まんがで気軽に経済用語

「知らないから動けない」をなくしたい。 中小企業診断士が、現場視点で経営用語をまんがでわかりやすく解説しています。 読むことで、生産性が上がり、心に余裕が生まれ、社会全体がちょっと良くなる。そんな循環を目指しています。

2011年10月

経営
2011年10月27日

イノベーションのジレンマ

イノベーションのジレンマ_001
イノベーションのジレンマとはクレイトン・クリステンセン
Clayton Christensen)が、市場のリーダーとして君臨していた企業が新しい技術を生み出した新興企業の前にあっけなくリーダーとしての地位を明け渡してしまう理由を説明した理論です。

既存の市場のリーダーは新興企業と比較して圧倒的な資源の量を持っています。そしてその資源を既存顧客の満足を高めるための技術改良に使っています。(持続的イノベーション)そのため、既存の技術の優位性を失わせるような革新的な技術が誕生しない限り市場リーダーの地位は安泰です。

しかし、既存の技術を陳腐化させる可能性がある革新的な新技術(破壊的イノベーション)が発生した場合に、市場リーダーの最重要な顧客グループが新技術の優位性を認めない・新技術を導入しても経済的に収益性が乏しいといった場合、市場のリーダーは新技術の導入をしないケースがあります。

この判断は顧客の声を聴いていますし、新技術の収益性も考慮していますので合理的な判断であると言えます。

しかし現実にはこの合理的な判断をしていた企業がその判断ゆえに新興企業に駆逐されてしまうといった現象が生じており、それがジレンマであるという事からイノベーションのジレンマと言われています。

また、理解を深めるため技術には技術革新の非連続性という特徴があり、既存の技術の延長線上に画期的な技術はないということも合わせて押さえておいてください。

また、このまんがではイノベーションのジレンマの事例としてチェンバロ職人の例を挙げています。(このチェンバロという楽器については技術革新の非連続性をご覧ください。)この職人さんは、改良にも力を注ぎ、現に顧客にも喜んでもらっていたと言っています。

しかし、現実にはチェンバロはピアノに取って代わられてしました。イノベーションのジレンマとは、このように、既存の技術の改良に全力を尽くしていたとしても、新技術への対応を誤ればたちまち市場での地位を失ってしまうことを示した理論です。
経営
2011年10月25日

技術革新の非連続性

技術革新の非連続性_001
技術革新の非連続性とは技術革新は非連続的に起こるということです(そのままですが)。技術の進歩自体はS字カーブを描きます。しかし、新しい技術は既存のS字カーブ上にはないのです。

これはどういう事かをいくつかの例を挙げてみます。

例えば船というものを考えてみます。船は筏や丸木舟のような形をとっていました。これは人のこぐ櫂(オール)を動力としておりました。次に風を利用するというイノベーションが生じ帆船が生まれました。その後、蒸気機関で動く蒸気船などと進歩していきました。

この例の技術革新は非連続的であることに注意してください。つまり人がこぐ櫂をどれだけ効率化しても、風を利用するという帆船にはつながらず、また風で動く帆船をどれだけ技術開発しても蒸気船という技術にはつながらないということです。

下の図をご覧ください。以下の図で旧技術を帆船とし、新技術は蒸気船とします。この図は旧技術である帆船にどれだけ資源を投入しても新技術である蒸気船にはたどり着けないことを示しています。 

複数S字カーブ
また、このまんがではピアノとチェンバロについて取り上げています。「まんがで学ぶ楽器の歴史」ではないため詳しくは書きませんが、チェンバロは16世紀にイタリアで作られた楽器です。

ピアノとの違いはピアノはハンマーで弦を叩く楽器でありますが、チェンバロ(ハープシコード)は弦をツメではじいて音を出します。

チェンバロ(ハープシコード)は構造上音の強弱が出しにくくこれを改良し、音の強弱をつけらるようにハンマーで弦をたたくようにした楽器がピアノです。このピアノは強い音(フォルテ)も弱い音(ピアノ)も出せるということでフォルテピアノと呼ばれていました。

