まんがで気軽に経済用語

「知らないから動けない」をなくしたい。 中小企業診断士が、現場視点で経営用語をまんがでわかりやすく解説しています。 読むことで、生産性が上がり、心に余裕が生まれ、社会全体がちょっと良くなる。そんな循環を目指しています。

2012年03月

マーケティング
2012年3月31日

無差別マーケティング | 市場を分けた後に会えて単一セグメントだと考える手法です

無差別マーケティング_001
無差別マーケティングとは市場細分化をしたうえで、市場間の違いをあえて無視し共通の製品やサービスを提供していこうとするアプローチです。その際、最も大きなセグメントに合わせてマーケティング・ミックスを展開して、その周辺セグメントの顧客を引き付けることを狙いとすると言われています。

この方法は、有効に機能すれば非常に効率がよく、規模の経済を追求することが出来るアプローチです。しかし、なかなかすべてのお客様が満足するような製品やサービスを提供するのは難しいのが実情です。

例えば、みんなが気に入る素晴らしい車を作ろうとしたとします。その場合、どんな車が考えられるでしょうか?ファミリー向けの居住性と、軽自動車並みの安さと、高級車みたいな高級感とスポーツカー並みのエンジンの性能を同時に追求してみようとします。

こんな車が出来たら、この車種だけを売ればいいので非常に効率はよさそうですよね。でも、なんかすごく中途半端な車が完成しそうな気がします。そしてこんな中途半端な車を本当にみんなが欲しがるでしょうか?

このまんがでは、先生が市場細分化の分析を行っています。市場細分化の結果を使えば、運動部の生徒さん向けとか、文化部の生徒さん、職員向けなどに市場を絞ることはできそうですよね。

しかし、このまんがではあえて、特定の層向けの商品提供を行わずに市場全体をターゲットにすると言っています。全体に向けてマーケティングを行えばよいのでうまくいけばとても効率のいい方法であると考えられます。

もっとも、このまんがの登場人物は学校の購買を営業しているので、既に学校関係者向けという風にあらかじめ特定の市場を狙い撃ちしているという事もできますが、市場細分化で細分化した市場を差別せずに(無差別に)販売するので無差別マーケティングの例としています。

■市場細分化まで考える手法です

一般的なマーケティング手法ではSTPの順番で考えて行きます。

このSはセグメンテーション、つまり市場細分化のことです。まず市場を分けてみるのです。

Tはターゲッティングで、分けてみた市場(細分化した顧客集団)のどこ(誰)に狙いを定めるかを決めていきます。

その上で、Pというポジショニングを決めて市場マーケティング戦略を決めていくのです。

無差別マーケティングでは、このような一般的な流れではなく、あえてセグメンテーションつまり市場細分化までに留めておきその一番大きなセグメントに対してアプローチしていくと考えます。

■無差別マーケティングは陳腐化したのか?

今日的なマーケティング手法からすると効果が薄いアプローチのように考えられますが決してそんなことはありません

何と言ってもコストが抑えられますし、うまく狙いがハマれば莫大な売り上げを得ることが可能となります。

ただし経営資源に限りがある中小企業等においては、狙い通り行かなかった場合に果てしない消耗戦となってしまうためセオリーとしてはあまりこの方法はとらないような形となります。

逆に相対的に経営資源に優位性を抱えているような規模の企業の場合(これはあくまで相対的なので中小企業であっても市場によっては優位性を得ることは可能です)この無差別マーケティングという手法を検討に値するのです

あくまでマーケティング戦略というものは企業の製造において適正な利潤を得るための手段でありますので、選択肢から安易に排除すべきではないのです。

■無差別マーケティングが有効なケース

無差別マーケティングが有効なのは、製品の用途などが広く共通している市場です。

例えばトイレットペーパーや歯ブラシ、通信インフラなど利用者ニーズがほぼ全員に共通しているような製品やサービス群となります。

こうした商品で、特定のお客様に狙いすましたマーケティングを行うよりも、どんな利用者も満足できるような製品開発を行ったほうが早いし効率も良いです。

特定の客層を狙ったトイレットペーパーも考えられますが、売上を大きく確保しようと考えた場合は、とにかく良いものを安く作る方が妥当なアプローチになります。

また、ブランド認知を一気に高めることにも向いており、様々な広告手段(マスコミや交通広告)で一気に知らせていく事が効果的です。

他方で、ライバルも多く・強い傾向があるため厳しい戦いを戦い抜く覚悟を持つことも重要となります。「誰にでも売れるものは、誰も指名買いしてこない」という現実がありますので、常に品質とコストで戦い続ける必要があるのです。

■マスマーケティングと無差別マーケティングの違い

さて、経営用語に詳しい人はマスマーケティングととても似ていると感じると思いますので整理してみます。

無差別マーケティングとマスマーケティングの違い
観点 無差別マーケティング マスマーケティング
定義 市場を細分化した上で、最大セグメントに合わせて単一製品・単一施策で攻める。 市場全体に向けて同一メッセージ・同一製品を大量投入し、広範な到達を狙う。
発想の出発点 STPの「S(セグメンテーション)」は行うが、大きい塊を狙う。 リーチと頻度重視
対象市場 最大セグメント+その周辺 市場全体(年代・性別などを問わず広く)。
主な施策 製品・価格・流通・訴求の最大公約数を狙う マスコミ、交通広告などのマスメディアで一斉訴求。
メリット 規模の経済・運用の簡素化・在庫/開発の集約。 短期間で高到達・認知獲得、ブランド想起の形成
リスク 特定ニーズに刺さらず中途半端になる。
競合に差別化で負けやすい。
費用が大きい・非ターゲットに届けるための無駄なコストがかかる・効果測定の粗さ。
適する状況 最大セグメントが大きい市場(日用品など)。 広域での認知拡大や新カテゴリ普及期
不向きな状況 嗜好が細分化し差別化が強い市場 商圏が狭い、精密なターゲティングが必要な場合。
代表的指標 最大セグメント内のシェア、周辺セグメントへの波及率。 到達率・フリークエンシー、想起率、ブランドリフト。
標準仕様の歯ブラシ・汎用飲料の基本ライン。 全国テレビCM+交通広告での新商品一斉ローンチ。

簡単に言えば、無差別マーケティングは一番大きなセグメントを狙う、マスマーケティングはとにかく届けると言ったイメージになってきます。


経済学
2012年3月30日

収穫逓減の法則

収穫逓減の法則_001
収穫逓減の法則とは、生産要素を追加でどんどん投入していくときに、投入一単位当たりの収穫がだんだん減っていくことを言います。

例えば、畑で麦を作っている人がいるとします。その人が収穫をもっと増やしたいとして、畑の面積をどんどん増やしていくことを考えてみます。

最初に作る畑は日当たりがよく土壌も肥沃な土地に作ると思います。そのため、最初に作る畑からの収穫は、畑の面積を1単位増やせば収穫も1単位増えると考えることができます。

しかし、どんどん畑を増やしていく中で、このような恵まれた土地は少なくなってしまいます。すると、日当たりが悪いであったり、土壌が痩せているであったりの難がある土地に畑を作っていくことになります。

その場合、畑の面積を1単位増やしても収穫は0.5単位しか増えないかもしれません。

このように、追加の生産要素を増やせば増やすほど得られる収穫量がだんだん減っていく傾向を収穫逓減の法則と言います。

このまんがでは男子生徒が楽器が上手くなりたいと言って遅くまで練習をしていました。そこに、部長の仕事が忙しくて練習時間が思うように取れない先輩がやってきました。

この先輩は練習時間を2倍にしても成果は2倍にならないからメリハリ良く練習することが大切だと言っています。この練習時間を2倍にしても成果が2倍にならないという現象が収穫逓減の法則を表しています。 

関連用語
収穫逓増
マーケティング
2012年3月30日

ターゲット・マーケティング

ターゲット・マーケティング_001
ターゲット・マーケティングとは、市場をいくつかのセグメントに分割(市場細分化)して、その分割したセグメントに対して狙いを定めて(標的市場の選択)自社の製品やサービスを提供(商品のポジショニング)していくことを言います。これらの活動の頭文字をとってSTPマーケティングと呼ぶ場合もあります。

イメージとしては、分割した特定の市場に狙いを定めてマーケティング活動を行うような感じです。

例えば、健康に気を使う30代男性ビジネスパーソンという感じに顧客層を特定し、そこに向けて「男の早朝ジム」というサービスを提供するような活動を考えてみていただければと思います。

