現場視点で経営用語をまんがでわかりやすく解説しています。 読むことで、生産性が上がり、心に余裕が生まれ、社会全体がちょっと良くなる。そんな循環を目指しています。

2013年02月

組織論
2013年2月28日

ダイバーシティー

ダイバーシティー_001
ダイバーシティーとは、経営用語として使われるときは、多様な従業員を積極的に受け入れ・活用することによって成長を目指すという考え方を指します。

世の中にはいろいろな人がいます。例えば、国籍が違ったり、性別や世代が異なる、また、価値観や受けた教育が異なる等、それこそ一人一人が違っています。

ただ、そんな一人一人が違う世の中でも、ある程度は同質な人を集めることも可能です。例えば、学校を優秀な成績で卒業した人だけを集めるとか、社長と同世代の人材を集めるとかというイメージですね。

しかし、組織が同質であることを重視していたら、優秀な人材を集めるための母集団が少なくなってしまいます。(優秀な20代だけを探すより、優秀な20代から50代の人を探す方が母集団は多くなりますよね?)

その為、様々なバックグラウンドを持っている人を受け入れることで、優秀な人材を集めることができると考えられるのです。

また、様々な人たちが集まることによって、新しい発想が生まれるという効果も見逃せない効果ですね。

■ダイバーシティの推進と課題

ダイバーシティとして多様な仲間を集めることで様々な考え方を取り入れることができ、組織にとっては基本的には良いことをもたらします。

特に多様性を受け入れる組織文化ができれば、組織自体が柔軟になりますし、実は多数派の価値観を持っている人にとっても安心して自分の意見を述べられるようになったりします。

他方で、価値観が衝突する可能性もあります。年齢や国籍、性別が異なれば働き方についての様々な考え方がありますし、意思決定のスタイルもそれぞれになります。その結果、話が噛み合わない事があったりもします。

そのため、マネジメント層としては、互いを尊重する姿勢や、話し合いのルールなど摩擦を恐れずにコミュニケーションができる組織を作っていくことが必要です。

単に「多様性を受け入れる」というのはきれいごとの掛け声かも知れませんが、うまく解決できれば「違いがあるから発想が生まれる」といったよい方向に回っていくのです。

■ダイバーシティと経済効果

多様性を重視する企業は新製品などの新製品開発力が高くなる傾向があるとされています。これは異なる価値観を持つ人たちが意見を交わすことで、革新が起こりやすいという理由になります。

とはいえ、これは因果関係が(ダイバーシティを重視する→革新が生まれやすい)なのか(革新が生まれやすい文化→ダイバーシティを重視する)なのかはよくわかりませんが。

なお、単に多様性を受け入れるだけで良くなるというものではありません。しっかり多様性を活かすための仕組みも取り入れることがも重要になってきます。

そのためには、人事評価や昇進や報酬の透明性を確保し、心理的安全性の確保も重要だったりします。

マーケティング
2013年2月28日

リーセンシー効果

リーセンシー効果_001
リーセンシー効果(Recency Effect)とは顧客の購買行動に対して、直前に接触した情報や印象が、行動や判断に影響を与える心理的効果の事を言います。

経営の場面では、顧客が購買する直前に示された広告や商品情報が、意思決定に大きな影響を与えるという効果で捉えます。

例えば、レジの前にPOP広告が置いてあってそれに惹かれてなんとなくガムを買ってしまった。何かを買おうと思ってネットショップにアクセスしたら、レコメンドエンジンが生成した推奨商品があり、それを買ってしまった。

こういった風に、何かを買おうと思っている時に、広告を接触させることによって、広告の成果が出やすいという考え方です。

■おすすめするのは非常に有効です

この考え方からすると、お店に置いてあるPOP広告やレコメンドエンジンが生成する推奨商品などは非常に強力な広告媒体であるという事ができるのです。

このまんがでも、ラーメンを食べようと思っていた生徒でしたが、直前に「蕎麦」と「焼きそば」の広告を見たことによって「蕎麦」 を買ってしまいました。 

どうでしょうか?みなさんも、お腹が空いてお弁当を買おうと思ってコンビニに行った際に、お奨めのお弁当を買ったりすることはないでしょうか?

あったとしたら、リーセンシー効果が効いているという事ができるのです。この効果を活用した例としては、以下のようなものがあります。
  • レジ前の商品棚に置かれたチョコレートやガム
  • コンビニのお弁当コーナーで見かけた「今日のおススメ」シール
  • ネットショップでの「これを買った人はこんな商品も買っています」のレコメンド表示
  • 動画広告の終了直前のオファーやクーポン
などです。どれも見たことがあると思いますが、少なからずみなさんも影響を受けて購買行動を変化させているはずです。

■リーセンシー効果とプライミング効果等他の心理効果との違いは?

このリーセンシー効果と似たような心理効果に「プライミング効果」がありますが、こちらは事前に接触した情報が意思決定に影響するという心理効果です。

ということは、
  • プライミング効果 → 事前に刷り込む
  • リーセンシー効果 → 直前に影響を与える
といったふうな違いがあるのです。どちらが効果的といったものでもなく、目的に応じて使い分けるとよいでしょう。

この他の不合理な購買行動を説明する別の効果として、バンドワゴン効果があります。
これは、「多くの人が買っている」「みんなが選んでいる」といった他人の行動が自分の意思決定に影響を与えるという傾向です。

たとえば、「売上No.1」や「SNSで話題!」というキャッチコピーは強力ですよね。心理的には、他人の選択に便乗して自分の選択の正しさを確認しようとする心理的効果です。

■リーセンシー効果の商売での活用法

上の方で挙げた例でピンときた方も多いと考えますが、追加で以下のようなリーセンシー効果の使い所があると例示してみます。

例えば、
  • Webサイトの「最終ステップ」でおすすめ商品を表示
  • メルマガで購入直前に「クーポン付の追いメール」
  • イベント会場で出口付近に商品紹介POPを設置
  • オンライン決済直前の「ついで買い」提案
などです。これらはすべて、「最後に見た情報」が判断に強く影響を及ぼすというリーセンシー効果を前提とした販売戦術になっています。(知っているんだったら使ったほうがいいですよね。)

また、経営マンガの一番下に広告を貼ったならばソレは筆者がリーセンシー効果を狙って広告を出しているんだなと捉えていただければ幸いです。

■まとめ

人の判断は割と不合理なものです。経済人モデルなど経済学のモデルでは完璧な人間を想定しますが、実際には経営人モデルのように不合理な人間を想定したほうが当てはまりが強くなります。

このように、人間は理性的とは限らず、「最後に何を見たか」「直前にどんな印象を受けたか」などで行動を大きく左右されたりします。

このリーセンシー効果を活用し、販促・広告設計・商品配置に応用して、購買率の向上を成し遂げてくださいね。

マーケティング
2013年2月27日

デシル分析

デシル分析_001
デシル分析とは、すべてのお客様を購入金額ベースで十等分して、等分された各単位ごとに売上高の構成比を見るという分析手法です。

デシル分析のデシルとは十分の一という意味で、小学校とかで習った「デシリットル」のデシ(十分の一リットル)と同じ意味です。

つまり、全体を十分の一に区切って分析しましょうって手法なのですね。

さて、売上高の8割は2割の顧客によってもたらされるというパレートの法則という法則があります。この法則は、顧客は平等ではないという事を言っている法則なのです。(すごくたくさん買ってくれる顧客と、滅多に購入しない顧客では、顧客としての重要性に差がありますよね?)