そして、このチェンバロとピアノのように技術革新は非連続的であるという事です。
経営
2011年10月23日

撤退障壁

撤退障壁_001
撤退障壁とは参入障壁とは逆に企業がある事業から撤退したいと考えたとき、その事業から撤退する際に生ずる問題点の事です。

これは次のようなものがあげられます。

1.従業員
その事業に携わる従業員の処遇が難しくなり、また、雇用の確保、その事業に携わっていた従業員の労働意欲の低下といった問題があります。

2.取引先・地域社会
取引先や撤退される地域社会の反対や、反対を押し切って撤退した場合の信用が傷つくといった問題があります。

3.経営者の自尊心
経営者の感情的な撤退に対する抵抗や、自分の肝いりで開始した事業からの撤退の場合、自尊心の低下を嫌がるといった問題があります。

4.投資の回収
その事業のために投資した資金の回収やその資産の処分の可能性を考えなければならないといった問題があります。すでに投資したものはサンクコストとなるため、考えても仕方ないケースがあるのですが。

そして、撤退障壁が高い事業領域では、非採算事業であっても既存の企業が撤退しないため、一般的に競争は激しくなりがちです。

このまんがではどうやら既存の事業の収益性がよくないためその事業から撤退したいようです。しかし、2コマ目のように、そこで働いてくれている人の士気が気になったり、3コマ目のようにその事業がある地域に受け入れられている場合にも反対が予想されます。

それらの事があるため、決断が難しいようです。

■撤退障壁をどう考えるか

辞め時、やめ方を考えることもとても重要です。というか、トップマネジメントの最重要な意思決定となります。

もちろんやめ方にも、信用を失わないやめ方が重要です。例えば、部活を辞めるときに、急に来なくなると信用されなくなっちゃいますよね?同じやめ方でも、顧問の先生や部活の仲間たちにしっかりと話して正式にやめたほうがその後の信用が保たれやすくなります。

会社においても同様で、段階的に縮小したり、事業譲渡して(事業自体は自社ではやらないけど続ける)など複数の選択肢があります。

いきなり撤退するのはあまりに無責任ですし、そこで働いている従業員さんや取引先、お客様への影響がとても大きくなるため、従業員の配置転換、お客様へ代替供給先の案内、取引先への連絡などいわゆるソフトランディングを意識したプロセスが重要になります。

また、投資回収の観点からはいわゆる新規投資を行わない収穫戦略を取ったりすることも重要となります。

いずれにしても撤退障壁が高いほどしっかりと撤退戦略を立てて対応することが重要になってきます。

関連用語
移動障壁
マーケティング
2011年10月22日

真空地帯理論

真空地帯理論_001
真空地帯理論とは小売業展開に関する仮説の一つで、市場の変化や小売業の発展に伴って市場に隙間ができ(真空地帯ができ)そこに新たな小売業が参入してくるという理論です。

これは次の仮定を置いたうえでご説明します。

ある市場で最も支持を集める価格帯、サービスの水準があるとします。さらに、小売業はお客様の求めるものを提供したがると仮定します。

その仮定を置いたうえで、この真空地帯理論を時系列に沿って以下ご説明します。

1.ある市場に低サービス、低価格の「田中屋」、中サービス、中価格の店舗「岡崎商店」、高サービス、高価格の店舗「斉藤商会」が存在していたとします。

2.中サービス、中価格の店舗「岡崎商店」が支持を集めているため、
低サービス、低価格の「田中屋」、高サービス、高価格の店舗「斉藤商会」も「岡崎商店」のようなサービス水準、価格水準を志向します

3.すると、市場に低サービス、低価格、高サービス、高価格の店舗が存在しなくなり、市場の真空地帯になります。そこに革新的小売業が参入してきます。

このまんがでは、2コマ目で流行ったカフェを意識して既存のカフェは似てきてしまうと言っています。この状況が2.でご説明した似てきてしまうという状況です。

そして3コマ目でトンガッたカフェができたと言っています。これは市場の隙間ができ、そこに革新的なお店が参入してきた事を表しています。

なお田中屋、岡崎商店、斉藤商会というネーミングには特に意味はないです。念のため。
マーケティング
2011年10月19日

小売の輪

小売の輪_001
小売の輪理論とは小売業展開に関する仮説の一つで、まるで輪のようにらせん状に小売業界のビジネスモデルが発展していくという理論です。

この理論を時系列に沿って以下ご説明します。

1.革新的小売業の登場
革新的な小売業が何らかのイノベーションによってローコストオペレーションを実現します。その結果非常に強い価格競争力を持つことができます。そしてその価格競争力で既存の小売業の顧客を奪い、成長を実現し、市場での地位を確立します。