この場合、対象とする顧客は「健康に気を使う30代男性ビジネスパーソン」となります。そして、この層に効果的に訴えかけられるようなマーケティング活動を行っていくのです。

また、このターゲット・マーケティングを採用したとしても、市場へのアプローチの仕方から「無差別マーケティング」 「差別化マーケティング」 「集中化マーケティング」の3つに分類されると言われています。

このまんがではお客さんの要望が多様化してきて売上が伸び悩んでいると言っています。それに対して、最終コマでは先生が、バニー好きの人をターゲットに販売を行っていくことを提案しています。

ある特定のセグメントに対して経営資源を集中する事を考えているようですが、そのセグメントに経営資源を集中する事で収益をあげられるかどうかは別の問題ですね。
マーケティング
2012年3月28日

分離集団

分離集団_001
分離集団とはとは準拠集団のうち、ある人にとって拒絶の対象となる集団のことを言います。

例えば、ある人にとって大嫌いな集団があったとします。その大嫌いな集団はその人にとって分離集団に該当します。

この分離集団は同化したくない集団として、拒絶の対象となります。そのため、この分離集団の人々の中である服装が流行していた場合、そのような服装はあえて避けるようになります。

このまんがではある集団が食べ物を無駄にするようなプロモーションを繰り広げていたと言っています。そして、そのような行為はこのまんがに出てくる先生たちにとって、嫌いな行為であると言っています。

そのため、その集団と同じにならないようにしようと言っています。このように拒絶の対象となる集団を分離集団と言います。 

■分離集団が行動に与える影響(逆参照と広告リスク)

消費者は上で言及しているように、分離集団と似たような服装などを避けるようになります。逆参照とも呼ばれ、好意的な準拠集団は模倣の対象ですが、分離集団は逆に拒絶の対象となります。

実際の企業名やブランド名二言及するのは避けますが、一般的な傾向として、例えば、特定のブランドを、特定の集団が愛好しているとします。すると、その特定の集団と同一視されたくないと考える消費者は、特定のブランドを敬遠するといった現象が起こります。

この事は、プロモーションを考える際に重要なヒントになってきます。

例えば、自社の顧客を明確に定義していれば、その顧客が好む人たちを広告塔とするのが良いのはわかると思います。

逆に、自社の顧客が嫌っている人たち(分離集団)を広告塔にしてしまうと、せっかくの自社の顧客が離れてしまうというリスクがあるのです。

なお、わざわざ嫌っている人達のことを表明するのは望ましくないとする傾向が高まっています。そのため、分離集団を広告塔にすることを避けようとして消費者調査を行っても、そういったネガティブな情報は入手しにくかったりするので注意が必要でしょう。

マーケティング
2012年3月27日

願望集団

願望集団_001
願望集団とは準拠集団のうち、ある人にとってあこがれの対象となる集団のことを言います。

例えば、ある人が好きなスポーツ選手やタレントなどはこの願望集団に該当します。この場合、好きなスポーツ選手という集団には自分は所属していませんが、その集団に近づきたいという願望を持つという意味で願望集団といいます。

あこがれの野球選手モデルのグローブを手に入れたいと考える野球少年がいたとします。その場合、この野球少年には、このあこがれの野球選手という願望集団が影響を与えたという事ができます。

なお、集団の構成員のコミュニケーションは  「第一次集団」>「第二次集団」>「願望集団」  の順になります。

例えば、第一次集団である友人や仲の良い同僚とは、頻繁にコミュニケーションをとると思います。

しかし、第二次集団である職場にある組合等とは、友人ほどにはコミュニケーションを取らないと思います。

更に、願望集団の好きなタレントとなると、ほとんどコミュニケーションはないと言っていいと思います。

このまんがではあるオーケストラに所属しているホルン奏者が願望集団として挙げられています。

このまんがに出てくる学生さんはもちろんそのオーケストラには所属していません。しかし、そこのオーケストラのホルン奏者のように演奏したいと感じています。このようにあこがれの対象となる集団を願望集団と言います。 
マーケティング
2012年3月27日

第二次集団

第二次集団_001
第二次集団とは準拠集団のうち、職場の組合、地域の集まりなどの公的な関係性を持ったフォーマルな集団のことを言います。規模としては比較的大きな集団となります。簡単に言うならば社会的に決められた集団の事となると思います。

例えば、職場における労働組合はこの第二次集団に該当します。

なお、集団の構成員のコミュニケーションは  「第一次集団」>「第二次集団」>「願望集団」  の順になります。

例えば、第一次集団である友人や仲の良い同僚とは、頻繁にコミュニケーションをとると思います。

しかし、第二次集団である職場にある組合等とは、友人ほどにはコミュニケーションを取らないと思います。

更に、願望集団の好きなタレントとなると、ほとんどコミュニケーションはないと言っていいと思います。

このまんがでは、部長会なる組織に吹奏楽部の部長が出席しています。この部長会という公的な組織が第二次集団に該当しています。

このように、公的に定められた比較的大きな集団を第二次集団と言います。 

■第一次集団との役割の違い

第一次集団はとても緊密な集団になります。これに対して第二次集団は親密さや目的に置いて違いがあります。第一次集団は情緒的に結びついていますが、第二次集団は機能や目的的に結びついています。

言い換えればルールや枠組みに則って結合しているのが第二次集団なのです。

例えば、上の部長会の例が二次集団ですが、自治会とか、生徒会、役員会、理事会などがこの第二次集団の構成員です。

この集団は友達関係ではないため、ルールや秩序によって維持されるような種類のものとなります。言い換えれば、個人の感情を重視する第一次集団にたいし、第二次集団は決まり事で動く集団なのですね。

マーケティング
2012年3月26日

第一次集団

第一次集団_001
第一次集団とは準拠集団のうち、家族や友人、仲の良い同僚などの私的な関係性を持ったインフォーマルな集団のことを言います。規模としては比較的小さな集団となります。簡単に言うならば「気の置けない仲間」(気を遣わなくてもよい仲間)の事ですね。

例えば、友人同士はこの第一次集団に該当します。この友人同士という第一次集団に自分は所属しており、私的な関係性を持っているわけです。

なお、集団の構成員のコミュニケーションは 「第一次集団」>「第二次集団」>「願望集団」 の順になります。

例えば、第一次集団である友人や仲の良い同僚とは、頻繁にコミュニケーションをとると思います。

しかし、第二次集団である職場にある組合等とは友人ほどにはコミュニケーションを取らないと思います。

更に、願望集団の好きなタレントとなると、ほとんどコミュニケーションはないと言っていいと思います。

このまんがでは、第一次集団として部活内の仲良しグループを取り上げています。彼らは組織として定められたフォーマルな集団ではなく、単に気があうから一緒にいるインフォーマルな集団です。

このように私的な関係性を持ったこじんまりとした集団を第一次集団と言います。 
マーケティング
2012年3月26日

準拠集団

準拠集団_001
準拠集団とは人が何かについて判断する際に、その判断のよりどころとなる集団の事をいいます。この準拠集団には「第一次集団」、「第二次集団」、「願望集団」、「分離集団」があります。

例えば、家族の中で支配的な意見になんとなく合わせた行動をとるといった事があると思います。これはその集団に同調するような行動を求める、同調圧力がかかるためです。

また、逆に反面教師という感じで、彼らがやっていることは絶対にしないといった事もありえます。

この準拠集団として代表的なものは、家族や同僚などその集団に自分も参加しているような集団ですが、必ずしもそこに所属していなくても準拠集団となりえます。

例えば、あこがれの先輩達がいたとします。その先輩達の集団には自分は所属していません。しかし、自分の判断としてはあこがれの先輩達ならどうするかを考えるようなケースもあります。

このように、何か物事を判断する際に影響を受ける集団を準拠集団と言います。

このまんがでは、男子生徒にとって部活の仲間達が準拠集団に該当します。そして、自分はおなかが空いているため帰りたかったようですが、準拠集団に影響を受けて日が暮れるまで練習をしていたようです。
組織論
2012年3月24日

公平理論

公平理論_001
公平理論(衡平理論)とはアダムス(Adams)の提唱したモチベーション理論の一つです。この公平理論によると、人は不公平を感じるとその不公平を解消しようとするモチベーションが発生します。そして、感じた不公平の大きさが大きいほど、より強いモチベーションが発生します。