そして、このデシル分析を行えば、どの顧客層がどれだけ貢献しているのかがわかります。その為、貢献度に応じてサービスの程度を変えるといった施策が可能となるのです。

例えば、デシル分析の結果、上位1割の顧客が全体の8割の売上高を上げている事がわかったとします。

その場合、上位1割の顧客が離反したら(買ってくれなくなったら)大変ですから、顧客ロイヤルティをさらに高めるため、重点的に手厚いサービスを行うといった意思決定が考えられます。

関連用語
ABC分析 

まんがに出てきた用語
ノベルティ 
生産管理
2013年2月27日

技術提携

技術提携_001
技術提携とは、複数の企業が集まり、一方が重要な技術を教える、相互に重要な技術を提供しあう、共同で新規技術を開発するといった事を行う提携関係のことを言います。

さて、新技術の共同研究や、相互に重要な技術を提供しあうといったケースは技術提携を結んだ企業相互のメリットが見えやすいです。(どちらも新しい技術の獲得を目指すわけですから。)

しかし、片方の企業が、その会社が持っている重要な技術を一方的に提供するといったケースがあります。(見返りとして技術の提供を受けないといったケースですね。)

この場合、技術を供与する側はどのようなメリットがあるのでしょうか?「一方的に技術を供与したら大損だよ」と思いませんか?
  • 技術供与の見返り
まず、技術を供与した事の見返りとして、お金で対価を受け取るといったケースが考えられます。技術を売るイメージですね。

または、供与先の企業との関係性を強化して他の部分で回収すると言った事も考えられます。(自社の製品を販売したり、優先的に物資の供給を受けるといった事です。)

これらは分かりやすいですが、他にも大きな狙いがある場合があります。それは、自社の技術を供与することによって、その技術でデファクトスタンダードを狙うといった事です。

■技術提携のリスクと注意点

技術提携はお互いに力を合わせて新技術を獲得したりすることが可能な良い方法です。しかし、気をつけることもいくつかあります。

例えば、自社のコアになるようなアイディアや技術を提携先に教えてしまうと、真似されることで長期的な強みを喪失する危険があります。特に、知的財産権(特許や商標権)で保護されていない領域については真似さるリスクが大きくなりますし、知的財産権で保護されていても扱いをあやふやにすると模倣リスクや競合してくるリスクが出てきます。

今は関係性が良好であっても、将来的に技術提携先が競合関係になる可能性も考慮する必要もあります。「今の経営陣は、社長と大学の同窓生で・・・」等と言っても会社の経営陣は変わるものですから備えは必要です。

そのため、契約段階で秘密保持契約や利用範囲の限定は厳密に定めておくことが重要です。

特に技術提携先が自社よりも経営資源の大きな会社である場合は、力関係で技術一方的な流出を招く危険性もありますし、技術面では対等だとしても入手した技術を活用する力の差で実務上問題が生じる可能性もあります。

このように、あくまで技術提携は『当面の』同盟関係であると整理して考えていくことが重要となります。

関連用語
資本提携
業務提携 
経営
2013年2月26日

KJ法

KJ法_001
KJ法とは、問題解決の方法の一つで、様々なアイディアをまとめて、解決策を見出す手法の事を言います。会議やグループワークでアイディアがまとまらない時に使える強力な思考整理法です。

また、このKJとはこのKJ法の考案者である文化人類学者、川喜田二郎(東京工業大学名誉教授)氏のイニシャルからとられています。「KJ法とは英語でknoledge journeyの頭文字です」なんて適当なことを言って、知ったかぶりしたらダメですよ。

■どういった方法なの?

このKJ法とは主に定性的な情報(数字で表せない情報)をまとめる方法です。

具体的にどういった方法かというと、

1.出てきたアイディアを一つづ書き出す

2.書き出したアイディアをグルーピングする
似ているアイディアでグループ化するという事です。また、この時似たアイディアがないようなモノは無理にグループにしないようにします。

3.見出しを作成する
グループを端的に表現する見出しを作ります。

4.グループ同士をまとめる
見出しを見ながらさらにグループ化を行います。

5.作ったグループを並び替える
まとまったグループを並び替えて論理的な構造を作ります。例えばAグループとBグループがストーリー的につながっているかのように並び替えるのです。

6.グループ間の関係性を図示する
作ったグループ間の関係性を、図で表します。因果関係ありとか、反対のことを言っているとかを図示する感じです。

7.それを文章化する
グループ間の関係性を見て、それを文章で表してみます。

どうでしょうか?最後までやったら結構複雑ですよね。でも、ビジネスで使う際は、6.くらいまでで終わりにする事も多いのです。

■なぜKJ法が必要なの?

と、こんな複雑な手順をどうしてわざわざ考え出したのでしょうか?それは、皆で話し合いを行う現場では、たくさんの意見やアイデアが出たとしても、その後もまとめが大変だからです。

色々話し合いましたが、「結局どうするのか」をまとめることができず、空中分解してしまうことも割とあります。

KJ法は、そうしたアイデアの整理と意思決定を助ける手法なのです。そのため、特に議論が発散しがちな、以下のような場面で活用されています。

  • 新商品や新サービスの企画会議
  • 問題解決のための課題抽出と整理(問題と課題は違います。念の為)
  • 多様な視点を持つメンバーでのディスカッション
これらの場面の特徴は、正解が存在しておらず、また各人の背景によって様々な意見が出てくるということです。そのため、何らかのまとめ方の方針がなければ何も決まらなかったり、影響力が強い人(しばしば実際の職位と異なる)の鶴の一声で決まってしまったりします。

でも、ソレだとせっかく話し合った意味がないですよね。

■KJ法のメリット

KJ法のメリットをまとめると、上記のようなプロセスを取るため、感覚的な意見でも大事にできる(数値化されない定性情報を扱える)、全員の意見を「見える化」して活用できる、論点の漏れや重複を防げる、アイデアの背後にある「構造」や「因果関係」も見えてくると言った点が挙げられます。

なお、まとまりかけてきた段階で議論を発散させる無責任な提言をする人もいるかも知れませんが、このような構造化して議論を行っていけば、「後出しの良いアイディア」に議論をあまり引きずられないといった隠れたメリットもあります。

■KJ法を使うコツ

KJ法はカードの並び替えだけでなく、まとめていく流れを意識することが重要になってきます。いろいろな意見が出てきたときに、グループにしていくことを意識すると良いのです。

このときにもれなく、重複なく(MECEといいます)意見を出せているかを意識するとより良い活用につながります。

また、近年ではAIが自動的にグルーピングしてくれたりするツールも生まれています。入力したテキストから関係性を可視化するようなツールもあるので、ITツールを上手く利用するのも一つの手段ですね。

関連用語
ブレスト
ブレインストーミング
経営
2013年2月25日

ブレスト

ブレスト_001
ブレストとは、アイディアを出す方法の一つで、小集団で自由にアイディアを出し合う事によって新しいアイディアを生み出そうとする方法のことを言います。ブレインストーミングとも言われます。

ただ、「自由にアイディアを出してね」なんて言われても、そんなに簡単にアイディアなんて出せませんよね。だって、「こんなことを言って、馬鹿にされたらどうしよう…」とか思ったら萎縮してしまって、なかなかアイディアを出すのが怖くなってしまったりします。

そこで、ブレストを行う時には、いくつかのお約束を作ってみんなでそれを守ろうとするのです。

それは、


1.批判禁止

2.自由に思いついたことを発表する

3.とにかく大量のアイディアを出す

4.他人のアイディアに乗っかる事を歓迎する

といったお約束です。

批判されないし、自由にアイディアを出すことを歓迎される場だったら引っ込み思案な人でも安心してアイディアを出せますよね?