2.追随者の登場
やがて、同様のイノベーションを実現した(仕組を模倣したと言い換えてもいいですね)追随者が続々と市場に参入して、競争の激しさが増します。

3.高付加価値路線へ(アップスケール化
価格競争に限界を感じる、規模の拡大、組織の成熟による間接費の増大等によって低価格販売を放棄し、価格以外に付加価値を付けた高価格・高粗利の戦略に移行していきます。

4.新たな革新的小売業の登場
価格が上がってきた段階で、別のイノベーションを実現した新たな革新的小売業が低価格販売で顧客を奪っていきます。

このように、1から4までを繰り返しまるで輪を描くように小売業界のビジネスモデルが発展するといった理論です。

このまんがでは3コマ目で美味しいけど少し高いと言っています。また、4コマ目で味がよくなったとも言われています。2コマ目では安いと言われていたようですが3.高付加価値路線へ舵を切ったようですね。
マーケティング
2011年10月18日

ペネトレイティングプライス

ペネトレイティングプライス_001
ペネトレイティングプライス(市場浸透価格)とは新製品を市場に投入する際の価格設定の方法の一つで、製品の導入初期に意図的に低めの価格を設定しすることをいいます。新製品を市場に投入する際の価格設定の方法はこのペネトレイティングプライス(市場浸透価格)スキミングプライス上澄み吸収価格)があります。

このような価格政策は以下のような条件の場合に採られるといわれています。

1.製品の差別化しにくい
競合が参入しやすいため、導入当初に高い市場シェアを確保する、早めに市場に浸透して高いシェアを目指すといった効果を狙います。

2.価格弾力性が大きい
価格が変化した場合、需要は大きく変わります。すなわち、価格を安くした場合に、需要が大きく増加するため、安くしても販売量の増加の影響の方が大きく、売上高が増加する可能性があります。また費用面では
規模の経済の効果を期待して利益の増大を狙います。

3.
製品ライフサイクルが長いと見込まれる
製品の導入当初に高いシェアを確保し、経験曲線効果を期待し長期的に利益を得るという効果を狙います。

このまんがでは、新製品のカメラがとても安いと言っています。このカメラについて販売企業は、「製品の差別化は難しく、安くするとたくさん売れる。また、この製品は息の長い製品である。」といったような事を考え、このような安い価格設定を行っていると考えることができます。


実務面からの加筆:
実務的に安くして市場に浸透するという戦略(ペネトレイティングプライス)を中小企業、更に規模の大きくない小規模事業者が採用するのが合理的かという問題があります。

特に小規模事業者が新製品や新サービスにつける値段は安すぎる場合があります。その価格で売っても適正な利潤が得られないかもしれない価格をつけるのはあまり合理的ではないです。

■市場に浸透させるという言い訳

このペネトレイティングプライスは「安くして市場に浸透する」→「大きな市場シェアを獲得する」→「規模の経済や経験曲線効果でコスト削減が見込めるので結果として儲かる」といった論理構成になります。

しかし、多くの中小企業は経営資源の制約からこのような戦略をとることは難しいですし、もっと規模の小さな小規模事業者にとっては更に厳しい道となります。

そもそも、浸透させようと考えている市場規模がどの程度あるかの見積もりすら、行われていないケースもあるのです。

■小規模事業者はペネトレイティングプライス戦略を採用すべきか?

現実的には、新製品や新サービスはこのペネトレイティングプライスといったアプローチではなく、最初から適正な利潤を得られる価格をつけることをおすすめすることが多いです。

そうすると、「そんな高くしたら売れないよ」といった声も聞こえてきますが、それを売れるような付加価値を考えていくほうが楽しいですしうまくいくケースが多いです。

とにかく、中小企業、特に小規模事業者は大企業と競争したら絶対的に不利だという現実から始めたほうが良いと考えます。

ヤマザキパンや第一パンと同じ軸で勝負したら絶対に勝てないので、ちゃんと適正な利潤が取れる街の素敵なパン屋さんを目指すべきなのです。

(相手の戦略を知っておくことは有益ですので、ペネトレイティングプライスの考え方を知ることは重要です。しかし、勝算なく安売り競争に打って出ないこともまた重要です。)

