まんがで気軽に経済用語

「知らないから動けない」をなくしたい。 中小企業診断士が、現場視点で経営用語をまんがでわかりやすく解説しています。 読むことで、生産性が上がり、心に余裕が生まれ、社会全体がちょっと良くなる。そんな循環を目指しています。

2012年01月

生産管理
2012年1月31日

見込生産 | 見込み生産の特徴と在庫をたくさん抱える事の問題点

見込生産_001
見込生産とは、生産者が市場の需要を見越して企画・設計をした製品を生産し、不特定の顧客に対して製品を出荷する形態です。

受注生産(BTOともいう)とは異なり、あらかじめ自分の決めた仕様で製品を生産して市場に投入するため製品在庫を持つ必要があります。

■受注生産との比較で見込み生産を明らかにしてみます

見込生産は、あらかじめ市場の需要を見越して生産を行うという事から、受注生産と比較して次のような特徴があると言われています。

1.あらかじめ決まった工程で製造を行う。。
作るものは決まっているため、あらかじめ定まった工程になります。

2.生産設備は専用設備を主に用いる。
作るものが決まっているため、その生産に特化した専用的な設備を用いたほうが効率がよくなります。

3.製品在庫量が多くなる。
販売側の予測に基づいて製造を行っているため、ある程度の製品在庫を持つ必要があります。

4.少品種多量生産となる。
販売側の需要予測に基づい生産を行うため、生産する品種は少なくなり、品種ひとつあたりの生産量は多くなります。

■需要の予測がとても大切です

勘のいい皆様はお気づきになられたと思いますがこの見込生産は、需要量の予測が非常に重要です。

受注量を明確になってから生産量を決めるといった事ができないため、ある程度「これぐらいは売れるはずだろう」で製造する必要があるのです。

そのため、需要量の予測を誤ってしまうと、製品在庫を大量に抱えることとなってしまい大変なことになります。

製品在庫を大量に抱えてしまっても、最終的に売れればいいだろうと思う人も多いと思いますが、在庫を抱えていること自体が大きな無駄を生みますので、できるだけ避ける必要があります。(在庫金利とか在庫費用がかかります)

また、売れなければ製品在庫はそのままデッドストックとなってしまいます。どんなに優れた製品を作り出しても、売れなければ価値が生じません。


hiyoko
そうなんだー。それはいいことを考えたねー。これなら岐阜の実家も安泰だねー。何にでも使える中間在庫をたくさん抱えておいて、需要予測に応じて製造する製品を分けるなんてねー

onnanoko_bustup
また実家にお電話?

hiyoko
ええ、製造系のお話の時は実家に電話するようにしているんです。需要予測の精度が最近高くなってきているのと、汎用性の高い中間在庫の組み合わせで最近業績がいいんですよ。

onnanoko_bustup
そうなんだ、製造系のお話の時は君は役立つねー。でも、見込み生産の工場だと、工夫をするにしても在庫が増えるから大変ね。

neko_akire
メタ発言はやめようよ…



このまんがではオリジナル商品を企画して発注を行っています。問題は発注した数量で、ちょっと発注しすぎてしまったようです。

結局売り切ることに成功したようですが、見込生産の場合、需要の予測が大切なのです。 

解説で出てきた用語・関連用語
少品種多量生産
受注生産
2012年1月30日

URL変更のお知らせ

このたび「まんがで気軽に経営用語」ではドメインを取得しました。
新URLは以下のようになっております。

https://keieimanga.net/ 

ライブドアさんのサービスで旧URLにアクセスしても自動的に新URLに転送してくれるのですが、ブックマーク等は新アドレスで行ってくださるとうれしいです。

ますます頑張って記事を書いていきますので今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。

生産管理
2012年1月29日

受注生産

受注生産_001
受注生産とは、顧客の注文を受けて顧客の定めた仕様で生産を行う生産形態です。見込生産とは異なり注文のつど、設計・生産を行うため製品在庫は基本的には持ちません。