それに、他人のアイディアに乗っかる事も推奨されているなら、「Aさんが言っているアイディアとBさんのアイディアを組み合わせたらもっとよくない?」みたいな発言も出てくると思います。

例えば、このまんがのように学園祭の模擬店で何を提供するかを考える場合を見てみたいと思います。

みんな自由に好き勝手に言っていますよね。この自由に好き勝手言える雰囲気を作ることがとても大切なのです。

そして、自由な議論から最終的には「タコ焼きを串に刺して提供する」みたいなことになりました。このような発想が生まれるのがブレストの効果なのです。
  • ブレストと相性のいい手法
ブレストを行う際、KJ法という手法を組み合わせて実施するケースもあります。今回の例では「タコ焼きを串にさす」といった風になんとなくアイディアがまとまりました。

しかし、ブレストはアイディアを出す方法であるため、通常は沢山のアイディアが出ますが、成果物としてまとまるとは限りません。

そこで、ブレストで沢山出したアイディアをKJ法という手法を用いて整理・分類しまとめるという事が行われるのです。
経営
2013年2月23日

アクティビスト | 主張すべきところは主張し、しっかりと利益を上げていくのです

アクティビスト_001
アクティビストとは、いわゆる物言う株主の事で、様々な施策を積極的に提言することによって、投資先の企業価値を向上させて利益を得ようとする人々の事を言います。英語ではactivistと表記します。

株式が証券市場で取引されているような大きな株式会社の運営は、一般的には経営陣が行っています。(株式が分散して、株主は取締役の選出などに影響力を行使しえない状況なのですね:所有と経営の分離

その様な場合、株式投資は受動的に値上がり益や配当を受け取るだけの投資になりがちです。(というか、大企業の株式をほんの少しだけ持っても影響力を行使できないのです。)

しかし、一部の株主は、ある程度多量の株式を取得したうえで、株主提案権などを活用して自ら企業価値を向上させるべく動くことがあります。

このような種類の株主をアクティビスト(物言う株主)と言うのです。
  • アクティビストは具体的に何をするの?
さて、モノを言う株主と言っても、具体的にどのようなことを行い、その結果何を狙っているのでしょうか?少し例を出して考えてみたいと思います。

アクティビストは、例えば自分の意に沿う取締役を送り込んだり(株主提案権を利用し、株主総会の普通決議で可決すれば可能ですからね)、事業の方向性についての提案を行ったりするような事を行います。

そして、自らの提案が受け入れられ、企業価値が向上すれば、アクティビストと呼ばれる株主も株価の値上がりからキャピタルゲインが、また、配当の増加からはインカムゲインが得られます。

余談ですが、株主が権利を行使することによって株主全体の利益となるような権利を共益権と呼び、配当を受ける権利など個別の株主だけが利益を受ける権利である自益権と区別されています。
経営
2013年2月23日

フランチャイズチェーン(FC)

フランチャイズチェーン_001
フランチャイズチェーン(FC)とは、ある事業者(主催者)が自己の持つ商標やサービス・商品を販売する権利や、様々なノウハウを別の事業者(加盟店)に提供する契約を結び、その見返りとして手数料を徴収するといった組織の事を言います。
  • 主催者側(フランチャイザー)のメリット
主催者側にとって、このフランチャイズチェーン(FC)という形態は、少ない資本で自己の事業を拡大することができます。

というのは、一般的に店舗を構える費用は加盟店側が負担することが多いですし、加盟店側がフランチャイズに加盟する際には加盟金を支払います。また、加盟店の営業が継続している限りロイヤリティ(royalty)の支払い義務もあります。

このことから、主催者側は自分で直営店を出すことに比べて非常に少ない費用で素早く店舗網を拡大できるというメリットがあるのです。
  • 加盟店側(フランチャイジー)のメリット
加盟店側にとっては、主催者側のブランドを使える、商品やサービスを経営のノウハウを提供してもらえるといった事が大きなメリットになります。

例えば、「経営マンガのお店」というお店を一から開店するためには、どこでお店をやるか、どんな商品を取り扱うか、どのような店舗設計にするか、お店の知名度をどうやって上げるかなどといった事を考えなければなりません。

しかし、フランチャイズに加盟すればこれらの事はパッケージとして提供されます。簡単に言うと、お店一式を提供してもらう様な契約なのです。

関連用語
ナショナルチェーン
リージョナルチェーン
ローカルチェーン 
ボランタリーチェーン(VC)
顧客ロイヤルティ(customer loyalty)
ブランドロイヤルティ(brand loyalty)
ストアロイヤルティ(store loyalty)
法務・支援施策
2013年2月20日

名ばかり管理職

名ばかり管理職_001
名ばかり管理職とは、十分な権限が与えられず、労働時間が管理されており、給与等で管理職にふさわしい処遇がなされていない、にもかかわらず管理職とされている人の事を言います。名ばかり店長といった言葉で以前問題になっていましたね。

(ここでいう管理職は労働基準法でいうところの管理監督者が該当しますが、本記事では一般的に使われる管理職と表記していきます。)

この名ばかり管理職というのは管理職と言えないのに管理職であるとされている人といったイメージです。

そもそも、管理職と呼ばれるには、会社の重要な決定にかかわれる程の十分な権限が与えられており、仕事の質が労働時間で管理することにそぐわなく、給与等も管理職としてふさわしい処遇がされるといった必要があります。

つまり、管理職と呼ぶためには、ふさわしい権限と自由と処遇が必要という事です。例えば、いわゆる重役出勤をしても給与を減らされたりせず、会社の大きな方向性について影響力を行使でき、更にふさわしい処遇を受けている事といった事が管理職と呼ばれるためには必要なことなのです。

昔の小説とかに出てくる、いわゆる重役さんを想定した考え方に近いのですね。
  • 何が問題なの?
さて、「名前だけでも管理職になれるならいいじゃない」と考える方もいるかもしれませんが、あなたがこの名ばかり管理職にされてしまうと、大きな実害が発生します。

というのは、管理職は、『労働時間の管理にそぐわない仕事をしている』ため、労働時間や休憩、休日といった労働基準法の規定が対象除外とされてしまうのです。

(但し、年休や深夜勤務の規定は適用されます。つまりたとえ管理職であっても深夜勤務については割増賃金を支払わなければなりませんし、年休(有給休暇)は与える必要があるのです。)

勘のいい人はピンときたかもしれませんが、

「労働時間や休憩、休日の規定が対象除外」→「休憩や休日を与えなくても良い(無給で時間外労働をさせても良い)」→「多少役職手当を払っても、無給時間外労働(サービス残業ですね)を強制できるなら会社が儲かるぞ!」

といった論理が働くのです。とてもロジカルで合理的ですね。(念のため言っておきますが名ばかり管理職を悪用する経営側に対する皮肉ですよ)

さて、この名ばかり管理職を問題として従業員に訴えられた場合、会社側が勝つことは非常に難しいのが現状です。というのは、上で挙げた、『ふさわしい権限と自由と処遇』といった要件を満たしていない人を管理職という事ができないからです。

このまんがでは、名ばかり管理職は脱法行為だと言っています。まあそこまで言えないにしても、適切な労務管理とは言えないですよね。

この名ばかり管理職といったやり方は、重要なステークホルダーである従業員をないがしろにして経営を行うわけですから、何処かで問題が発生してしまいます。それを、このまんがに出てくる社長は「モチベーションの低下という形でしっぺ返しを食らう」と表現しています。
経営
2013年2月19日

ボランタリーチェーン(VC) | みんなが集まって規模の経済を追求します

ボランタリーチェーン_001
ボランタリーチェーン(VC)とは、多数の独立した小売業者が連携して、規模の経済の獲得を目指す組織のことを言います。

主に卸売業が主催の場合をボランタリーチェーンと言い、小売業主催の場合、コーペラティブチェーンと呼ぶことがあります。(日本では特に区別しないことが多いです。)

・みんなで集まると強くなる
このボランタリーチェーンは、多数の独立した小売店が、仕入れや広告、使用する商標、物流などを共同化して、取引先との取引の大口化に伴う仕入れ価格の低減など、大規模な小売業と同じようなメリットを得ようとする方策です。

一般に、仕入れを実施する際には仕入れ数量を増やすと価格交渉力が生じます。

例えば、同じ商品を100個仕入れるのと、1万個仕入るなら、1万個仕入れる方が価格交渉に応じてもらえる可能性があります。

これは、仕入れ先に対して値引きを強制するといった訳ではありません。

1万個販売すれば工場の稼働率が上昇することで規模の経済が効いて製造コストが安くなる「はず」ですので、その安くなった部分をシェアしようという提案になります。(こういった切り口をいくつか使って交渉していきます。)

しかし、100個の仕入れではこの種の交渉ができませんのでやはり仕入れロットが増えると価格交渉力が出てくるのです。

これと同じ事は、什器などの設備にもいえます。ある程度の調達ロットがまとまると、交渉力が出るのです。

・連携するけど縛られない
この、多数の独立した…というのがボランタリーチェーンの特徴です。加盟しているお店同士が自主的に組織化しているというイメージとなります。

この点が良く似た組織形態であるフランチャイズチェーン(FC)と異なります。

フランチャイズチェーン(FC)は本部と加盟店の契約が基本となっています。これに対してボランタリーチェーン(VC)は自主的な参加が基本となっているのです。

このボランタリーチェーン(VC)は、独立した企業なので、各社が独自の取り組みを行えます。独立した企業が連携しているので、ある程度独自に動くことが可能なのです。

そのため、独自セールを行ったり、独自の仕入ルートから自社ならではの目玉商品を販売することができます。

ボランタリーチェーン(VC)では連携をしっかりして規模の経済などの経済的な利益は享受しますが、売り方を規制されるなどのことはあまりないため、独自に動けるといった事が強みとなります。