ここで不公平とはある人が自分の貢献と報酬の比と他人の貢献と報酬の比が不均等である場合を言います。

そして不公平を感じた場合その不公平を解消するために以下の行動のいずれかを採るとされています。それは以下の6つの行動です。

1.自分の貢献を変化させる
もっと頑張る・頑張らない

2.自分の報酬を変化させる
報酬の返却・報酬の増加を要請

3.自分の主観的な貢献と報酬の比を変える
自分の経験や能力を従来より低く評価する・追加の報酬として福利厚生を認識する

4.比較を行わない
その場から退場する

5.比較する他者に働きかける
他者に対してもっと頑張るように要請する・他者に対して頑張らないように要請する

6.比較する他者を他の人に変える
比較対象を変える

例えば、主観的に自分(A氏)は10の貢献をしていて5の報酬を受け取っているとします。それに対して、他人(B氏)は同じ10の貢献をしていても8の報酬を受け取っているとします。

その場合A氏の貢献・報酬の比とB氏の貢献・報酬の比は10:5と10:8となるので不公平を感じます。その場合に貢献・報酬の比を公平にするため、以下の方法を採ることがあります。

ケース① 貢献の量を減らして貢献・報酬の比を改善させる。例えば10あった貢献を6まで減らすと、貢献・報酬の比が6:5となるため、10:8のB氏の貢献・報酬の比を上回ります。そうするために、あんまり頑張らなくなるといった事が考えられます。

ケース② 報酬を増やしてくれるように働きかける。例えば、5の報酬が8になれば貢献・報酬の比がA氏B氏両者とも10:8となるので不公平は改善されます。

このまんがでは、男子生徒が不公平を感じていますが、主観的に追加で報酬を受取っていると感じたため不公平感は解消されたようです。
組織論
2012年3月22日

マクレランドの欲求理論

マクレランドの欲求理論_001
マクレランド(McClelland)の欲求理論とはモチベーションの理論の一つです。この理論によると、人は「達成欲求」、「権力欲求」、「親和欲求」の3つの欲求を持つとされます。そして、この3つの欲求はマズローの欲求段階説ERG理論のように高次、低次の階層構造を持たないものであるとしています。

それでは3つの欲求をそれぞれを見ていきましょう。

達成欲求
目標を達成したいという欲求です。

この欲求が強い人は責任感が強く、何事も自分で行う事を好みます。また、素早いフィードバックを得ることができる仕事を好み、中程度のリスクの仕事を好みます。

なかなか仕事のパフォーマンスを高めてくれそうな欲求ですね。しかし、この達成欲求が高い人物はマネージャー向いているかというと、必ずしもそうではないようです。

高い達成欲求は、何事も自分で何でもやらねば気がすまず、仕事ができない部下をないがしろにするといった傾向を生み出すため、あまりマネージャー向きの傾向ではないようです。

権力欲求
他の人々に影響力を行使したいという欲求です。

この欲求が強い人は、責任を持つことをや、激しい競争を好みます。また、他者に対して影響力を行使することを好みます。

この権力欲求の強い人はマネージャーに向いているとの調査があります。それは部下に影響力を行使するのがマネージャーの役目であるためです。

親和欲求
他の人々と友好的な人間関係を気づきたいという欲求です。

この欲求が強い人は、他者によく見られたいという傾向が強く、一人で緊張した状態にいるのを好みません。

仲間と仲良くやっていこうという志向なので、この親和欲求が強い人はよいマネージャーになると一見思われますが、そんなことはないという調査結果が出ています。

この親和欲求の強いマネージャーは部下から好かれたいという強い願望を持ちます。そして部下に好かれるために安易に部下の要望を聞き入れてしまい、結果チーム内の不公平感を醸成してしまうといった傾向を持っているためです。一言でいうとチームが「グダグダ」になる可能性を持っているという事ですね。

このまんがでは、パーカッションのリーダーであるメガネ君が非常によくパートをまとめています。それは彼が権力欲求を強く持っているからだと説明されています。
組織論
2012年3月21日

ERG理論

ERG理論_001
ERG理論とはモチベーションの理論の一つで、マズローの欲求段階説をアルダーファー(Alderfer)が修正したものです。

このERGはそれぞれ、生存(existence)、関係(relatedness)、成長(growth)の頭文字であり、この生存、関係、成長の三つの欲求を元にモチベーションについて説明しようとしたものです。

このERG理論はマズローの欲求段階説を修正したものであるので、マズローの欲求段階説の低次の欲求が満たされた場合にはその欲求の重要度を減少させ、更に高次の欲求の重要度を増加させるとした仮定を受け継いでいます。

■ERG理論がマズローの欲求段階説に付け加えたこと

基本はマズローの欲求段階説なのですが、そのうえで、次の仮定を加えています。

・欲求の各段階は同時に活性化することもある。
・高次の欲求が満たされない場合、より低次の欲求が重要視される。

マズロー欲求段階説の場合、低次の欲求が満たされた場合のみ、より高次の欲求へ段階的に移行するとしていました。しかし、ERG理論では同時に活性化することもあるし高次の欲求が満たされない事を低次の欲求で補う場合があるとしています。

一言で比較すればマズローの欲求段階説は低次の欲求から高次の欲求への一方通行を想定していましたが、ERG理論では相互に行き来できるし、唐突にほかの欲求が活性化することもあるという事です。

■人は一方通行に発達しない

例えば、最上位の欲求である成長の機会に恵まれない人(Gが満たされない)が職場内での仲間づくりを非常に重視する(Rを満たそうとする)といったケースが考えられます。
 
また、職場内での人間関係がうまくいかない場合(Rが満たされない)にひたすら自己の成長を志向する(Gを満たそうとする)といったケースも考えられます。

これらの例はマズローの欲求段階説では説明しきれない現象です。

■まんがのERG理論の例

このまんがではパートの仲間がいない状態のオーボエパートの生徒が、人間関係が満たされない(Rが満たされていない)状態から、自己の成長を志向するようになった(Gを満たそうとする)ケースを書いてみました。

その結果、彼の腕前は抜群だと部長に言われています。 結果として信頼が得られて人間関係も満たされるといった良い循環が生まれているのですね。

■実務におけるERG理論の活用例

ERG理論は、実務において、従業員のモチベーションを把握・向上させるために役立ちます。

例えば、昇進やスキルアップといった成長(G)の機会が不足している職場では(そんな職場は沢山ありますよね。ここで無理やりポストを作るというのはあまりいいやり方ではありません)、社員が同僚との関係(R)を強く求めるようになるケースがあります。

一方で、人間関係に不安を感じている従業員が、自分自身の成長に集中し、成果を上げようとする場面も見られます。

このように、ERG理論を理解することで、単なる報酬や役職だけでは説明しきれない、多層的な動機づけを捉えることが可能になります。

とはいえ、人間関係に満足していない従業員がスキルアップに全力を挙げているのは、組織からの脱出を図っている可能性もあるのであまり良い兆候ではありません。

そのような場合、しっかり成果を出したらならば報いていくようにしないと、貴重なやる気のある従業員が退職するといった最悪の結末につながるので、注意が必要です。

■ERG理論と人材マネジメントとの相性

2025年現在、職場では「人材の定着」が大きな課題となっています。その中でERG理論は、従業員の心理状態を把握するうえで実用的な理屈です。

たとえば、単に「昇進を与えればやる気になる」といった単純化された考えではなく、成長(G)、関係(R)、生存(E)のバランスをどう整えるかを考えることが、人材流出を防ぐ鍵となります。

■洞察の材料にはなります

このように、マネージャーや人事担当者、社長にとって、「なぜこの社員は急にスキルアップに熱心になったのか」「どうしてチーム活動を重視しているのか」といった背景理解の材料とすることができます。

人間の心理はとても複雑なものですが、読み解くためのモデルがあれば理解を促進することができ、実務にも直結する理論といえるでしょう。

マーケティング
2012年3月20日

製品多様化マーケティング

製品多様化マーケティング_001
製品多様化マーケティングとは単一の市場に対して複数の製品を作り買い手に多様性をアピールするアプローチの事です。簡単に言うと、一つの大きな市場にたくさんの種類の製品を提供するといったイメージです。

この方法はターゲット・マーケティングのように市場をいくつかのセグメントに分けるようなことはせずに、単一の市場に対して沢山の種類の製品を提供することを目指しています。

イメージとしては、単一市場に単一製品を投入するマス・マーケティングと市場を細分化して(市場細分化)ある特定の市場に狙いを定めるターゲット・マーケティングの中間のようなイメージとなります。

このまんがでは、新発売のアイスクリームを仕入れています。新発売の同一製品ですが、サイズや味のバリエーションを一揃い仕入れており、多様性をアピールする狙いがあるようです。この例では特に市場を分けて考えていないというところがポイントとなります。

■製品多様化マーケティングはメリットだけではありません

一つの大きな市場に向けて沢山の製品を提供するという説明は少し考えると良さそうに思えませんか?例えば、アイスクリームを20種類ぐらい味を変えて投入するといったイメージです。

そうすれば、色々なお客様は自分の好きなアイスクリームを選んでくれるから結果として売上が上がりそうですよね?