関連用語
参入阻止価格

初出:2011/10/18
更新:2025/06/10

マーケティング
2011年10月17日

スキミングプライス

スキミングプライス_001
スキミングプライス(上澄み吸収価格)とは新製品を市場に投入する際の価格設定の方法の一つで、製品の導入初期に高めの価格を設定しすることをいいます。新製品を市場に投入する際の価格設定の方法はこのスキミングプライス(
上澄み吸収価格)とペネトレイティングプライス(市場浸透価格)があります。

このスキミングプライスを採る狙いとしては、早めに投下した資金の回収を図ること、ブランドイメージの確立等があります。

このような価格政策をとるためには以下のような条件が必要であるといわれています。

1.製品の差別化ができている
他社と同じものを高く売るということは困難です。

2.価格弾力性が小さい
価格が変化しても需要はそれほど変わらないということです。すなわち、価格を安くしても需要はそれほど増えませんが、価格を高くしても需要はそれほど減らないということです。

3.参入障壁が高い
容易に他社が参入できる市場で高価格を維持することは困難です。
 
また、このような価格帯を主に受容するのは、イノベーター理論でいうところのイノベーターといわれる人々となっています。

このまんがでは、メガネの先輩が高くてもそれだけの価値があると言っています。同様のカメラの2倍くらいの値段をつけたとしても、このメガネの先輩のように購入する層がいるため 
スキミングプライス(上澄み吸収価格)が可能となります。
マーケティング
2011年10月16日

ラガード

ラガード_001
ラガード(採用遅滞者)とはロジャース(Rogers)が採用者モデル理論(イノベーター理論)の中で新しいアイディアや製品・ライフスタイルの採用の早さで人々を分類したうちの一つです。一番最後に採用するといった非常に保守的、伝統を重視する採用行動を行います。

この採用者モデルは新しい物事を採用する速さの順で、イノベーター(Innovators)、アーリーアダプター(Early Adopters)、アーリーマジョリティ(Early Majority)、レイトマジョリティ(Late Majority)、ラガード(Laggards)の5つに人々を分類しています。

このラガードといわれる人々は、自らの所属する集団で最後に新しい
アイディアや製品・ライフスタイルを採用します(もはや新しいとは言えない気もしますが)。保守的で伝統を重視する人々ということができます。

このラガード
の割合は市場全体の16%程度言われています。あるものが流行りだしたとき、もはや流行ではなく、伝統になってから採用する人がラガードのイメージとなります。

また、製品ライフサイクルの衰退期にはラガードが主な購入者であるといわれています。

今回のまんがでは、登場する学生さん2人がラガードのイメージです。伝統的な格好が一番だと言っています。

■マーケティングにおけるラガードの特徴と対応

ラガード層は新しいものに飛びつかず、周りが購入してから使い始めるタイプです。

いつまでもガラケーを使い続けていた人をイメージしてもらえればラガードのイメージが掴めるかもしれません。

さて、こういった人達にはどうやって打っていけばいいでしょうか?売るのが難しそうだから売ることを諦めるというのも一つの戦略ですが、あえて狙って自社のお客様として捉えていくという作戦もありうるのです。

■保守性を訴求する

例えば、「昔からあるブランド」「長く使える安心設計」など伝統や信頼、実績と言った訴求を行う事がポイントになります。

そして、新しいものを好むかどうかの軸で捉えた「ラガード」であるかどうかと、良いものにはお金をちゃんと使うかどうかは独立した別個の軸になります。

そのため、「信頼と実績のある商品なのでちょっと高価になります」と言った売り方も十分に有効だったりするのです。

逆に言えば、市場が成熟期から衰退期に入る段階で、この保守的な層にしっかりと訴求していくことで安定した収益を上げられたりするのです。
マーケティング
2011年10月16日

レイトマジョリティ

レイトマジョリティ_001
レイトマジョリティ(後期多数採用者)とはロジャース(Rogers)が採用者モデル理論(イノベーター理論)の中で新しいアイディアや製品・ライフスタイルの採用の早さで人々を分類したうちの一つです。最後から2番目、過半数が採用した後に採用するといった保守的な採用行動を行います。