いわゆるBTO(Build To Order)が、注文を受けた後に製品の製造を行うといった生産方式となります。

受注生産は、受注を受けてから生産を行うという事から、見込生産と比較して次のような特徴があると言われています。

1.製品毎に異なる工程となる。
毎回作るものが異なるわけですので、製品毎に異なった工程になります。

2.生産設備は汎用設備を用いる。
作るものが決まっていればそのものの生産に特化した専用的な設備の方が効率は良くなるのですが、作るものが決まっていないため、なんでもこなせる汎用的な設備を用います。

3.製品在庫量が少なくなる。
顧客の要望で作っているため、過剰に作る危険性や余分に在庫を持つ必要が無くなります。

4.多品種少量生産となる。
顧客の要望で生産を行うため、生産する品種は多くなりますし、品種ひとつあたりの生産量は少なくなります。

このまんがではグランプリはメニュー化されるという条件で新メニューを募集しました。そのメニュー化をどうする化を心配する生徒に、知り合いの食品工場に作ってもらうと言っています。

食品工場は受注生産で引き受けてくれるようですので、メニュー化して製造するには問題ないようです。 
生産管理
2012年1月28日

ダブルビン方式(複棚法)

ダブルビン方式_001
ダブルビン方式(複棚法)とはその名の通り、二つの入れ物(棚とか容器)を用意し、そのうち一方の入れ物から使い始め、片方の入れ物が空になったら補充するとい在庫管理方法です。
 
定量発注方式の簡易版といった考え方です。簡易発注方式という考え方になります。

下の図のように無くなったら発注し交互に使うイメージになります。
2ビン
このダブルビン方式(複棚法)が適している物品は、ABC分析の結果重要でないとされたCランクの物品や、単価が安いものであると言われています。

このダブルビン方式(複棚法)は一目で在庫の量が分かるので、在庫台帳を整備しなくても運用できます。その結果作業量を減らすことができます。

但し、物品の量はどうしても多くなります。そして多くなった物品を置いておく場所を確保しなければならないといった欠点もあります。

重要でない物品に手間暇をかけていてはコストばかりかかってしまうため、このようなダブルビン方式(複棚法)を採るのです。

このまんがでは、最初は割りばしの数量を管理しようとしています。しかし、あまり重要でない物品である割りばしの管理に手間暇をかけていたらほかにやることができなくなってしまいます。

そのため、最終的にはダブルビン方式(複棚法)を採用する事にしたようです。

在庫管理はメリハリが大切ですね。  
生産管理
2012年1月26日

定期発注方式

定期発注方式_001
定期発注方式とは、あらかじめ定めた一定の期間ごとに発注を行う方式の事です。この場合、定量発注方式とは異なり、発注のつど発注量を決めて発注を行います。

この定期発注方式が適している物品は、ABC分析の結果重要であるとされたAランクの物品や、需要の変動が大きいもの、高価なものであると言われています。

この定期発注方式は作業量は増えますが、発注の精度は向上します。それは人が発注のつど需要量の予測を行い発注量を算定して発注するためです。

重要な物品は手間暇をかけても割に合います。そのため、定期発注方式が採用されるのです。

このまんがでは先生が重点的に管理すべき商品を決めたようです。それを受けて、需要の予測が大切だと言っています。 

■定期発注方式と定量発注方式の違い

さて、上のほうで定量発注方式の話もしましたので、その違いを少し見ていきます。

まず定期発注方式は「毎週〇曜日に発注する」とか「毎月10日に発注する」といった風に決まったタイミングに「定期的」に発注する方式です。

この定期的な発注は、発注するタイミングは決めていますが、「いくつ発注するか?」を決めていないのがポイントです。このいくつ発注するかが発注担当者の腕の見せ所になります。