でも、残念ながらそのようにはなかなかなりません。まず問題の一つは、沢山の製品ラインナップを揃えるためにおは大きな手間とコストが掛かることです。そして沢山の製品を出したところで売れ筋はどうしても限られてしまい、すべての製品が均等に売れるという事はありません。

その結果、売れ筋以外の製品はどうしても死に筋となって在庫過多を招きがちです。

さらに、小売店側の販売スペースにも制限があり、売れない商品のシリーズだとあんまり大きなスペースを確保してもらいにくくなります。

また、人は選択肢が増えすぎると物事を選びにくくなるという傾向が調査からわかっています(行動経済学の知見)例えば、3種類から一つ選ぶのと20種類から一つ選ぶのでは、後者の20種類のほうが沢山選ばれるように思われがちですが、結果としては選択を後回しにする(つまり買わない)と言った行動を招きがちなのです。

その上、ブランドのメッセージがたくさん作っていく中であやふやになると言ったデメリットも考えられます。メッセージがあやふやになってくると、万人に受ける商品を目指していたはずが、みんなにとって中途半端でだれからも「ちょっと微妙」と受け取られるリスクが有るのです。
財務・会計
2012年3月14日

先入先出法 | 先に仕入れた商品から売れていくという仮定に基づいた計算方法です

先入先出法_001
先入先出法(FIFO)とは、棚卸資産などの払い出し価格を評価する方法の一つです。この先入先出法は、一番昔に取得したものから払い出していくと仮定して計算を行う方法です。

・先入先出法は商品の実際の動きに近くなります
例えば、お魚屋さんが仕入れた魚を売っているとします。その場合、一番前に仕入れた魚から売っていかないと、どんどん魚は古くなり最悪の場合食べられなくなってしまいますよね。

そのため、実際に古いものからどんどん売っていくと考えられます。多くのお店で、商品はこのような動きをすると考えられます。

パン屋さんでも、先に焼いた商品から売っていきますし、回転寿司でも先に握ったお寿司が売れてから次のお寿司を握ります。

また、工場でも通常は先に仕入れた材料から使うと考えられます。このように先入先出法は実際のモノの流れと一致しやすい方法という事ができます。

・違う動きをするケースもあります
もっとも、ガソリンスタンド等で一旦タンクに入れてそこから払い出す(タンク内で混ざってしまう)場合には、先入れ先出し的な動きはしません。この場合は商品は平均的に払い出されていきます。

また、セメント屋さんが使うための砂利は上の砂利から使われる(新しい砂利は上に積まれ、使われるのも上から)等、後から入ったモノを先に払い出すなどの動きをします。

また、商店であっても、お客様が新しい商品から購入するため(新しい商品を選ぶ人もいますよね。)古い商品がずっと残っているケースもあります。

このように、実際のモノの動きと違うケースもあります。

ただ、これらの払い出し価格の評価方法は、計算をするためのお約束であると割り切っていただければと思います。

・先入先出法は計算のための仮定です
いずれにしてもモノの動きを正確に追いかけることが目的ではなく、払い出し価格を求めることがこれらの払い出し価格の評価方法の目的となります。

それでは実際にどのように計算するのかを例示してみます。なお、アットマーク(@)は単価を表す記号です。

日付 受入 払出 残高
1/10 10個(@100円) 10個(@100円)
1/20 5個(@150円) 10個(@100円)
5個(@150円)
1/25 5個(@175円) 10個(@100円)
5個(@150円)
5個(@175円)

合計20個の商品を合計2,625円で仕入れています。期間中にどんどん単価が上がってしまっているケースを想定しています。

期間中に全ての商品を売り切るのであれば、先入先出法でも後入先出法でも、平均法であっても同じ結果となります。

しかし、期末に商品が残る場合には、計算方法で結果が変わってきます。

先入先出法として11個が1月26日に販売された場合を考えて見ます。この場合、払い出した11個を含めて帳簿をつけてみると以下の通りとなります。

日付 受入 払出 残高
1/10 10個(@100円) 10個(@100円)
1/20 5個(@150円) 10個(@100円)
5個(@150円)
1/25 5個(@175円) 10個(@100円)
5個(@150円)
5個(@175円)
1/26 10個(@100円)
1個(@150円)
4個(@150円)
5個(@175円)


この場合は払い出し価格は、
10個×100円+1個×150円=1,150円となり、

期末棚卸資産は残りの

4個×150円+5個×175円=1,475円となります。

・先入先出法の特徴は
物価が安定している状態ではあまり意識をしませんが、インフレ時(モノの値段がどんどん上がっていく場合)には払い出し価格が多きずれる

価格は昔の安い価格となり、物価の上昇分がそのまま利益になってしまうといった問題も指摘されています。

ただ、期末の貸借対照表に計上される棚卸資産などの額は、時価に近くなるといった長所も存在します。

onnanoko_bustup
先に仕入れたモノは先に売ってしまうのよ。先入先出法はモノの動きと帳簿の計算が近くなるからいいわよね。

neko
(ひそひそ)

onnanoko_bustup
あら、どうしたのかしら?

neko
あのお客さん、棚の奥からわざわざ商品を引っ張り出して買っていくみたいですよ。それだと、新しいモノが先に売れちゃうので後入先出になっちゃうますよ。

onnanoko_bustup
いいのよ、あくまで先入先出法は計算上の仮定だからそこまで気にしなくっても。


このまんがでは古いものから売るという目論見が外れて新しいおにぎりばっかり売れているようです。このような場合、先入先出法を使うと実際のモノの動きとは異なってきますが、先入先出法は計算上のお約束なので、気にせずに適用して計算を行います。

解説で出てきた用語・関連用語
最終仕入れ原価法
売価還元法
生産管理
2012年3月14日

移動作業式コンベア方式

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移動作業式コンベア方式とは、製品がベルトコンベア上を移動し、作業者もある程度の範囲を同時に移動して作業を行う方式です。簡単に言うと、人も動くしモノも動くようなイメージです。作業が終了した後は作業者は元の位置に戻って次の加工を行います。

例としてはパン工場で、ラインが動き続けているイメージを持っていただければと思います。パンダの顔をしたパンを作るといったちょっと複雑な加工をおこないます。その場合時間がかかるため、加工はラインと同じ速さで動きながら行います。

一通り加工作業が終わったら、元の場所に戻って次の生地が来るのを待つといったイメージとなります。

このまんがでは、男子生徒がバイトでこの移動作業式コンベア方式を採用している工場にバイトに行ったと言っています。そこでは、作っては最初の位置に、作っては最初の位置にという風に作業をしたと言っています。
生産管理
2012年3月13日

静止作業式コンベア方式

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静止作業式コンベア方式について本ページでは解説を行います。生産ラインの中でも「作業者が固定された位置で作業を行う」静止作業式コンベア方式と、同じ流れ作業であるセル生産方式やタクト方式との違いを理解しましょう。

<用語解説>
静止作業式コンベア方式とは、作業者が固定された位置に立ち、コンベアで運ばれてきた品物を一旦作業台に取り出し、静止させた状態で作業を行う方式です。

作業者はその場を離れることなく、自分の持ち場で同じ作業を繰り返す点が特徴です。

この静止作業式コンベア方式では、各工程ごとに担当者が固定され、作業者はコンベアから品物を作業台に取り出し、静止した状態で加工や検査などの作業を行います。

作業が完了した品物は、次の工程に向けて再びコンベアに乗せられるか、手渡しされることもあります。(人は持ち場を離れません)

いわゆる「ライン作業」の一種として位置づけられ、パン工場や家電の組立工場など、標準化された大量生産の現場で広く採用されています。

■静止作業式コンベア方式のイメージ

例としては、パン工場を思い浮かべていただけばと思います。このパン工場では各工程に担当者がいて、その工程に仕掛品が来た段階で一旦作業台に取り出して静止させ、決められた加工を行い、次の工程へ渡すイメージです。

例えば、粉を練ってパン生地にする人、パン生地をパンの大きさに加工する人など、それぞれ自分の持ち場で同じ作業を繰り返します。自分は動かずにモノが自分の前に来るイメージとなっています。

そして、作業が終わった品物は、再びコンベアに乗せられるなどして、次の工程へと流れていきます。

■静止作業式コンベア方式のメリットとデメリット

ではなぜこのような静止作業式コンベア方式を採用するのでしょうか?工場といえばベルトコンベア的な思い込みでしょうか?