この採用者モデルは新しい物事を採用する速さの順で、イノベーター(Innovators)、アーリーアダプター(Early Adopters)、アーリーマジョリティ(Early Majority)、
レイトマジョリティ(Late Majority)、ラガード(Laggards)の5つに人々を分類しています。

このレイトマジョリティといわれる人々は、自らの所属する集団でその集団の平均よりも後に新しい
アイディアや製品・ライフスタイルを採用します。保守的で猜疑心を持った人々ということができます。

このレイト
マジョリティの割合は市場全体の34%程度言われています。あるものが流行りだしたとき、みんなが採用しているからと言って採用する人がレイトマジョリティーのイメージとなります。

また、製品ライフサイクルの成熟期にはレイトマジョリティとラガードの一部が主な購入者であるといわれています。

今回のまんがでは、2コマ目以降に出てくる学生さん3人がレイトマジョリティのイメージです。この3人はみんなが買ったから購入したと言っています。
マーケティング
2011年10月15日

アーリーマジョリティ

アーリーマジョリティ_001
アーリーマジョリティ(前期多数採用者)とはロジャース(Rogers)が採用者モデル理論(イノベーター理論)の中で新しいアイディアや製品・ライフスタイルの採用の早さで人々を分類したうちの一つです。

この採用者モデルは新しい物事を採用する速さの順で、イノベーター(Innovators)、アーリーアダプター(Early Adopters)、アーリーマジョリティ(Early Majority)、レイトマジョリティ(Late Majority)、ラガード(Laggards)の5つに人々を分類しています。

このアーリーマジョリティといわれる人々は、自らの所属する集団でその集団の平均よりも早く新しい
アイディアや製品・ライフスタイルを採用します。慎重さを持った人々ということができます。
この
アーリーマジョリティの割合は市場全体の34%程度言われています。あるものが流行りだしたとき、みんなよりは早く採用する人がアーリーマジョリティのイメージとなります。

また、製品ライフサイクルの成長期にはアーリーアダプターとアーリーマジョリティが主な購入者であるといわれています。

今回のまんがでは、1コマ目に出てくる学生さん2人がアーリーマジョリティのイメージです。アーリーマジョリティは市場全体の34%を占めているので2人登場しています。

この2人は比較的慎重なので、先輩が購入したところを見て購入したと1コマ目で言っています。
マーケティング
2011年10月15日

アーリーアダプター

アーリーアダプター_001
本記事では、ロジャースの採用者モデル理論における「アーリーアダプター」の位置づけを整理し、イノベーターとの違いや、普及理論・キャズム理論との関係を具体的に解説します。

<用語解説>
アーリーアダプター(前期少数採用者)とはロジャース(Rogers)が採用者モデル理論(イノベーター理論)の中で新しいアイディアや製品・ライフスタイルの採用の早さで人々を分類したうちの一つで、イノベーターの次に一番新しいものが好きな人々の事を指します。

この採用者モデルは新しい物事を採用する速さの順で、イノベーター(Innovators)、アーリーアダプター(Early Adopters)、アーリーマジョリティ(Early Majority)、レイトマジョリティ(Late Majority)、ラガード(Laggards)の5つに人々を分類しています。

■アーリーアダプターは新しいこと+有用性で判断します

このアーリーアダプターといわれる人々はアイディアや製品・ライフスタイルが単に「新しい」という理由だけではなく、「有用であるか・価値があるか」も含めて考慮し採用します。

ここが同じ新しいモノ好きであるイノベーターとの違いで、以下のように簡単にまとめてみました。

項目 イノベーター(Innovators) アーリーアダプター(Early Adopters)
市場構成比 2.5% 13.5%
特徴 革新性を追求し、技術的知識が豊富
新しいことに価値を見出す
新しいものに敏感で、価値を見極めて採用
リスクへの姿勢 高リスクもいとわず試す 一定のリスクは取るが、実用性も重視
社会的役割 技術的導入の先駆者 オピニオンリーダーとして影響力を持つ
採用動機 単に「新しいから」 「新しく、かつ価値があるから」
製品普及への影響 初期導入に貢献 コミュニティ内での広まりを加速させる