欠品をすることによって生じる機会ロスを発生させず、かといって過剰在庫にならないようにするのですから、需要予測が大変ですよね。

この逆に定量発注方式は在庫が〇個になったら発注するという考え方になります。こちらは発注する点の設定(発注点在庫の設定)がポイントとなります。

これはどちらも、必要最小限の在庫水準を目指し、在庫を切らさないことと、過剰在庫を避けることを両立することを目指いしてます。

ただし、定期発注方式のほうが、発注時点で最新の販売データや需要調査の結果を参照しながら行うことができるのでより高い精度で発注できるといわれています。

そのため、より重要な商品にたいして行う発注方式であるということができるのです。
生産管理
2012年1月25日

定量発注方式

定量発注方式_001
定量発注方式とは、在庫量があらかじめ定められた水準(発注点在庫)を下回った段階で、定められた一定の量を発注する方式です。

この定量発注方式が適している物品は、ABC分析の結果比較的重要でないとされたBランクの物品や、需要の変動が少ないものであると言われています。

在庫量に着目して発注をかけるため、発注時期は不定期となります。しかし、発注量はあらかじめ定めておいた一定の量を発注しますので、運用が簡単となります。

情報システムを用いて在庫管理を行えば自動発注を行うことも可能となります。そして、この時の発注量には一般的にEOQ(Economic Order Quantity)を用います。

このように、あまり重要でない物品に際限なく手間暇をかけていてはコストばかりかかってしまうため、このような定量発注方式を採る事があります。

このまんがでは発注処理が大変でめんどくさいといっており、自動発注をしたいと言っています。自動発注の方式として定量発注方式を考えているようです。

■定量発注方式の利点

マンガでも触れていますが、自動発注であれば、

面倒ではない=発注工数の削減

といった利点があります。この面倒ではないというのはバカにできなくて、

人的な発注ミス(発注数量を一桁間違う等)や発注忘れによる欠品による売れないロス(機会ロス)の削減にも繋がります。

■定量発注方式の問題点

と、良さそうな定量発注方式ですが、あくまで『自動』ですから需要の急激な変化には対応が難しいです。

例えば、急にメディアに取り上げられるなどで特定の商品の売上が急増した場合、欠品するリスクがあります。

また逆に、急に需要が減少した場合は、不良在庫が積み上がってしまうといった問題もあります。

■具体的には何に使っているの?

この定量発注方式は、管理にかかる工数を削減できるため、あまり重要ではないが欠品させるわけには行かないような商品の管理に特に向いています。

例えば、コンビニなどで売っている家庭用品(ラップとかゴミ袋)などが挙げられます。

多分そんなに売れるものでないので、手間暇をかけて管理するようなものではありませんが、欠品していると機会ロスが発生するだけでなく、品揃えが良くないお店といった望ましくない印象を与えるような商品です。



このように、定量発注方式はうまく使えばとても便利な方法ですが、「自動=万能」ではありません。

みなさんの職場で扱っている商品には、定量発注が向いているものと、そうでないものがあるかもしれませんね。

ぜひ、在庫管理のヒントにしてみてください。

■定量発注方式と定期発注方式との違い

定量発注方式は在庫が減ったら発注するという、在庫量をトリガーにする考え方です。

この場合は、あらかじめ手決めている在庫水準を下回ったら自動的に発注がかかるため、在庫切れの心配も少なくなりますし、過剰在庫になる危険性も少なくできます。

ただし、その反面自動的に発注するので在庫切れを防ぐための安全在庫の水準を定める必要があり、その部分は必然的に過剰になります。

これに対して、定期発注方式はあらかじめ決めた日にちや曜日がきたら発注するという日付けをトリガーにする考え方になります。

例えば、毎週金曜に発注する場合は、在庫水準と今後の需要見通しを鑑みつつ発注数量を決めることとなります。

この場合はベテランの意思決定を挟みますので職人芸みたいな精緻な発注が可能だったりします。

ただし、これらの方策はどちらが優れていると言ったものではなく、組み合わせて実施することが望ましいでしょう。あくまで目的は在庫管理の手間を削減しつつ、必要十分な水準の在庫を持つことにあるわけですから。

■自動発注システムと定量発注方式

近年では定量発注方式の考え方をベースとしてた自動発注システムが普及しています。POSデータなどでいくつ売れたかがわかるわけですから、理論在庫はリアルタイムで把握することができます。