・全体としての訴求力はあまり高くない
ただし、縛られないと言ったことは強みであり、ボランタリーチェーンの弱みにもなります。

本部のコントロールは強くないので、せっかくボランタリーチェーン(VC)に加盟したとしても、品ぞろえが統一できなかったり、キャンペーンを統一して行いにくいといった問題点があるのです。

例えば、ボランタリーチェーン(VC)では加盟店をあまり強く縛れないため、全体で短期的に損をするようなキャンペーンは打ち出しにくくなります。

基本的には強制をすることができないため、戦略的に非常に大きな割引をするセール期間を設けるなどは難しいのです。

また、リテールサポートと言った形で、ボランタリーチェーン加盟店に対するサポートはありますが、フランチャイズチェーンのように非常に細かい業務マニュアルといったノウハウの供与も受けにくいといった特徴があります。

そのため、自社で商売の工夫をしつつ、最新の業務方法にアンテナを張れるお店はいいのですが、そうでないお店の場合は、業務に必要なノウハウが入手し難いといったこともあり得るのです。


onnanoko_bustup
みんなでユルーく集まって、仕入れ費用とかを安く利用と思うんだけど、どうかしら?フランチャイズに入るとユルくお店ができなくなりそうだけど、個店に限界を感じているのよね。

kitsune
いいんですけど、どこと連携を組むんですか?

onnanoko_bustup
そおねぇ。ファンシーショップって業態だから○○さんかしら?

kitsune_odoroki
あそこは大手だから、ボランタリーチェーンとしては組んでくれないと思いますよ。キャラクターだって有名な子が多いですし…

onnanoko_bustup_2
そうよねぇ。やるなら協力なキャンペーンもやりたいしボランタリーチェーンじゃ強制力を持って私のやりたいことができないのよね。






関連用語
レギュラーチェーン(RC) 
ナショナルチェーン
リージョナルチェーン
ローカルチェーン  
情報
2013年2月18日

ARPU

ARPU_001
ARPUとは(Average Revenue Per Use)の事で、全ユーザ一人あたりの平均月間売上高の事を言います。この指標は主に、通信事業での加入者一人あたりの売上高として使われます。

これとよく似た言葉でARPPUというのがありますが、こちらは課金ユーザ(有料会員)一人あたりの平均売上高の事です。こちらは、ユーザ数≠課金ユーザ数とならないような、ソーシャルゲームやストレージサービスなどのWeb上の各種サービスで使われる指標になります。

(通信事業では基本的にユーザ=課金ユーザなので(回線を使っている以上お金を払っているので)ARPPUとワザワザ言う必要がないのかもしれませんね。)

また、ソーシャルゲーム業界でこのARPUを用いる場合、全ユーザ一人当たり(無課金ユーザも含めて)の月間売上高になります。

例えば、100人ユーザがいて、月間売上高が20万円のサービスがあったとします。(ただし、課金しているのは20名だけです。)

この場合、ARPUは全ユーザの平均月間売上高なので、20万円÷100人=2,000円/人となります。

また、ARPPUは課金ユーザの平均月間売上高なので20万円÷20人=10,000円/人となります。

■ARPUのビジネスでの活用

ARPUはユーザ単価を把握するために活用できる指標です。この指標を時系列で(時系列というのが大切です。単体ではなく変化を見るのです)見ていくことで利用単価の増減や新プランなど様々な施策の効果、ユーザ離脱の影響などを見ていく事が可能です。

このARPUが高いサービスをビジネスの視点で言い換えれば1人当たりの売上が大きいサービスだということができます。

沢山利用してくれたり、課金してくれたり、広告を見てくれたり、サービスを使ってくれたりするユーザが多いという事です。

つまり、時系列で見ていく中でARPUが減少しているならば課金率が下がっているか、課金単価が下がっているかのどちらか(場合によってはどちらも)なので、対処方法を分解して考えることが可能なのです。

なお、ARPUは売上÷ユーザ数ですから、未課金者を切り捨てる方向に行けばARPUを高めることは可能です。そして未課金者が0になればARPPUと同じところまで高まります。

しかし、それは分母を削っただけになりますので利用者基盤を縮小させ、将来の見込み顧客を切り捨てる行為になってしまいます。

そのため、ARPUを増やすならば、分母(総ユーザ数)を削るのではなく、分子側(つまり売上側=課金者数×課金単価)を増やすことに注力することが重要です。
情報
2013年2月17日

ARPPU

ARPPU_001
ARPPUとは(Average Revenue Per Payed Use)の事で、課金ユーザ(有料会員)一人あたりの平均月間売上高の事を言います。

文字通り、( Per Payed Use)課金ユーザ一人当たり、(Average Revenue)平均収入といった意味になります。

通常、サービスを利用するユーザの中でお金を支払うユーザは一部になります。これは、そもそも一般的なネット上のサービスが基本的な機能を無料で提供して、追加的な機能を有料販売するというビジネスモデルであることが多いためです。

そのため、有料でサービスを購入する人がどれだけのお金を使うかといった視点の指標としてこのARPPUが考案されたのです。

例えば、100人ユーザがいて、月間売上高が20万円のサービスがあったとします。(ただし、課金しているのは20名だけです。)

この場合、ARPPUは課金ユーザの平均月間売上高なので20万円÷20人=10,000円/人となります。

■ARPPUとARPUとの違い

さて、このARPPUという言葉と似た概念にARPUがあります。一文字違いなのでややこしいので、この機械に整理して捉えてみましょう。

まずARPPUのおさらいですが、「お金を払ってくれている人の平均額」という考え方になります。

他方でARPU(Average Revenue Per User)の頭文字を取ったものであり、ARPPUから『Payed』つまり『支払った』が抜けているのがわかります。

つまり、ARPUは「すべてのユーザの平均額」を見る指標となってくるのです。

前述の

100人ユーザがいて、月間売上高が20万円のサービスがあったとします。(ただし、課金しているのは20名だけです。)

という条件ならば、

再掲になりますが
・ARPPUは課金ユーザの平均月間売上高なので20万円÷20人=10,000円/人となります。
他方でARPUは
すべてのユーザの平均額なので20万円÷100人=2,000円となるのです。

これは課金率(課金者÷全ユーザ)とARPPUをかけ合わせても求められるのですが、これらの指標を観察することで課金ユーザを増やす施策をするべきか、課金ユーザ一人あたりの単価を上げる施策をするべきかの戦略判断が可能となってきます。(なんとなく難しく書いていますが、客数を増やすべきか、客単価を上げるべきかのお馴染みの議論です。)

なお、物事には正解はありませんが、サブスクやソーシャルゲームなどではARPPUのほうが売上の伸びを牽引するための指標とされることが多い傾向がありますよ。

関連用語
LTV
情報
2013年2月16日

上位互換性 | 上位機種が下位機種でできることを網羅しているような状態を指します

上位互換性_001

上位互換性とは、上位の機種で下位の機種のデータなどを取り扱えることを言います。必ずしも、新旧の区別ではなく、機能面の上位下位の区別になります。(新しい≒機能が充実している(上位)となりがちですが、イコールではありません。)

下位互換性の逆で、上位の製品が下位の製品のデータなどを取り扱えるという事になります。

■上位のモノは、下位の機能を備えています

例えば、エントリーモデルのソフトウエアで作ったデータを、プロ仕様のソフトウエアで取り扱える。または、ブルーレイディスクプレイヤーがCDやDVDを再生できるようなイメージです。

身近なケースでは、旧バージョンのゲーム機のソフトが新バージョンのゲーム機でそのまま使えるというイメージですね。

■上位機種と下位機種のから考える上位互換性




hiyoko
上位機種なら、1万羽分のワタシのデータを扱えますのよ。

onnanoko_bustup
じゃあ、下位機種はどうなのかしら?