この
アーリーアダプターの割合は市場全体の13.5%程度言われています。あなたのそばにも新しい物事が好きでその人が使うとその人がいるコミュニティーで流行るような人がいますよね?その人がアーリーアダプターのイメージとなります。

この種の人々は市場全体に及ぼす影響はかなり大きいです。このアーリーアダプターは別名「オピニオンリーダー」とも呼ばれ、そのコミュニティー内で指導的な地位を保っています。

■アーリーアダプターは単なる新しもの好きと違い、影響力があります

このアーリーアダプターとイノベーターが導入した段階で、製品やサービスの普及率は16%となり、この値を超えると一気に市場に受け入れられるといわれています。この普及率をクリティカルマスと言います。

また、製品ライフサイクルの導入期にはこのイノベーターとアーリーアダプターの一部が主な購入者であるといわれています。

■まんがについて

今回のまんがは先輩を
アーリーアダプターとして描いています。アーリーアダプターである先輩は何らかの価値を感じて耳みたいなものをつけているようです。

そして彼女はオピニオンリーダーとしてコミュニティーに対して影響力を持っており、先輩がつけているとほしくなると後輩に言われています。

■あなたの周りのアーリーアダプターは誰ですか?

新しいサービスやガジェットをいち早く試して、その感想を共有してくれる友人はいませんか?そして、その感想は的を射ているので信頼されるような人です。

(新しいもの好きで、単に自慢するような、ドラえもんのスネ夫的な人はイノベータかもしれませんが、影響力は限定的です。)

彼らは無意識のうちにオピニオンリーダーとして機能し、周囲に影響を与えています。

アーリーアダプターは単なる物好きではなく、社会の中で流行を作り出す重要な役割を担っている存在なのです。

■ビジネスへの応用:アーリーアダプターには高価格でも受け入れられる?

アーリーアダプター層は、「新しさ」や「価値のある体験」に対して高い関心を持っており、価格よりも利便性や差別化要素を重視する傾向があります。

そのため、マーケティング戦略としてはスキミングプライス(上澄み価格戦略):導入期にあえて高価格を設定し、価値に敏感な層から利益を得る方法が有効に働くことがあります。

製品やサービスに先進性や独自性があり、限られた層に強く訴求できるものであれば、アーリーアダプターは「高価格=価値の証」として積極的に支持してくれるケースも有り、上手くこの層に刺さる商品開発ができれば大いに収益に貢献してくれます。

なお、逆にあえて価格を抑えて市場シェアを取りに行くといった戦略もありえます。このあたりは、ビジネスのコンセプトの問題となり正解はないのですが、自社内で整合性を取っておくと良いですね。

マーケティング
2011年10月12日

イノベーター

イノベーター_001
イノベーター(革新者)とはロジャース(Rogers)が採用者モデル理論(イノベーター理論)の中で新しいアイディアや製品・ライフスタイルの採用の早さで人々を分類したうちの一つで、一番新しいものが好きな人々の事を指します。

この種の人々はアイディアや製品・ライフスタイルが単に「新しい」という理由から進んで採用します。アイディアや製品・ライフスタイルが有用か否かはそれほど重要ではありません。

このイノベーターの割合は市場全体の2.5%程度言われています。あなたのそばにも新しい物事が極端に大好きな人がいますよね?その人がイノベーターのイメージとなります。

ただし、この種の人々は市場全体に及ぼす影響はそれほど大きくありません。イノベーターが購入したからといって市場に浸透するわけでも、流行るわけでもありません。

この採用者モデルは新しい物事を採用する速さの順で、イノベーター(Innovators)、アーリーアダプター(Early Adopters)、アーリーマジョリティ(Early Majority)、レイトマジョリティ(Late Majority)、ラガード(Laggards)の5つに人々を分類しています。

また、製品ライフサイクルの導入期にはこのイノベーターとアーリーアダプターの一部が主な購入者であるといわれています。

今回のまんがはメガネ君をイノベーターとして描いています。イノベーターであるメガネ君は有用かどうか、意味があるかどうかは全く気にせず新しいものであるからという理由で耳みたいなものをつけています。