とすると、定量発注の考え方だけ設定しておけば、自動発注できるというわけです。

ただし、需要予測の精度によっては発注点の設定があまり良くなく、過剰在庫を抱えてしまったり欠品するリスクもあります。

そのため、人の目でみて最終的な判断をすると言った仕組みを一部残す運用が取られたりします。

なお、理論在庫はあくまで理論在庫で、棚卸減耗(謎の力が働いて在庫数が減っているケース)もあるため、定期的な棚卸しは欠かせません。
店舗管理
2012年1月22日

EOQ(Economic Order Quantity)

EOQ_001
EOQとは経済的発注量(Economic Order Quantity)の略称で、発注作業にかかる経費(発注にかかる事務費や輸送費などです)と在庫の維持管理にかかる費用(在庫費用:倉庫代や、金利、保険料などです)の合計が最小となる点のことを言います。

例えば、在庫を沢山持てば発注の回数は少なくて済みます。その結果、発注業務でかかる費用は小さくなります。しかし逆に、在庫を持つことによってかかる費用は大きくなります。

それでは、逆に在庫量を減らして発注回数を増やしたらどうなるでしょうか?そうすると在庫を持つことによってかかる費用は減りますが、発注費用は多くかかるようになります。

この二つの費用の関係を図にしたものが下の図です。数学的なお話は止めておきますが、この二つの費用線が交わった点が費用が最小になる点です。
EOQグラフ
そして、この点をEOQ:経済的発注量と言います。そしてこの経済的発注量は以下の式で求めることができます。
EOQ式
それでは実際の例を考えてみたいと思います。

例えば、年間6,250個必要、発注費用=40円、単価20円、在庫維持費用比率0.1(在庫1個あたりの保管料=2円)とすると次のようになります。
EOQ計算例2
①で上の公式にそれぞれの値を代入して、計算をしてみます。④で計算結果がでます。今回の例では500個がEOQ:経済的発注量となります。つまり、上記前提の下では500個ずつ発注するのが一番総費用が小さくなるという事です。

このまんがでは2コマ目3コマ目で一番かかっている費用は在庫関係の費用であるか、発注関係の費用であるかを議論しています。

このまま議論しても、らちがあかないと思った先生が4コマ目で計算してみようと言っています。 というかこの先生数学の先生だったんですね。
店舗管理
2012年1月21日

発注点在庫

発注点在庫_001
発注点在庫とは、持っている在庫がその水準を下回ったときに発注を行うと定めた点です。この水準を決めておけば発注業務を機械的に行うことができます。

■発注点在庫の設定方法

それではどのようにしてこの発注点在庫を設定するとよいのでしょうか?

通常は発注したからと言ってすぐに納品されるわけではなくある程度の時間がかかります。そのため、発注点在庫は調達期間中の使用量も考えて設定します。

例えば一日当たり10個売れるであろう商品で発注から納品されるまで5日間かかる場合、少なくとも在庫が50個以上ある段階で発注をかけなければなりません。

また、品切れを防ぐために需要の変動に備えた安全在庫を考慮する必要もあります。

これらの事をふまえ、発注点在庫は次の計算式で計算することができます。

■発注点在庫の具体的計算式

発注点在庫=平均在庫使用量×在庫調達期間(リードタイム)+安全在庫

■発注点在庫についてのまんがの解説

さて、このまんがでは品切れを防ぐための方法を考えています。

2コマ目のとにかくたくさん仕入れて品切れを発生させないという解決策は確かにその通りですが、在庫を沢山持ちすぎると倉庫代がかかったり、陳腐化するリスクなどを抱えてしまいます。

3コマ目で大変だったと言っているように、大量に在庫を抱えた場合は、在庫を処分するために苦労したのでしょう。

今回のテーマである発注点を決めてはどうかと最終コマで言っています。仕組み化しておくと、都度判断する必要がなくなるので、本当に大切な仕事に集中することもできますし、良いやり方ですね。