hiyoko
下位機種は100羽分のひよこデータですわ。

onnanoko_bustup_3
ということは下位機種で作ったデータは上位機種で扱えるって事でいいのかしら?

hiyoko
そうよ。上位互換性を備えているから、グレードが上の機種はグレードが低い機種の機能も持っていますわよ。なので、是非是非、上位機種をおすすめしますわ。大は小を兼ねるとも言いますわ。



この例のように、上位機種スペシャルは10,000の要素を持ったモノと扱えるとします。

これに対して、下位機種のスタンダードは100の要素を持ったモノまでしか扱えないとします。

この場合、上位機種のスペシャルは10,000の要素まで扱えるので、下位機種の100の要素を扱うことは問題なくできます。

このような状態を指して上位互換性と言うのです。完全な上位下位の関係性ではありませんが、例えばPCのストレージにおいてSSDはそのスピードの面から上位互換ということもできます。

■上位互換というスラング

このような事から類推して、「△△さんは○○さんの上位互換だから」などと言ったりすることがあります。

この意味は、○○さんができることを△△さんは全てできて、さらに○○さんができないこともできるといった意味です。

しかし、人間には上下はありませんのであまりこのような言葉は使わない方が望ましいと思われます。


関連用語
前方互換
後方互換
下位互換性
情報
2013年2月15日

下位互換性 | 性能的に劣る下位機種でも使えるという事です

下位互換性_001
下位互換性とは、下位の機種で上位の機種のデータなどを取り扱えることを言います。必ずしも、新旧の区別ではなく、機能面の上位下位の区別になります。(新しい≒機能が充実している(上位)となりがちですが、イコールではありません。)

この下位互換性は、プロ仕様のソフトウエアで作ったデータが、エントリークラスのソフトウエアで操作できる。または、CDプレーヤーでDVDやブルーレイディスクが再生できるようなイメージです。(実際にはできませんが。)

ただし、全ての機能が使えるとは限らず、上位版が備えている機能の一部だけ使えると言った形になる事が多くなります。(そうでなければ、上位版の意味がありませんから。)

■下位の機種でも上位機種のモノを扱える

正確ではないのですが、一番典型的な下位互換性のイメージは、旧ソフトウエアで、新ソフトウエアの作ったデータを操作できるというイメージです。

新しいソフトウエアの方が機能面で充実していることが多いので、新しい方が上位、古い方が下位になります。

そして、下位のソフトウェアでも上位のソフトウエアで作成したデータを使うことができるといった事をさして下位互換性というのです。


■下位機種で使えるようにするためには配所が必要となります


下位互換性とは、機能面で劣る下位の機種で機能の充実した上位機種のデータなどを取り扱えるというイメージとなります。

そして、この下位互換性を実現するためには、一般的に上位の機種・ソフトウエアが、作成したデータなどを下位の機種・ソフトウェアで使えるように意識して設計する必要があります。

■チープな機種でも使えるの?



onnanoko_bustup
せっかくデータを送ってもらうんですけど、私は廉価版しか持っていないんです。

onnanoko_bustup
ええ、そうなんです…え、先生が持っているソフトは最高級版なのは存じているのですが、それで作ったデータを私のソフトでも読めるんですか?

onnanoko_bustup
そうなんですか。なら、データでいただければと思います。

neko_negane
下位互換性があって良かったですね。



この下位互換性はいまいちつかみにくい言葉ですが、一言で言えば、グレードの低い機械でも使える事を指します。

廉価版を買っても、上位版で作ったモノを使えると言ったイメージです。
情報
2013年2月14日

アドオン

アドオン_001
アドオンとは、あるアプリケーションの機能を拡張するための小さなソフトウエアの事を言います。文字通りadd(足して)してon(載せる)するという感じです。

また、アドインとか、プラグインとかいう事もあります。

このアドオンを導入することによって、通常では提供していない機能を使えるようになります。

例えば、ブラウザ上で通常は表示できない動画形式があったとします。そのままでは再生することができませんが、あるアドオンを導入することによって再生する事ができるようになるのです。

もちろん、どのようなアプリケーションにでもアドオンを導入できるわけではなく、アドオンが導入できるように予め設計されているアプリケーションのみが対象となっています。 

■アドオンとは?その基本的な意味

アドオン(add-on)とは、アプリケーションに追加で機能を持たせる小さなソフトウェアのことです、と最初に述べましたが。「add(足す)+on(載せる)」という語源から来ており、ベースアプリの機能を柔軟に拡張できるのが特徴です。

いいアプリだけど「もう少しこうなればいいのにな」といった内容について対応するようなものです。

■アドインやプラグインとの違い

用語として似ているものに「アドイン」や「プラグイン」がありますが、どれも本体に後から追加して使うソフトウェアという点では共通です。しかし若干の違いがあります。

  • アドオン:ブラウザ・セキュリティに追加するなど、機能拡張やUI改善が多い
  • アドインOffice系(Excel等)など、メニュー追加や関数追加などが多い
  • プラグイン:CMS(WordPress等)、サイト制作・メディア編集系に多用される

■アドオンの具体的な使用例

  • Chromeで広告をブロックするアドオン(例:AdBlock)
  • ブラウザでPDF表示を可能にするAdobe Readerアドオン
  • 動画編集ソフト等で特殊エフェクトを追加するエフェクトパック
などです。どれもちょっと足りない追加機能と言った感じですよね。でも全員が使うわけではないから最初から盛り込んで配布するほどではないといった感じです。

そして、何よりアドオンは第三者が作るケースがあります。例えば上の例では、広告をブロックするアドオンなどは第三者が作っているものです。

そのため、そういった種類のアドオンは最初から開発元がその機能を盛り込んで配布することはないのです。

■アドオンの注意点

と。便利なアドオンですが、第三者が作れるといったこと等から以下のような注意点が生じてきます。
  • 提供元が信頼できることを確かめてアドオンを導入すること(セキュリティリスク)
  • バージョンの互換性確認をすること(アップデートで動かなくなるケースも割とあります)
  • 入れすぎによる動作の重さやクラッシュ

■ なぜアドオンは第三者によって作られるのか?

アドオンは多くの場合、公式の開発元ではなく、外部の個人開発者や企業によって作られています。それには以下のような理由があります。

■アドオンの機能を自分自身が必要としたから

最も多い動機のひとつが、「公式アプリに欲しい機能がなかったから、自分で作る」というケースです。

たとえば、

ブラウザのUIをもっと見やすくしたい

クリック1つで特定の動作をしたい

Excelで毎回同じ作業を自動化したい

など、日常の不満や面倒な作業を解決するツールとして、自分や仲間のために作るという動機です。

■ 多くの人の役に立つ=評価や報酬が得られる

オープンなプラットフォーム(例:ChromeウェブストアやWordPressなど)では、アドオンが多くの人に使われることで、「知名度」、「寄付の獲得」、「広告収入」、「自社サービスへの導線」といった実利が得られる可能性があります。

良い機能を提供してくれた開発者さんのことはとても信用できるようになりますよね?つまり、「便利なアドオンを公開する」=「自分の価値を広める手段」でもあるのです。

■ 開発実績としてポートフォリオに使える

エンジニアやフリーランスにとって、アドオンはスキルの実証になります。

「自作のアドオンが1万人に使われている」という実績は、言葉を書き連ねた履歴書よりも説得力があり、就職・転職・案件獲得にも有利に働きます。

■ 市場ニーズが明確だからビジネスにつながる

アドオンはもともと「特定の機能を追加したい」というユーザーニーズが前提にあるため、市場の需要が非常に明確です。

そのため、無料アドオンから有料版への誘導をしたり、拡張機能経由で課金サービスへの導線を張るといったフリーミアム戦略との相性もよく、ビジネス的な狙いで作られることも珍しくありません。

■アドオンは問題解決の道具であり、自己表現や収益の手段でもある

アドオンを第三者が作る背景には、単なる好奇心だけでなく、個人の課題解決、評価の獲得、収益化や営業戦略といった複合的な理由があります。

そのため、「第三者製だから不安」という印象もあるかもしれませんが、信頼できる開発者のアドオンは、非常に役に立つことが多いのです。

アドオンは本体を壊さずに追加機能を使える便利な仕組みです。正しく使えば、アプリケーションのパフォーマンスや使い勝手が格段に上がりますよ。

組織論
2013年2月13日

複線型人事制度

複線型人事制度_001
複線型人事制度とは、従来のように管理職として偉くなっていく事だけではなく、スペシャリストとして処遇していくといったコースを設けた人事制度の事を言います。