そんなことはもちろんなく、静止作業式コンベア方式には大きなメリットがあるためです。

■メリットは効率化

静止作業式コンベア方式は「作業の効率化」と「品質の安定化」がメリットです。

とにかく、作業者が自分の担当工程に集中できるため、熟練度が向上しやすく、同じ作業を繰り返すことで作業スピードも上がります。

いわゆる大量生産方式の利点を突き詰めたようなイメージなのですね。

また、ラインの途中で不良品が発見された場合、その工程で問題を特定しやすいという利点もあります。

■デメリットは単調な仕事になることです

一方でデメリットも存在します。

単調な作業の繰り返しになるため、モチベーションの維持が難しいことや、工程ごとに作業が固定されるため、多能工化(複数の作業を覚えること)が進みにくいという課題があります。

ひたすらお刺身にたんぽぽを乗せる達人になっても(あれ、本当は食用菊なんですよ)、ほかの作業はやはり一から覚えないといけないといった課題です。

加えて、一つの工程でトラブルが起きると全体が止まってしまうという問題が発生しやすい点も挙げられます。

たんぽぽを乗せる工程の前に、お魚を切る工程があったとして、その工程が滞ったらたんぽぽ工程は仕事ができないですよね。

現在においては単調な作業からくる離職リスクが大きなリスクとなってきています。働いてくれる人をどう確保するかはどの企業でも極めて重要な課題ですので。

■他の生産方式との比較

静止作業式コンベア方式は「流れ作業」とも呼ばれ、タクト方式セル生産方式と比較されることがあります。

例えば、セル生産方式では1人または少人数のチームで一貫した作業を行うため、柔軟性は高いものの効率はやや落ちます。大量生産を前提とする静止作業式は、そういった方式よりもスピードとコストの面で優れています。

このように、どの方式が最適かは、製品の性質や工場の目的によって異なります。

■まんが解説(静止作業式コンベア方式)

このまんがでは回転ずし屋さんに行っいる場面を書いてています。回転ずしを見ていた時に以前やっていた工場のバイトを思い出したようです。

回転ずしの、レーンの上を商品が流れてくる景色が静止作業式コンベア方式のイメージに重なったのでしょう。

工場ではレーンで運ばれてきた製品を一つひとつ自分の作業台で加工し、次の人に流す。回転寿司ではレーンで運ばれてきたお寿司にお醤油などをかけて加工しますからね。

■補足:類似の用語にご注意

なお、「コンベア上を移動中の品物に対して作業を行う」方式は移動作業式コンベア方式と呼ばれ、静止作業式とは異なります。

言葉は似ていますが、作業対象が「静止しているか」「移動しているか」によって分類されます。(出典:JIS Z 8142 コンベヤシステム)
マーケティング
2012年3月13日

認知不協和理論

認知不協和理論_001
認知的不協和理論とは、アメリカの心理学者、レオン・フェスティンガー(Leon Festinger)によって提唱された理論です。その認知不協和理論によると、人は自分の持っている認識と、発生した物事が矛盾している場合にその矛盾を解消しようとする心理的な働きを持つとされています。

例えばあなたは友達と一緒に行列のできるラーメン屋さんに行ったとします。あなたは出されたラーメンを美味しく感じましたが、友達はこのラーメンは全くおいしくないと言い出したとします。

この場合、美味しいラーメンだったという自分の持っている認識と、おいしくなかったという友達の意見が矛盾しています。(認知不協和の状態)

こういった場合、あなたはやっぱりこのラーメンは美味しくなかったと意見を変えるか、友達の意見を否定しなければ認知不協和の状態を解消することが出来ません。

このケースでは、「一緒に行った友達はラーメンの味がわからない人」だと考える、「確かにそんなにおいしくはなかったけれども、健康に良い食材を使った上に、お手頃価格だった」みたいにほかの良いところを見つけて、自分の選択を正当化するなどといった事を知らず知らずにやっているはずです。

このような心理的な傾向が人にはあるので、マーケティング的には購入後に購入者の選択を正当化できるようなメッセージの発信をしていくことが大切であるとされています。

何か高価なものを購入した後、その買ったモノの広告を見るようなことはありませんか?それは広告を見ることによって自分の選択は正しかったと安心したい為に発生する事なのです。

このまんがではメガネ君は、買った自転車の評判が悪いとの情報2コマ目で得ています。しかし、最終コマではネットを探して自分の選択が間違っていなかった根拠を探しています。

認知不協和理論によると消費者はこのような行動をする傾向があるのです。 

また、この認知不協和を 提唱したフェスティンガーは社会的比較論という用語も提唱しています。
組織論
2012年3月12日

報連相(報告・連絡・相談)

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報連相とは報告・連絡・相談の頭文字を取った用語です。報連相が適切に行われていれば部下が行っている仕事の進捗や方向性をチェックすることができるので、日々の業務を遂行するために必要なものであると言われています。
  • 報告
依頼された仕事などの結果を報告します。報告がないと、依頼した仕事などの結果がどうなったのかが不明となってしまいます。

例えば、あなたがサークルの後輩に飲み会の会場を取っておいてくださいと言ったとします。しかしその報告が待てど暮らせど来ないとしたらどうでしょうか?その後輩がしっかり依頼した事をやってくれたかわかりませんよね。あなたの上司も報告がないと同じ気持ちになると思いませんか?
  • 連絡
知らせた方がいいと思う情報を周囲に伝えます。連絡がないと、重要な情報が共有されませんのでトラブルの原因となりがちです。

例えば、サークルのOBで非常に厄介な人がいたとします。その人が飲み会に参加するという情報を得た後輩が、それを誰にも伝えなかったとします。その結果、何の対策も取れずトラブルが発生したとします。そのような重要情報を周囲に展開せずトラブルを招いた後輩を信頼できますか?

あなたの上司も同じように感じると思いますよね?
  • 相談
判断が難しい時や、意見を聞きたいときに相談を持ちかけます。相談をすることによって、より良い意思決定を行うことが可能となります。

このまんがでは報連相が適切に行えています。その結果先生の信頼を勝ち得ることが出来たようです。
マーケティング
2012年3月11日

マーケティングミックス(4P)

マーケティングミックス_001
マーケティングミックスとはマーケティングの目的を達成するために、マーケティングの4大要素となる製品(product)、価格(price)、流通(place)、プロモーション(promotion)を適切に組み合わせたものです。これらの言葉は英語では頭文字がすべてPとなりますので、4Pなどと言われることがあります。

標的とした市場から望ましい反応を引き出すために、これら4つのPを適切に組み合わせていくことが必要となります。ここでいう適切とは、4つのPの整合性を取りつつ経営資源を配分していくという事です。

例えば、高級腕時計という製品(product)を、比較的高い価格(price)で、非常にかっこいい高級感を訴求したプロモーション(promotion)で販売しようとしたとします。しかし、流通(place)はディスカウントストア中心で行ったとすると、あまりうまくいきそうにないですよね。

または、大衆的な腕時計という製品を、大衆的な価格で販売することにしたとします。親しみのもてるプロモーションを行ったのですが、販売している場所は銀座の高級店のみといったことも避けるべきです。

それでは、以下4つのPについて一つ一つを見ていきたいと思います。
  • 製品(product)
何を売るのか?を考えていく必要があります。製品志向の罠に陥らないように注意して、お客様のほしがるモノやサービスを販売するという事を考えることが大切です。
  • 価格(price)
いくらで売るのか?を考えていく必要があります。安く提供し市場への浸透を狙うのか(ペネトレイティングプライス)、投資を素早く回収するためにあえて高い価格設定にするのか(スキミングプライス)などを考える必要があります。

また、市場環境から値段をつける場合もあれば、モノやサービスを提供するコストを積み上げて値段をつける方法も考えられます。

このように、価格は様々な要素を考慮しつつ決定する必要があります。
  • 流通(place)
どのように売るのか?を考えていく必要があります。お客様の手に届く場所に提供できなければどんなモノやサービスでも存在しないも同然です。