■発注点在庫の注意点と導入のメリット

発注点在庫方式は、このように在庫切れを防ぐだけでなく、発注のタイミングを明確にすることで発注業務の属人化も防げます。

言い換えれば、誰が見ても「いつ発注すべきか」が分かるようになるため、業務の標準化が進みます。

ただし、発注点を正確に設定するためには、過去の販売データや仕入れ先の納期のばらつきを把握しておく必要があります。

たとえば季節によって需要が大きく変動する商品では、過去の平均使用量だけでなく、ピーク時の販売実績を考慮して安全在庫を上乗せする必要があるでしょう。

これは、かき氷シロップが年間平均すると1つしか売れていないとすると判断を誤るという意味になります。この種の季節商品は年間平均に意味はなく、シーズン内での平均をちゃんと考えないと全然的はずれな発注点の設定になってしまいます。

また、調達先が海外などの場合はリードタイムが長く、発注点を誤ると致命的な品切れを引き起こす可能性があります。また、2025年現在では米国との関税交渉が進むなど取引環境の大きな変革も発生しています。

そのため、発注点在庫は「仕組みとしての管理」として導入した後、定期的に見直すことが大切ですね。

このように、在庫管理を効率化し、業務を仕組みで動かすうえで、発注点在庫は中小企業にも非常に有効な手法です。
店舗管理
2012年1月19日

安全在庫

安全在庫_001
安全在庫SS(Safety Stock)とは、品切れを防ぐために必要となる在庫の事です。

平均的に毎日売れる量はある程度見積もることができる思いますが、ある日突然すごくたくさん売れる可能性も常にあります。発注しても納品されるまである程度の時間がかかりますので(購買リードタイム)その分を考えて余裕を持った在庫水準を決めていく必要があります。

例えば、ある日大口の注文が入り、あるだけの在庫をお客様が買って行ってしまった場合、その商品が納品されるまでの間、欠品を起こしてサービスの水準が低下してしまいます。更にこのような場合、機会ロスが発生しているという事もできます。

ある商品がほしくてお店に行ったときに、お店に売っていなかったらがっかりしてしまいますよね。その様なサービス水準の低下を防ぐために持つ在庫を安全在庫と言います。

安全在庫は次の計算式で求めることができます。

安全在庫

ただし、欠品ゼロを目指すためには非常に大きな在庫量を持たなければならなくなり、在庫コストがかかるため、ある程度の欠品の発生は許容していきます。

そしてどの程度の欠品を許容するかによって上の安全係数を決めていきます。ちなみに、10%の欠品を許容する場合の安全係数は1.28、5%の場合1.65、3%の場合1.88、1%の場合2.33となります。

このまんがでは、2コマ目で突発的に大量に売れてしまい欠品を起こしてしまっているようです。そのため1コマ目で来た生徒に対して販売することができませんでした。

欠品を防ぐために3コマ目で在庫を沢山仕入れればいいと考えて、大量に仕入れました。このように沢山の在庫を持てば欠品は防げますが、あまりたくさん仕入れすぎると余計にコストがかかってしまいます。
財務・会計
2012年1月17日

ROE(Return On Equity)

ROE_001
ROE(Retuen On Equity)(株主資本利益率もしくは自己資本利益率)とは、企業が投下した株主資本に対してどれだけ効率的に利益を上げたかを示す指標です。

このROEは【ROE=当期純利益÷自己資本×100%】という計算式でもとめます。この式は、その事業の自己資本(株主資本)で利益を除すという構造になっているため、企業の大きさが異なっていても比較することが可能です。そして、このROEが高いほど効率的な経営を行っているということができます。

たとえば、500円の自己資本で100円の利益を得たA社と1000円の自己資本で150円の利益を得たB社があったとします。

この時A社のROEは100円÷500円×100%=20%、B社のROEは150円÷1,000円×100%=15%となります。自己資本の規模が違う2社ですがROEという比率を考えることによって、A社の方がより効率的な経営を行っていると判断することができます。

また、ROEは当期純利益を自己資本で除すという形式であって、総資本については考えていません。実際に負債を利用してROEを高めるという手法があり、ROEを比較する際にはそこに調査する必要があります。