従来、出世とは管理職として組織をマネジメントしていく方向のみとして捉えられていました。

しかし、この捉え方はマネジメント能力の高い人材についてはしっかりと処遇できるのですが、マネジメント能力よりもむしろ自身の専門性で活躍しようとする人材については上手く処遇することができませんでした。

例えば、人の管理は上手くないけれども、抜群に営業がうまい人がいたとします。

組織としては、抜群の営業成績に報いる意味でも昇進させたいと考えるのですが、どうもこの人は、部下の管理が上手くない。

でも、いつまでも一般社員にしていたら、いつか貴重な人材が流出してしまうかもしれませんし、やる気を失ってしまうかもしれません。

また、営業が抜群にうまい人の側でも、人の管理などやりたくないと思っているのかもしれません。

そこで、このような人を「営業専門職」として、管理する人を増やすのではなく、裁量を拡大させるという方向で昇進させるという事を考えました。

どうでしょうか、「適性など関係ない、偉くなるという事は部下を管理する事なのだ」などと言って無理やり昇進させるという選択肢より、登場人物みんなが幸せになれそうですよね。
  • 様々な偉くなり方
人はそれぞれ得意分野が異なります。従来は、出世競争を行う際、マネジメント能力という一つの軸が重視されていました。

でも、マネジメント能力をみんなが持っているよりも、様々な能力を持った人を組み合わせて活躍してもらった方が組織としての成果は大きくなります。(マネジメント能力のある部長が3人集まった組織より、部長と、エンジニアと、法律家の組織の方が成果に結びつきそうですよね?)

このように、管理職になる事以外でも、組織に貢献することはできるのです。そして、その貢献に報いるというのが複線型人事制度というわけです。

もっとも、従来のやり方では、組織が右肩上がりで大きくならないため、ポストが不足しているという問題もあります。その為、上手く処遇できない人材を一旦スペシャリスト扱いにしておくといった事も行われています。

(簡単に言うと、行き場がないからスペシャリストとして一応偉くしておくといった事も行われています。)

関連用語
専門職制度
店舗管理
2013年2月12日

リテールサポート

リテールサポート_001
リテールサポートとは、メーカーや卸売業者などの小売店よりも流通経路で上流の企業が取引先に対して支援を行う事を言います。

取引先の小売店が繁盛すれば、自社商品の取り扱いも増えるであろうという動機や、顧客を囲い込むという視点から実施されます。

イメージとしては、小豆(アズキ)の卸問屋が自社の小豆の販売を増やすため、お饅頭屋さんの経営支援をするという感じです。

これは、お饅頭が沢山売れる→あんこが沢山必要になる→小豆が売れるという関係を狙うのです。

さて、経営支援を行うと一言で言いますが、具体的にはどのような支援が考えられるのでしょうか?少し例を挙げてみたいと思います。

・情報提供
新製品の情報や、競合の情報、売れ筋死に筋の情報

・販促の支援
品ぞろえの提案、陳列方法の提案、POP広告の提供

・教育支援
従業員の育成支援

・資金の提供
信用保証、資金援助

上記はあくまで一例で、業務システム導入の支援などといった事まで支援する場合があるのです。
組織論
2013年2月12日

カフェテリアプラン

カフェテリアプラン_001
カフェテリアプランとは企業の福利厚生の形態の一つで、従業員があらかじめ用意されているメニューの中から自分に必要なサービスを選択する方式の事を言います。

これは、バイキング形式のレストランで、自分の好きなモノを選んで食べるというイメージで、自分の好きなサービスを選ぶというものです。

例えば、自分の勤めている企業に保養所があったとします。その保養所は温泉地にありファミリー向けの設備が充実しているとします。

しかし、単身世帯で温泉に行くのはあまり好きでない人にとってはそのような保養所があっても福利厚生の役割を果たしていないと考えることができます。(使わない人にとって、その保養所があってもなくても同じですよね?)

このような人であっても、単身世帯向けの保養施設があれば利用するかもしれません。ただ、予算の制約もあるので様々な福利厚生の用意をすることはなかなか難しいのです。

そこで、各人が持っている予算の範囲内で自分に合った福利厚生メニューを組み合わせるという発想が生まれました。

大規模な保養所を持っていた場合、誰も利用しなくとも、保養所の維持管理費や減価償却費が発生するため、費用が固定費的にかかります。

そこで、そのようなモノを持つことを止め、その分使い勝手の良い形で還元しようという発想ですね。

■カフェテリアプランのメリットとデメリット

カフェテリアプランは自分の好きなものを自分で選べるということが利点です。人それぞれ趣味嗜好が異なりますので、全員に適合するような福利厚生は難しいですし、もし仮にそれを目指すならばものすごい量・種類の福利厚生メニューを用意する必要があります。

また、そのために膨大な量を用意しても一つ一つのサービスとしてはそこまで稼働率が上がらないため、どうしても無駄が大きくなります。

カフェテリアプランなれば、従業員が自分に必要な福利厚生を自分で選べるようにすることで皆に適合するサービスを提供することができるのです。例えば、旅行好きの人は旅行系のサービスを、子育て中の人は保育サービスを、自己啓発を志向する人にはeラーニングなどスクール系のサービスと言った形です。

これら多種多様のサービスを従来型のように固定費として抱え込まずに必要に応じて支出できると言った点が企業にとっても有利な点です。

他方で、制度設計が複雑になるといった問題もあり、運用コストが増えるケースも散見されます。

また、色々なメニューはあるけど決め手になるほどお得ではないといった形もありえます。(例えば、保養所を用意するのではなく、割引対応になるケースが多くどうしても民間の宿泊予約サービスと競合します)その場合は、結局は利用されないと言ったことも発生します。

なお、こういった福利厚生のアウトソーシングを一手に請け負っているベネフィット・ステーション(ベネフィット・ワン社のサービス)などといった福利厚生が存在します。
法務・支援施策
2013年2月11日

第三者割当増資

第三者割当増資_001
第三者割当増資とは、特定の第三者(株主であっても、株主でなくても可)に募集する株式を割り当てて実施する増資の事を言います。エクイティファイナンスの一種ですね。

この第三者割当増資を行う場合、原則として株式は時価で発行する必要があります。しかし株主総会の特別決議で可決されれば、時価よりも低い価格で株式を発行することも可能です。

この第三者割当増資は買収防衛策の一つとして挙げられることがあります。この「特定の第三者に株式を割り当てる」という事を利用して買収防衛に使うのです。

次の例で考えてみたいと思います。

当社は100株をすでに発行しているとします。ここで、A社が当社を買収しようとして発行済み株式の50%(50株)の株式を買い集めたとします。

当社はこのままでは経営権を握られてしまうと考え、B社に対して第三者割当増資を行い、50株を引き受けてもらったとします。

この時、A社が持っている株の数は変わらず50株ですが、発行済み株式の方が増えるので(100株→150株)A社が持つ議決権の割合は33.3%にまで低下します。

このように、上手く利用すれば買収防衛策として使えるのです。

但し、既存の株主にとって、第三者割当増資を行って調達した資金を上手く活用できない場合には、株式の価値が希薄化してしまします。そのため、この方法はあまり歓迎できる方法ではないかもしれません。

法務・支援施策
2013年2月11日

スーパーマジョリティー(絶対的多数条項)

スーパーマジョリティ_001
スーパーマジョリティー(絶対的多数条項)とは企業の買収防衛策の一つで、株主総会での決議に必要な要件を定款によってあらかじめ厳しくしておくという方策のことを言います。