そこで、どのような流通経路を通す方がよいのかを考えていく必要があります。例えば、化粧品という製品であれば全国のドラッグストアで販売してもいいですし、百貨店で対面販売を行う方法も考えられます。また直接製造した企業が販売するといった方法も考えられます。

どのような流通経路でモノやサービスをお客様へ届けるかといった事は非常に重要な要素です。
  • プロモーション(promotion)
どうやってモノやサービスを知ってもらうか?を考えていく必要があります。お客様が知らなければ当然、何を作っても売ることなどできません。

プロモーションも、テレビやラジオといったマス媒体を使う、インターネットで宣伝するなど様々な方法を考えることができます。そして、自社のモノやサービスを知ってもらいたい潜在的な顧客は不特定多数なのか、それとも特定の属性を持った層なのかによってもプロモーションの方法は異なってきます。

このまんがではお客さんが喜んでくれるようなお店を作るために4Pのフレームワークで考えています。
マーケティング
2012年3月10日

顧客満足(customer satisfaction:CS)

顧客満足_001
顧客満足(customer satisfaction:CS)とは、製品やサービスが顧客の事前に持っている期待やニーズをどのくらい満足させているかの程度を示す指標の一つです。この顧客満足を得られれば、製品やサービスの反復利用を促すことができるので、非常に重要な指標であると言われています。

一般的に顧客満足は製品やサービスを使用する人が事前に持っている期待をどの程度満たすことができたか、によって決まると言われています。

例えば、「安い割に良かった」とか、「高いお金を払ったけどがっかりだった」といった言葉は事前に抱いた期待と、消費者が感じた満足度の関係によって出てくる言葉であると考えることができます。

この例では安い・高いを事前の期待度を示すために使っています。安い割にとは、事前の期待度が低かったにもかかわらず、良い製品やサービスであったという事を示しています。実際には、口コミや販売にあたっての広告などで事前の期待水準は決まってきます。

このまんがでは学食の新メニューを食べに行こうとしています。どうやら値段がそこそこであったため、事前の期待は低かったようですが実際に食べてみるととてもおいしかったようです。

このように、事前の期待を上回ることが出来れば顧客満足は非常に高まるのです。

この顧客満足を高めるためにはLSPなどの考え方で人員を適正に配置することも大切だったりします。適正な人員が配置されていないお店だと必要なサービス水準を確保するのも難しいですからね。

■口コミが満足を広げます

顧客満足には口コミが大きく関連します。例えば、レストランで美味しい食事を食べることができたら友人や知り合いに進めたくならないでしょうか?

そしてその口コミが広がればそのお店は多くのお客様を集めることができるようになります。

逆に、美味しくないとか味が落ちたなんて言われると、集客にはマイナスになってしまいますよね。

このように口コミは次のお客様の期待のレベルを作っていく力があるのです。

さて、このことから、顧客満足を高めるヒントが有ると考えられます。企業は一貫した品質を維持し、迅速な体験を提供することで好意的な口コミが獲得することができるのです。

逆に、提供品質にムラがあると、「美味しいと聞いていたけど期待外れだったな」と思わせてしまうため不利に働きます。

飲食店などで毎日ベストの料理を出すことができないならば、無理に張り切って上振れを狙うより、毎日一定の「ベターな水準の料理」を出すことに集中したほうが、長期的なロイヤルティにつながるということができるのですね。

関連用語
休眠顧客
組織論
2012年3月8日

ロワーマネジメント

ロワーマネジメント_001
ロワーマネジメントとは企業における現場の管理者層の事を言います。簡単に言うと係長さんや主任さんといったイメージです。いわゆる現場のリーダーみたいな感じです。

このロワーマネジメントは直接現場の業務を指揮したり管理したりします。トップマネジメントが示した経営理念をミドルマネジメントが具体的な目標に落とし込み、その具体化された目標をロワーマネジメント層が実際の業務として遂行していきます。

このようにロワーマネジメント層は組織の実際の業務を遂行するといった重要な役割を担っています。

このまんがでは、ロワーマネジメントの役割を担っている男子生徒が具体的な指示を行い、良い評判を勝ち得ているようですね。

■ロワーマネジメントと現場改善

ロワーマネジメントは、現場のリーダです。お店の店長や売り場のチーフと言った感じの役割です。また、部活などで例えれば、パートリーダーやキャプテンといった感じでしょうか。

こういった人たちは、上からの指示をそのまま伝えるのではなく、現場でより効果的にになるように指示を噛み砕き、現場の実情に合わせて工夫するという意味で重要な役割を担っています。その意味で、現場の意見を吸い上げ、士気を高めるというボトムアップの役割も担っています。

その事によって、無駄な時間をなくしたり、仕事や練習をスムーズにしていくのです。

このような重要な役割ですから、しっかりと権限を移譲しろロワーマネジメントの育成もしっかりと行うことが重要なのです。

それが結果としてカイゼンにつながっていくのですから。

■5Sを推進するのもロワーマネジメント

例えば5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を実施すると決めるのはトップマネジメントかも知れませんが字指に現場に落とすには、ロワーマネジメントが具体的な行動に落とし込んで初めて推進されます。

トップマネジメントは「使った工具を元に戻そう」などといった日常レベルの指示はしませんが、ロワーマネジメントはそれが実施できるのです。

また、5Sを実現しやすくするための仕組みづくりなどもロワーマネジメントが推進していく種類の流れになります。

現場をきれいに保つだけですから、5Sは一見簡単なことだと思うかも知れませんが、保つことが重要なのです。

そのため、リーダーシップをロワーマネジメントが発揮し、現場に規律をもたせる取り組みを行っていく力量を振るう絶好の機会だったりするのです。
生産管理
2012年3月8日

混合品種ライン生産方式

混合品種ライン生産方式_001
混合品種ライン生産方式とは生産の作業手順がほぼ同じ複数の品種を一緒に連続的に生産する方式です。

この方式はライン切替生産方式とは異なり、時間によって生産するものを切り替えるのではなくいろいろなものを一緒に作っていくイメージです。

例としては、アンパンとジャムパンとクリームパンを一緒にライン上で流すようなイメージとなります。作業手順がほぼ同じ品種を一緒に生産することが混合品種ライン生産方式を採る条件となります。

逆に作業手順が全然違うものを同じラインで流したら大変なことになります。例えば、ジャムパンと大福とおにぎりを同じラインで流したら大混乱を起こしそうですよね。ジャムパンの中におにぎりのシャケが入っていたりしたら美味しくなさそうですし、大クレームです。

こういった生産方式は多品種少量生産を実現するための工夫の一つです。ある程度の生産量を確保し、規模の経済の効果を持たせることも狙いの一つです。

このまんがでは「粒あん」のおまんじゅうと「こしあん」のおまんじゅうを同じラインで、特に時間での切り替えも行わずに製造すると言っています。

混合品種ライン生産方式とはこんな感じのイメージになります。
生産管理
2012年3月6日

ライン切替生産方式

ライン切替生産方式_001
ライン切替生産方式とは、単一ラインを時間で区切り複数の品種を生産する方法です。  
本記事では、この方式の仕組みや特徴、多品種少量生産へのメリット・課題を解説します。  

<簡単な説明>
ライン切替生産方式とは単一のラインで、複数の品種を生産するための工夫の一つです。これは時間でラインを分けようという発想で、ある一定の時間が到来したときに生産する品種を切り替えます。

このライン切替生産方式は混合品種ライン生産方式とは異なり、生産を行う期間をいくつかの期間に分割してその期間内ではあたかも専用ライン(単一品種ライン生産方式)であるような動きをします。しかし、ある時間が到来した際には次の物品の製造を開始します。

こういった生産方式は多品種少量生産を実現するための工夫の一つで、ロット生産方式と親和性の高い生産方式です。

このまんがでは「粒あん」のおまんじゅうと「こしあん」のおまんじゅうをライン切替生産方式で製造しようとしています。このまんがの例の通り、時間で切り分けを行って製造活動を行うため、複数の物品の製造が可能となります。

■ライン切替生産方式と効率化のトレードオフ

ライン切替生産方式における大きな課題は「段取り替えの時間」です。ラインを切り替えるときには「片づけ」や「準備」が必要ですよね。

たとえば、クッキーを焼く工場でチョコチップからプレーンクッキーに切り替えるときには、オーブンを掃除して材料を入れ替える時間がかかります。

また、マンガの例のように、「つぶあん」と「こしあん」を切り替えるときにも片付けを行い準備をする必要がありますよね。

混入が決して許されないような製品を作る場合は、設備を分解し清掃してから次の製造にかかるといったことすら行われます。

そして、この時間が長いと「思ったよりたくさん作れなかった」ということが起きます。そのため、切り替えの回数や切り替えの手間を減らす工夫がとても大事です。

この段取り替えの時間を短縮するために活用される手法が外段取り(外側で作業する→機械を止めない)などの方法になってきます。

■ライン切替生産方式と品質管理

ライン切替時には「残留原料」や「工程条件の安定化」による品質低下リスクが発生します。単純に言えば、前作っていたものと混ざると品質が悪くなりますよね?また、ラインを切り替えたときには、製造が安定するまでに時間がかかったりします。(例えば、オーブンなどの温度が安定するまで時間がかかったりしますよね?)