BS2

この図のように、負債で資金を調達して商売をやればより多くの利益を上げることができると思いませんか?例えば貸借対照表Aの会社が10の利益を、貸借対照表Bの会社が50の利益を上げた場合、純資産は同額なのでROEは5倍になります。(自己資本比率が悪くなるのでやりすぎてはいけませんが…)
 
このまんがでは、経営クラブの先生は学食にライバル意識を持っています。そのためROEを学食より高めたいと思っているようです。

4コマ目で同僚の先生が借金取りに来ているように、どうやら負債を利用してROEを高めていたようですが、やりすぎてしまったみたいですね。

組織論
2012年1月15日

ネットワーク組織 | 上下関係ではない緩やかなつながりです

ネットワーク組織_001
ネットワーク組織とはライン組織のように階層型の組織ではなく、独立した構成要素同士が強みを持ちより、同一階層で双方向につながっている組織のことです。

各構成要素(構成員)の結びつきはかなり緩やかであり、参加や退出は原則として自由で、各構成員の自主性が重視されます。また原則的に上下関係はネットワークの中にはありません。あくまで各自ができることを持ち寄るといったイメージとなります。

この事を指して非階層的な組織であるといわれることもあります。このように、非階層的で参加や退出が自由であるという形なので必ずしも従来の伝統的な組織とは一致しません。

しかし、情報の共有が行われ取引関係も継続的に結ばれており一定の規範に基づいた関係のもとに連結されているため組織として考えられます。

ネットワーク
この図のように、上下関係は存在せず、緩やかにつながっているイメージです。

■ネットワーク組織の例

ネットワーク組織で新しいサービスを作ることを考えます。この場合誰かが、「こんな新しいサービスを作りたい」と旗を掲げます。

とするとその理念に賛同した人たちが集まってきて、それぞれの持つ強みを持ち寄って新しいサービスを開発するといったイメージです。

この時集まってきた人の中に上下関係は生まれません。しかし相互に依頼をし引き受けるといった形で、依頼主と受託者といった関係性は生まれてきます。

このように従来型の組織と違い指揮命令系統が存在しないため、指揮命令系統に依存した理不尽な命令等を行うことはできません。

onnanoko_bustup
商店街でイベントやることになったよ。

neko
広告とかチラシとか八百屋さんが作るみたいで、大きなのぼり旗については紙問屋が作るみたいだね。

hiyoko
うちは何をするのかしら。

onnanoko_bustup
うちは企画が得意だから企画をやろうかなと思ってるよ。



■ネットワーク組織の利点

ネットワーク組織を構築する狙いは、強みを持ち寄ることによって自分単独では生み出せない強みを築くことを狙いとしています。

同じ人と付き合っていれば同じような結果が安定的に得られますが、異質な人付き合うことによっていわゆるイノベーションが発生する可能性が増大します。

またネットワーク型組織の構成員が新しい能力の獲得につながる動きをする機会が増えるといった強みもあります。繋がりが多種多様になりますので従来の組織では考えられなかったようなところから学びを得る機会があるのです。

■ネットワーク組織の弱点

このネットワーク組織は上記のような利点もありますが、各構成員が垂直的な関係ではないめ、外部のパートナーとの関係性の維持に気を使わなければならないといった側面もあります。

せっかく構築した仕組みから自分が排除されたら困りますよね。ただし、自分がネットワークに対してなんら貢献していないとそのようなことになる可能性もあります。

また通常の組織のように指揮命令系統がありませんので、何か物事を非常に素早く処理をしなければならないと言った事は苦手とします。

また誰かが多大な貢献を強いられ短期的に犠牲にならなければならないような仕事の進め方も苦手としています。(それに報いるインセンティブを用意するとかが必要となります。)

このまんがでは、みんなが知恵を持ち寄って学食をよりよくしようとしています。たぶん、せっかくなら美味しくて安いものが食べたいと考え、自主的にアイディアを持ち寄っているのです。

しかし、ネットワーク組織は自主的な参加を前提とした緩やかな結びつきでしかないため、強制できないという弱点があります。最終コマでは 3年生がアイディアをくれなくなったと嘆いていますが、これは自主的に参加してもらっているため、アイディアを出すように強制ができないために生じたことと考えられます。


組織論
2012年1月14日

統制範囲の原則

統制範囲_001
統制範囲の原則は一人の管理者が管理できる人数には限界があるという組織管理上の原則です。

例えば、部下が5人から10人の間ならうまく管理できた上長がいるとします。しかしこの人が100人の部下を一人で管理しなければならなくなった場合、うまく管理できるでしょうか?