企業を支配することを目的として、株式を買い集めたとしても、実際には株主総会を開催し、現経営陣から経営権を奪うとか、合併を決議するといった手続きが必要となります。
 
つまり、株式を集めただけではまだ不足しているという事です。

スーパーマジョリティという方法は、この株主総会の段階での意思決定を縛り買収を行いにくくするという方策です。

例えば、取締役の解任は株主の過半数の賛成があればできます(旧商法では特別決議が必要だったのですが、今は解任しやすくなっています)。

しかし、定款の定めでこの取締役解任の要件を厳しくできるのです。そのため、容易には解任できないように、「90%以上の賛成がないと解任できない」といった風にあらかじめ定めておくといった手法がこのスーパーマジョリティ(絶対的多数条項)と呼ばれるのです。

このような条項を定めておくことによって、「あそこに企業は買収するにしても、より多くの株式を集めなければならないし、色々苦労しそうだから…」とけん制して買収者の意欲を殺ぐことを目的としているのです。

このまんがで言っている定款変更には株主総会で特別決議を経なければいけません。こちらは、出席株主の過半数の賛成では足りず、三分の二以上の賛成が必要なのです。

そのため、三分の一は確実に押さえているとする現経営陣側が安泰だと言っているのですね。

関連用語
クラウンジュエル
焦土作戦
ゴールデンパラシュート
ティンパラシュート
第三者割当増資
ホワイトナイト 
ポイズンピル
期差任期制度
パックマンディフェンス
法務・支援施策
2013年2月9日

ティンパラシュート

ティンパラシュート_001
ティンパラシュートとは、企業の買収防衛策の一つで、企業が買収された後に、従業員が解雇されるような事があった場合、従業員に多額の退職金を支払う事をあらかじめ決めておくことを言います。

取締役に対する同様の施策をゴールデンパラシュートと言いますが、従業員一人一人がもらう額はそこまで大きくないため、ティンパラシュート(ブリキのパラシュート)というのです。

但し、総額ではかなり大きな額になるため、買収を躊躇させる効果があるとされています。

例えば、従業員が100人の会社でも、一人1,000万円ずつ余計に退職金を出すというティンパラシュートを設定しておけば、総額10億円になるので相当効果的なのです。

また、ゴールデンパラシュートを設定するためには株主総会で決議することが必要なのですが、ティンパラシュートは取締役会で決議すれば設定できるのでより簡単に迅速に設定できるといった長所もあります。

関連用語
クラウンジュエル
焦土作戦
ゴールデンパラシュート 
スーパーマジョリティ(絶対的多数条項)
第三者割当増資
ホワイトナイト
期差任期制度
パックマンディフェンス
法務・支援施策
2013年2月9日

ゴールデンパラシュート

ゴールデンパラシュート_001
ゴールデンパラシュートとは、企業買収の防衛策の一つで、取締役が解任された場合多額の退職金を支払うという契約をあらかじめ結んでおく事を言います。

それでは、退職金の契約を結んでおくことがどうして買収防衛策になるのでしょうか?買収されても役員さんは安心といった意味でしょうか?

一つの例を元に考えてみたいと思います。

あなたは買収先の会社を探している実業家だとします。そこに、次のような案件が持ち込まれました。「毎年売上高1億、利益500万円が見込める事業を2,000万円で買いませんか?」

どうでしょうか、なかなかよさそうなお話ですよね?

でも、この話にはもう一つ、「現役員に合計3億円の退職金を支払う」といった条項がついていました。

どうでしょう、このような条項がついていたらイマイチ割に合わないですよね?

このように、ゴールデンパラシュートを設定する事によって、買収に必要な費用が大きくなるので、買収意欲を殺ぐことができると言われています。

そして、この買収防衛の目的で使うためには、十分に高額でないと意味がないというのもご理解いただけたと思います。

■ゴールデンパラシュートは経営者の自己保身か

会社の防衛策という文脈で紹介しましたが、このゴールデン・パラシュートは実務上は批判が多くなります。

冷静に考えれば経営陣の高額な退職金を防衛対策に使うという話は、経営者が経営権を失いたくないために実施するといった感覚が抜けません。どこまでいっても経営者の個人的な利益を保護するという私的な側面が強く、買収防止という公的な側面(そもそも買収を阻止することが公益に資するかも不明ですし)を見出すことが難しくなります。

ともすれば既存の株主や従業員から「会社を私物化して自分のために高額の退職金を設定したのではないか」といった疑問も出ます。

そのため実際に導入する際には株主や従業員への説明責任を果たすとともに、地域や金融機関、行政機関といったステークホルダーへの影響も考える必要があります。会社が潰れかねない高額な退職金の設定は金融機関や行政機関からすれば、何ら正当性のあるものではないですから。

その意味で、単なる既存役員・既存経営者の保護策にならないような制度設計が求められるのです。

関連用語
クラウンジュエル
焦土作戦
ティンパラシュート
スーパーマジョリティ(絶対的多数条項)
第三者割当増資
ホワイトナイト 
法務・支援施策
2013年2月8日

焦土作戦

焦土作戦_001
焦土作戦とは企業買収の防衛策の一つで、企業が持っている有益な資産を売却する事や、あえて不合理なほど多額の負債を負う事によって買収者が買収する気をなくするという対抗策です。

この焦土作戦として有名なのは、ナポレオンとロシアのエピソードです。

ナポレオンがロシアへ遠征した時、時のロシア軍は撤退しながら周りを焼き払っていきました。その結果、ナポレオンは現地で食料などの物資を調達することができず、結果として敗れ去ったのです。

このように、買収を意図する者を侵入者とみなし、侵入者にとって有益な資産を売り払うなどの行為を行う事により侵入する気をなくさせるという作戦です。

もっとも、この焦土作戦を採るという事は、現経営陣にとっては経営権を守りきることに有益かもしれませんが、他の利害関係者(ステークホルダー)にとっては望ましくない場合があります。

そのため、上手くやらないと株主から訴訟をおこされるリスクがあります。

■焦土作戦の限界

焦土作戦は敵に渡さないために自分の資産の価値を壊すと言った強力な買収防衛策です。しかし、自分の資産を毀損するという点に根本的な問題があります。

資産の売却や過剰に負債利用するといった自社の力を削ぐ事により、確かに買収相手の買収したいとの考えはくじけるかも知れません。

しかし、利害関係者からすれば、経営陣の保身のために会社の貴重な資源を二束三文で売却するなどの行動は非常に問題です。場合によっては株主は株主代表訴訟で経営陣を訴えることもありえます。

結果として会社の経営権を守れたとしても、経営陣は経営者として残れるから良いかも知れませんが、株主や従業員からすればそのために会社を焦土にされたらたまらないですよね。

こういった問題があるため、徹底的な焦土作戦は取りにくく、その他の買収防衛策を組み合わせそのうちの一つとして焦土作戦も使うと言った形になるのです。

関連用語
クラウンジュエル
ゴールデンパラシュート
ティンパラシュート
スーパーマジョリティ(絶対的多数条項)
第三者割当増資
ホワイトナイト
ポイズンピル
期差任期制度
パックマンディフェンス
経営
2013年2月5日

スピンアウト

スピンアウト_001
スピンアウトとは、既存の組織の一部が分離して、新しい組織を作る事を言います。但し、元の組織との関係性が希薄な場合を、このスピンアウトという言葉を使います。(関係が濃い場合場合はスピンオフと言います。)

イメージとしては、社内ベンチャーが上手くいって、そのまま独立した別会社になるといった感じですね。その際に、出資を受けたり、親会社から様々な支援を受けられるようなケースがスピンオフに該当します。

逆に、社内ベンチャーが独立した際に、資本関係を持たないようなケースをスピンアウトと言います。

スピンしてアウトするといった言葉のイメージの通り、本当に、 飛び出してしまうという感じですね。

さて、このスピンアウトのメリットはスピンオフと同じように、小さな企業は、意思決定を素早く行えることができるため、効率的に新事業を行っていくことができるといった事になります。

大きな会社では、意思決定の迅速さにどうしても欠ける傾向があるため、小回りが利かないのです。その点、小さな会社では迅速な意思決定ができるため、有望とみなせる分野に経営資源を集中することができるのです。

■スピンアウトのリスク

スピンアウトは意思決定が迅速にできるという大きな強みがあります。独立性もあることから自由に動くことができ、極めて効率的な新事業運営ができます。

しかし、資本関係を持たないケースも多く、資本関係のない場合は親会社の支援を受けにくいという問題があります。(資本関係がなければ支援する必然性もあんまりないですからね)