そのため、切替直後は歩留まり(良品率)が一時的に下がることが多く、不良品を出荷しないように検査体制の強化が重要です。

たとえば「いちご味」と「抹茶味」のジュースを同じ機械で作るとき、ちゃんと洗浄をしておかないと途中で味が混ざってしまうかもしれませんよね。そのため、一定時間は不良品が出るかもしれないと考えて検査を厳格化するなどの対応をすることが必要です。

サラッと書きましたが、「いちご」と「抹茶」でもアレルギーがあったら大変なことになります。そして、特に食品・医薬品分野では異物混入や成分混合のリスク管理が極めて厳格に求められます。アレルゲンが混入すると時として大事故につながるかもしれませんので、ラインの切替時のガイドライン遵守が本当に大切です。

経営
2012年3月6日

管理的意思決定

管理的意思決定_001
管理的意思決定とはトップマネジメントが行った戦略的意思決定を受けて、実際の戦術に落とし込んでいくことを言います。

この管理的意思決定を行うのは主にミドルマネジメント層です。トップマネジメント層が決定した全社的な戦略を実現するために、自分の権限を持っている部署の実際の戦術に落とし込む意思決定です。

具体的には社長が決めた理念を実現するために、部長や課長が人の採用の計画であったり資材の購買計画であったり、販売の戦略などを考えて実際の業務に落とし込むようなイメージとなります。

そして、この意思決定をロワーマネジメントが実際の業務に落とし込んで仕事が動いていきます。そのため、管理的意思決定はトップマネジメントが行う戦略的意思決定とロワーマネジメントが行う業務的意思決定の中間に位置する意思決定となります。

このまんがではミドルマネジメントである料理人さんが、トップマネジメントである先生が言った学校で一番健康的な食堂を目指すという方針を受けて管理的意思決定を行ったようです。

なんとなく先生の意図とは違う気もしますが、きっと気のせいですね。

■管理的意思決定の活用場面

組織のトップが方針を出したとします。例えば、学校校長先生や私立学校だったら理事長さんが、「我が校を地域一番の人気校にしよう」と方針を出したとします。

ただ、この方針だけでは何も動きません。その地域一番の人気校にする具体的な方向性を、「音楽、とくに吹奏楽を強化しよう」と決めて具体策を考えていく。これが管理敵意思決定のイメージとなります。

そして具体的な練習方法を考えるのが業務的意思決定なのです。

このように戦略的意思決定(トップ層の意思決定)と業務的意思決定(ロワー層の意思決定)の間を繋いで具体策を決めるのが管理的意思決定なのです。
組織論
2012年3月5日

ミドルマネジメント

ミドルマネジメント_001
ミドルマネジメントとは企業における中堅幹部層の事を言います。簡単に言うと部長さんや課長さんのようなイメージとなります。いわゆる中間管理職というやつですね。

このミドルマネジメントはトップマネジメント層から一定の権限を付与されており、トップマネジメント層が示した経営理念をロワーマネジメントにわかりやすい具体的な形に直したうえで伝達する事や、戦略を具体的な業務に落とし込みます。いわゆる管理的意思決定を行うと言われています。

また逆に、ロワーマネジメントからの情報をトップマネジメントに対して伝達するといったことも大切な役割です。

このように、ミドルマネジメント層は組織の要となって組織の情報伝達やコミュニケーションを促進する重要な役割を担っているのです。

このまんがではミドルマネジメントの役割を担っている料理人さんが、トップマネジメントである先生が言っていた「健康になれるメニュー」というビジョンを具体的な「野菜を使ったメニュー」という形に変換してロワーマネジメント層である男子生徒に伝えています。

■ミドルマネジメントの課題

会社のミドルマネジメントの方は、常に板挟みになるという課題を抱えます。トップマネジメントは全社を見た課題から戦略を提唱して下におろしてきます。

他方で、ロワーマネジメントは現場の課題感を上に上げてきます。

その結果、ミドルマネジメントは上から降りてくる戦略と下からの突き上げに挟まれるのです。そして、その板挟みの中で双方の期待を調整しつつ、成果を求められるというとても難易度の高い働き方が求められるのです。

その意味で、トップマネジメント層には「現場はこう考えていますよ。」と伝達し、ロワーマネジメント層には「上の方針が日々の努力でどのように達成できるか」を伝達する必要があるのです。

例えば、現場からは「人員不足で納期の達成が難しい」という要望を上にあげていき、上からの「納期必達、コスト削減」といった内容を下におろしていくといった形になります。

そうすると、容易に予想がつくのですが、完全にミドルマネジメントは板挟みになってしまうのですね。

■ミドルマネジメントに求められるスキル

このように、会社組織の真ん中で板挟みになる宿命があるため、様々なスキルが必要となります。まずは、聴く力に代表されるコミュニケーション能力が重要となります。

上の言葉を伝書鳩のように現場に伝えるのではなく、しっかりと現場が日々の仕事の指針とできるような形に翻訳することが求められます。

また逆に、現場の情報を上にある程度取捨選択して細かいデータではなく、情報として整理して伝えることが求められます。

また、問題解決力も重要となてきます。現場で生じた問題を、保有している権限の中でバランスよく解決することが求められるのです。


財務・会計
2012年3月5日

機会原価(opportunity cost) | 機会費用とも呼ばれ意思決定の時には重要視する必要がある考え方です

機会原価_001
機会原価(opportunity cost)とは排他的な複数な案(一つしか選べない案)があった場合に断念した方の案で得ることができた収益のうち最大のものを言います。経済学でよく使われる考え方になりオポチュニティーコストや機会費用ともいいます。

■選択するということはあきらめるという事です

選択するということは常に他の選択肢は諦めるということです。なんだか哲学的な話ですが 、何かを選ぶということは他の何かを諦めるということになります 。

■1.100万円を投資するという例

例えば100万円を持っているとします 。その100万円をどう活用するか を考えるときにこの機会費用・機会原価の考え方が出てきます。

機会費用とは、ほかの選択肢のうち、最大の価値が得られるものがその選択に費用であると考えられます。

例えば日本国債を買っていればその100万円が1年後に101万になるとします。このことからこの100万円の機会費用は1万円であると考えられますので、その他の投資、例えば誰かに貸し付けるなどをする時は1万円以上の利益を得る必要が出てきます。 

逆にいうと、1万円以上の利益が見込めないならば、その投資はうまくいっていないと考えることができるのです。

■2.あんパン工場の例で機会原価を考えてみます

次に、アンパンを製造している工場の例でみていきたいと思います。例えば、原価30円でアンパンの餡を作りました。また、この餡をアンパンに加工するためには30円かかるとします。

この場合、アンパンの原価は60円となります(餡30円+アンパンへの加工費30円=60円)。

また、半製品の餡はそのまま売れば100円で販売することができるとします。但し、餡のまま売ってしまうとアンパンを作ることができなくなりますので、餡のまま売るかアンパンに加工するかを選択しなければならないとします。
 
この場合アンパンの価格が130円より大きくないのであれば、アンパンに加工せずに餡のまま売ってしまう方がよいのです。

機会原価の考え方を使ってアンパンの原価を考えてみると次のようになります。

餡の機会原価100円+アンパンへの加工費30円=130円

上記のようになりますので130円以下で売る場合、餡のままで売るよりも儲かっていないと簡単に判断することが可能となります。

例えば120円でアンパンを売る場合の利益は120円-60円(かかった原価)=60円となりますが、餡のまま売っていれば利益は100円-30円(かかった原価)=70円となります。