管理されるする人々がどのような作業を行うかにもよりますが、少なくとも効率的・効果的に管理することはできなくなると思われます。

100人もの部下を持っている上長では、日常業務の管理も困難となりますし、人事考課や人材育成のためのフィードバックのために時間をとることも難しくなってきます。

あなたが100人の部下を持っているとして、きめ細かい管理ができると思いますか?できると答えた方は1,000人の部下を持っていたらと考えてみてください。このように、どう考えても管理できる人間の数には限界があります。

このまんがでは3人の後輩をうまく指導できているメガネ君に、3コマ目でもっと多くの人数を指導してほしいと頼んでいます。

それをうけて指導に臨んだのでしょうが、4コマ目では管理できる人数の限界を超えてしまったようで全く手におえなくなってしまっています。 

このように 一人の管理者が管理できる人数には限界があるというのが統制範囲の原則です。
組織論
2012年1月11日

エンパワーメント

エンパワーメント_001
エンパワーメントとはある組織を構成している人に対してその能力を自主的に発揮するための力を与えたり支援を行ったりすることです。具体的には、裁量の幅を広げることにより、顧客の要望などに迅速に対応できるようにすることが考えられます。

現場の従業員の裁量の幅を拡大する事により、自主的な判断で行動することができれば現場の責任感とモチベーションが高まると考えられます。

言われたことをただただ毎日やっているよりも、いろいろな仕事を任され、自分でやることを決めて仕事ができればやる気が出てきますよね。

さらに、顧客の要望を現場が柔軟に迅速に対応することができれば顧客の満足を高められると考えられます。

あなたが困っている事をお店の人に相談した時に、「それは弊社のサービス外です。」と冷たくあしらわれる場合と、「何とか対応してみましょう。」と誠意のある対応をしてもらった場合を考えてみてください。誠意ある対応を行ってもらった場合の方がそのお店を好きになると思いませんか。

このまんがでは、1コマ目で先輩に今日の練習は任せると言われています。それを受けて男子生徒がすごく張り切っています。

このように現場に仕事を任せることによって現場のやる気を引き出すことが可能となります。

■エンパワーメントは任せるだけではダメ

エンパワーメントは権限を移譲するという言葉ですが、単に任せるだけでは機能しない点に注意が必要です。

例えば十分な権限を移譲し(そして責任も併せて権限責任一致の原則的に正当なエンパワーメントを行ったとします)

しかし組織の処遇に関する制度設計が極端な減点法であるとか(成功が称賛されないなら挑戦するのはリスクだけを増やす行為)、組織文化が失敗を極端に嫌がるものだった場合は、権限を移譲したところで、そんなものは「ありがた迷惑」の重荷にしかなりません。

イメージしていただきたいのですが、あなたがアルバイトでスーパーで働いているとして、現場のトラブルを解決する権限(多少の対応を自分で決める権限)が与えられたとします。

しかし、クレーム処理をうまく収めても全然褒められないけど、クレーム処理がうまくいかなかったら「対応する権限があるのになんで出来ないんだ」などと責められたり、もらえるはずだった特別手当が減ったりしたらどうでしょうか?

だったら、そんな権限なんか無い方がマシですよね?

このように、エンパワーメントを考えるときは、上長が失敗してもそれを責め立てずに学びに変えるような組織文化づくりや支援者として意思決定者に寄り添うような姿勢づくりが必要です。(心理的安全性が必要と言い換えられるかも知れません。)

このように、エンパワーメントは、自由にやっていいよと権限を渡すのではなく、権限を渡すための組織全体の設計から行うのが重要なのです。
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