例えば、学生さんがサッカー部から独立してフットサル同好会を作るようなものです。その場合は、用具や練習場所なども自分たちで用意する必要がありますよね。このように、母体となる組織の支援を受けられないというのは非常に大変なことなのです。

この支援を受けにくいというのは、人的ネットワークの途絶も意味することが多いです。例えば母体となる組織がしっかりと回っているのは総務や経理と言ったスタッフ部門の努力によりますがこういったノウハウを持った人材供給を受けることも難しくなるのです。

さらに、母体となる組織よりも明らかに外部環境の変動に対する耐性が脆弱になりがちです。そして、その結果、競争力を持つ以前に企業自体の存続に苦労するケースもあるのです。

関連用語
カーブアウト 
情報
2013年2月3日

favicon(ファビコン)

ファビコン_001
favicon(ファビコン)とは、ブラウザ上に出てくる小さなアイコンの事をいいます。お気に入りのところに出てくるアイコン(Favorite)の(Icon)からfav + iconという言葉になったのです。

このfavicon(ファビコン)を設置することによって、たくさんある「お気に入り」の中に埋もれにくくなるといった効果を得ることができます。

同じアイコンのお気に入りが沢山あると、なかなか分かりにくいですよね。でも、このfavicon(ファビコン)を上手く設置すればあなたのサイトをアピールすることができるのです。

さて、言葉で説明するより、実物を見ていただいた方が早いと思います。早速ですが、本ブログをブックマークしてみてください。(冗談ですけど、実際にブックマークしてくれたらうれしいです。)

ブックマークが嫌な方とか、実例を早く見たい方のために、下に画像を示します。

ファビコン例

経営マンガでは「たぬきのトレードマーク」が表示されます。なお、上のまんがの『経』のマークは以前の当サイトのファビコンです。

このfavicon(ファビコン)があることで、沢山お気に入りがあっても、自分の運営しているサイトを目立たせることができるのです。

■faviconの設置方法と注意点

さて、このファビコンですがつくのは簡単です。まずは小さな画像(png形式が一般的です)を用意しましょう。サイズは16×16とか32×32ピクセルぐらいの正方形がいいですね。

そしてサイトを設置しているサービスの説明に従って設置します。

なお、すごく小さな画像になるのでごちゃごちゃした画像を作っても意味がありません。うちのサイトは遠目でたぬきっぽく見えれば十分だと割り切って作っている感じです。また、当然ですが著作権を自分で保有していない画像については使わないようにするのが重要です。

■表示されない?ファビコンの設定について

ファビコンを作って設定しても表示されないこともあります。まずはブラウザの再読み込みを試してみてください。

それでも駄目なら、キャッシュを削除する事をおすすめします。(通信量を減らして素早く表示するためにブラウザは古い情報を記録しておき、そちらを参照する事があります。)

また、技術的な話になってしまいますが、<link rel="icon" href="/favicon.png" type="image/png">と言った形でHTMLの中で明示的に記述する事でブラウザの認識連れを避けることができたりします。

この場合、ファイル名の確認も重要だったりします上のHTMLで記載しているファイル名の「favicon.png」になっているかどうかの確認も大切だったりします。

関連用語
CI
法務・支援施策
2013年2月2日

クラウンジュエル

クラウンジュエル_001
本記事ではクラウンジュエルを「株主との関係」「取締役の義務」といった法的観点からも整理し、他の買収防衛策との違いを明確にし理解を深めていきます。

<用語解説>
クラウンジュエルとは、買収を仕掛けられた企業が、自社の魅力をあえて手放してしまい買収のうまみをなくすという対抗策のことを言います。

このクラウンジュエルという言葉は、王冠についている宝石から来た言葉です。

■クラウンジュエルってどういう事?

素晴らしい宝石がついている王冠を想像してみてください。そして、あなたは想像もつかないの富を持っているとします。

今回、あなたは素晴らしい宝石がついている王冠が売りに出ているのを見つけ、買い取ろうとしたとします。

この時、あなたは王冠の価値だけではなく、宝石の価値も含めて買収したいと考えているのです。

そのため、王冠を買い取ろうと考えた後、王冠についている宝石が取り外されたら、王冠を買おうという意欲が減退するはずです。

これと同様に、買収されそうになった自社の魅力的な資産などを、あえて譲渡してしまい自社の魅力を失わせる。その結果、買収を断念させるという買収への対抗策がこのクラウンジュエルという方法なのです。

■クラウンジュエルのイメージ

例えば、ほとんど追加の投資が必要ないけれども安定して稼ぐ事業(PPMでいうところの「金のなる木」ですね)を、あえて譲渡してしまう。または、非常に許認可を受けにくい分野の許認可を受けている事業を譲渡してしまうといった事が考えられます。

いずれにしても、重要な資産を譲渡するわけですから、株主の価値を損なうようなやり方でこのクラウンジュエルを行うと、株主から取締役の善管注意義務や忠実義務への違反として訴訟を起こされる危険があるので注意が必要です。

■クラウンジュエルの価値を利用するという視点

クラウンジュエルでは、重要資産を手放して買収を断念させることが目的ですが、実際にはこれらの宝石をあえて温存し、「交渉の材料として高く売却する」という逆の戦略も存在します。

例えば、酒造免許などはすごく取りにくい種類の免許だったりします。そして酒造免許を狙った買収だが実際に行われた場合、酒造免許を持っている部門だけを切り離して高値で売却するといった方法が考えられるのです。

価値のある資産を「敵に渡したくない秘密兵器」として破壊するか、「希少価値を武器にした交渉材料」として活かすかは、経営判断が問われる重要な分岐点です。

そして、その判断の余地があるため、買収防衛策としてクラウンジュエル(重要資産の破棄)が行われると株主から判断の妥当性を厳しく問われるのです。

■訴訟なんて大げさじゃない?

株価が100円の株価の企業を一株当たり200円で買収したいという会社が現れたとします。そしてあなたはその会社の株を持っていたとします。

しかし、現経営陣が経営陣としての地位を保全するためにクラウンジュエルを行って、企業価値を決定的に損なったとします。

その結果、買収したいと考えていた企業は手を引きました。現経営陣は良かったと胸をなでおろしましたが、株価は50円に低迷してしまいました。

さて、現在の経営陣にとっては良い結果ですが、株主であるあなたはどのように考えるでしょうか?

このまんがにあるように、このクラウンジュエルは、取締役会の決議で行う事ができます(重要な資産の譲渡が行えます)。そのため、クラウンジュエルはある意味、現経営陣にとっては簡単な方法ではあるのですが、株主価値を損なうようなやり方をすると、株主から訴えられるリスクもあるのです。

■ クラウンジュエルのメリットとデメリット

クラウンジュエルの最大のメリットは、敵対的買収を阻止する強力な手段を比較的簡単に行えることです。

自社の重要資産を譲渡することで、買収側が魅力を感じなくなり、買収そのものを断念するケースが期待できますので。

ただし、一方でデメリットもあります。それは、自社の将来の収益源や成長の芽を自ら手放すリスクです。

また、上で挙げたように株主価値を毀損することになれば、取締役が株主代表訴訟を受けるリスクもあるため、実行には慎重な判断が求められます。

■実例を挙げないで考えるクラウンジュエルの例

敵対的買収を受けた某大手企業が、自社の中核となる医療機器部門を第三者に譲渡することで、買収の魅力を下げるといったことも考えられます。実際のビジネスの現場でも有効に機能する場合がありますが(誰でも思いつく方法ですよね)、経営陣の自己保身の手段として使われた場合には問題視されることもあります。(実際にやると問題になります)

ただし、クラウンジュエルは「敵対的買収に対する有効な手段」して機能しますが、その実行には株主代表訴訟のリスクが大いにあります。そのため明示的な成功例・失敗例が公開されにくい(または開示されない)傾向があります。

このクラウンジュエルの本質は、敵に狙われている重要な資産を自らの意思で破壊する事です。特撮物で秘密兵器を開発していた博士が、敵に渡すぐらいなら自爆するといった感覚に近いと思います。

そのため、やるかやらないかは別として割と簡単にできるのです。


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