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餡が一個100円で売れるんだったら、餡のまま売っちゃった方がいいよね 。

neko
でもこの場合の製造原価って60円なんだから120円で売ってもいいんじゃない 。

panda_2
そうすると機会原価的には、130円のものを120円で売ることになるから損しちゃってるんだよね。

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うーん何となく直感的に理解しにくいなぁ。




■応用して考えよう

またこの機会費用の考え方を応用すると 、 時間の価値も考えることができます。例えば1年間学校に通う費用はその学費だけではありません 。

その学校に行かず働いていたら得られるであろう収入も費用となります。経済学的にはこのように考えるのです。

これらの費用を合わせても学校に行く方が合理的であるならば学校に行って教育訓練を受けるという判断になります 。そして概ね我が国では、学校に行って教育訓練を受けることはペイすると見られております。

■目先の利益を追いかけると余計なコストがかかるということを示唆しています

この機会費用の考え方は目先のささいな節約のために大きな時間を使ってはならないということを示唆しています。

例えば卵が10円安いからと言って1時間かけて隣町のスーパーに行く費用は1時間ぶんのパートやアルバイトの時給と同じです。ですので一般的には合理的ではないと考えられます。

また資格試験などを勉強する時に独学で勉強すると、必要な費用は圧縮できます。しかしそれで一年余計に勉強するならば、玉一年文の勉強時間はまるまる機会費用発生すると考えられますので、大きな損失となる可能性があります。

このように機会費用の考え方を持ってば、本質的な節約が可能となるのです 。

■サンクコストに囚われることの費用

サンクコストというどうやっても取り戻せない費用という考え方があります。例えば途中まで作ったダムにかかった費用がサンクコストです。この費用はダムを完成させても今の段階で辞めてもどっちにしても取り戻せないコストです。

そのため意思決定にあたってはサンクコストは無視をしなければならないというのが経営学の結論なのです。

この途中まで作ったダムに10億円かけていますが、完成までもう20億円かかるとします。

他方この20億円を適切に投資すると30億円の価値を生むとします 。

今やめてもその10億円は取り戻せませんのでダムを完成させた時に、 30億円以上の便益が得られないのであればサンクコストである10億円無視してダムの建設を止めるべきですなの。

このように機会費用の概念は意思決定にも役立つのです。
店舗管理
2012年3月4日

核店舗

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核店舗とはその商店街や商業集積内で中心として顧客を吸引する役割を果たしている店舗の事です。いわば集客装置となっている店舗の事です。

核店舗は商圏の大きさを左右する力を持っています。そして、各店舗の存在によって人の流れが変わりますので、その商店街や商業集積内の店舗構成に大きな影響を与えます。

一般的に核店舗となるためには、店舗の規模が大きい、知名度が高い、強烈な個性を持っているなどの条件があると言われています。

例えば、商店街の中に大規模なショッピングセンターが進出したような場合、その進出したショッピングセンターが核店舗となり、その商店街自体の客数が増加することによってかえって地元の商店街が元気になるようなケースが想定できます。

このまんがでは隣町に進出してきた新しいお店を見に行こうと言っています。最後のコマでは、遠くの学校の生徒も来ていたと言っている通り、その進出してきたお店は新たな核店舗となって周辺から顧客を吸引しているようです。

■核店舗と周辺の店舗

核店舗は単独の集客力だけでなく、人の流れを変えるほどの集客力があることから、周辺店舗にも客数増大という波及効果をもたらします。(シャワー効果というふうに、最上階に核店舗を誘致し、商業施設の下の階へ誘客を図るなどが昔から行われています)

例えば、来店者、来街者は大きな食品スーパーを目当てにその町や商業施設にやってくるとします。ただ、皆さんも経験があると思いますが、「せっかく来たんだから『ついでに』本でも見ていこう」等といった行動が発生します。

この行動から核店舗が誘客してくれていることがわかると思います。

この逆に、核店舗が撤退するとその商店街や商業施設事態の魅力が減退し、空き店舗が増えてしまう可能性もあります。大きなスーパーがなくなった商業施設にはなかなか足が向きにくくなりますよね。

このように、例えば商店街などでは、街全体でどんなお店が存在しているか、その中の核店舗はなにかを考えてどうやって誘客するかを考えていく必要があるのです。(商業施設では施設オーナーが直接誘致できるのでこういったテナントミックスは考えやすいですが、商店街だと難しかったりします。)

関連用語
キーテナント
 
生産管理
2012年3月3日

単一品種ライン生産方式

単一品種ライン生産方式_001
単一品種ライン生産方式とは、あらかじめ作ってある専用ラインを用い、長期間にわたって単一品種を生産する方式の事です。段取り替えが必要ではないため、効率的な生産を行うことができます。

これは、パン工場などでひたすらアンパンのみを作るようなイメージを持っていいただければ、イメージしやすいと思います。アンパン専用ラインがあり、そこを流れてくるのはアンパンのみという工場です。

この工場はアンパンを作る分には非常に効率のいい生産を実現することが可能となります。何しろアンパンだけを作っているわけですから。

こういった生産方式は少品種多量生産を行う工場に向いていると言われています。

このまんがでは、男子生徒の作業する製造ラインは単一品種のみを作ると言っています。その結果、非常に効率が良い生産活動が行えたと言っています。
経営
2012年3月2日

垂直統合

垂直統合_001
本記事では、垂直統合を「水平統合との違い」「シナジーの実務的限界」と言った観点から整理し理解を深めていきます。

<用語解説>
垂直統合とは自社の生産・流通過程での川上や川下へ対して拡大を目指した統合の形態です。例えば、小売業が卸や製造に乗り出す場合や、製造業が直接小売り活動を行うようなイメージです。

垂直統合を行うことにより、自社で生産・流通の要素を内製化するため品質向上が見込める事や、製品・サービスの安定供給や中間段階でのコスト削減が見込めます。

また原材料の売り手や自社の製品の買い手に対して、自社の交渉力をアップさせることが可能となります。これは原材料の売り手に対しては、別にその会社から無理に買わなくてもよいという事ができるようになりますし、買い手に対しても別にそこの会社に無理に卸さなくてもよいという事ができるようになるためです。

■垂直統合の例とは

垂直統合の例として、小売業が川上の企業を統合し流通や生産を行うことなどが考えられます。アパレルでのSPA(生産から販売まで行う)などはこの垂直統合の例です。また、第六次産業なども垂直統合だったりします。

具体的にはユニクロ(ファーストリテイリング社)が製造から物流、販売まで一貫して行うSPA戦略を取っています。また、Amazonなども現在では物流網を自社で構築して、垂直統合してきています。(ネット販売だけではなく、物流まで手掛けています)

このような垂直統合はシナジー効果を期待しやすいと言われています。

このまんがでも男子生徒がシナジー効果が見込めると言っています。ただ、やはり慎重に考えるべきなので、先生はよーく考えてから決定しますと言っています。 

■だったらどの企業も垂直統合してしまえばいいのでは?

と、このような統合例ですから、生産時点の利益を確保し、物流の利益も確保し、卸売の利益も確保し、販売の利益も確保すると、利益率が大いに上がることは想像にがたくありません。

であれば、どのような企業も実施すればよいのではないでしょうか?

しかし、良い話があれば悪い話もあって、垂直統合にはデメリットもあります。

具体的には、内製化しますので柔軟性が低下します。例えば、特定の製品を作って・届けて・お店で販売するといった業務プロセスを組んだとして、その特定の製品が売れなくなったらどうでしょうか?

通常の小売業であれば、お店で販売するといったプロセスだけですから、別の商品を取り扱えばそれでOKですが、内製化してしまった場合、構築した工場や物流網についても考える必要がでてくるのです。

この意味で固定費型ビジネスということもできるかもしれませんね。(用語説明はこちら:固定費型ビジネス

また、現在営んでいる事業から周辺の関連事業に進出する企業あるあるですが、進出しようとしている分野で自社はうまくいくと思い込むケースがあります。

理屈から言えば、進出しようとしている分野には『必ず』先行している企業があり、業歴も深く、規模も大きい(つまり総コストが低い)企業がすでにあるのです。

そのため、よっぽど覚悟が無い限り既存の企業と素直に取引をする方が有利です。

あなたの会社は確かに今の分野のプロフェッショナルかもしれませんが、進出先の分野にもあなたの会社のようなプロフェッショナルが存在しているのです。

■違うビジネスをやるのはすごく大変

と、身も蓋もない実務的な観点になりますが、今のビジネスと異なる分野のビジネスをやるのはすごく大変なことなのです。

特に中小企業の最強の経営資源は経営者自身であるケースが多いのですが、社長であるあなたは1人しかいなく、あなたの時間は1日24時間しかないという事実は経営戦略を考える際に考慮するほうがいいと考えます。


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