おそらく彼は、4コマ目で言っている脳波に反応して…といった理由はどうでもよく、単に新しいということに価値を見出しているはずです。

そして、彼が購入した段階では仲間たちには斬新すぎるといわれてしまっています。彼はあまり市場に対する影響力は持っていないようです。たぶんこの耳はこの段階では流行らないのでしょう。

本格的に流行りだすためにはアーリーアダプターの登場を待つ必要があります。
財務・会計
2011年10月11日

インカムゲイン

インカムゲイン_001
インカムゲイン(income gain)とは株式や土地など資産が生み出す利益のことを言います。当該資産の所有が原因となって受け取る収入で、利息や配当、家賃、地代が該当します。

例えば100円の株を購入して5円の配当を得たとすれば5円のインカムゲインです。また、駐車場を持っていて、その駐車場代もインカムゲインとなります。

このまんがでは昨年は投資環境が非常に悪く結構な額のキャピタルロス(損失)が発生したと言っています。

しかし、2コマ目で値上がり益(キャピタルゲイン)を狙う投資の割合は小さく、3コマ目で安定的なインカムゲインを得ているといっています。

このまんがでは債券から得る利息、食堂ビジネスの収益(株式会社にして配当を得ているのでしょうか?)がインカムゲインになっていると言っています。

このインカムゲインを得るための代表的な投資は以下のとおりです。
・債権の利息(公社債)
・配当金
・REITなどの分配金
(ここまでが証券投資なので換金性が高い資産の投資になります)
・不動産の賃料
・その他
(証券投資以外のインカムゲインは換金性に乏しいですが、長期にわたって安定収入が期待できるという長所があります。)

ここに上げた資産ですが、「あんまり儲からなさそう」と感じたかもしれません。その通りで、うまく行っている企業にとっては、本業に勤しんだほうがたくさん儲かったりします。

また、補足になりますが、このインカムゲインは損益計算書の営業外収益の欄に掲載され、営業利益から営業外費用(利息など)と営業外収益を加減して、経常利益として表示されます。

実務面からの加筆:
インカムゲインが多いと一見すると企業は安定しているので金融機関からの評価が高くなりそうですよね。

しかし、金融機関からの評価は基本的には営業利益やキャッシュフローを重視しますのでインカムゲインが多くなっても本業の実力であるとはあまり評価されません。

確かに、財務面の安定性を高める一因であるとは考えられますが、あくまで本業とは関係のない収入(市場の変動に大きな影響を受ける)であることからそこまで評価が高まる事はありませんので注意が必要です。

金融機関が営業利益やキャッシュフローを重視するのは、企業の努力で売上や利益を創出できるため、様々な無形の資産(ノウハウなど)が活用できるためです。他方、インカムゲインはあくまで投資であることから、社長の能力がどんなに高くともその結果に及ぼせる影響は限定的で、企業の価値とは考えにくいのです。

そのため、インカムゲインは安定収入として魅力的ですが、良い企業は稼ぐエンジンが自社の本業にある企業である事が重要なのです。


初出:2011/10/11
更新:2025/06/09

財務・会計
2011年10月10日

キャピタルゲイン

キャピタルゲイン_001
キャピタルゲイン(capital gain)とは株式や土地など資産の価格変動によって得られる利益のことを言います。例えば100円の株を購入して150円で売却すれば50円のキャピタルゲインです。

これに対して資産の価格が下がって損をして場合にはキャピタルロス(capital loss)といいます。例えばこの100円で購入した株の価格が下がって50円になった場合には50円のキャピタルロスとなります。

また、株式を高い時に売りやすくなったら買い戻すという空売りといった手法で得られた利益もキャピタルゲインとなります。(資産の価格変動によって得られる利益であるから)

このまんがでは、部活動は何かとお金がかかりそのため運用を行っていると言っています。

3コマ目の安く買った株がだいぶ値上がりしたと言っています。このように保有している資産が値上がりし利益を得られた場合、キャピタルゲインといいます。

関連用語
インカムゲイン

■事業におけるキャピタルゲインとは

キャピタルゲインというとどうしても株式を想定しがちですが、不動産や金、仮想通貨(暗号通貨)など価格変動がある資産について使う用語です。

上では株の例を出していますが、不動産を1000万円で購入し、1500万円で売却した場合には500万円のキャピタルゲインが発生します。

なお、税制はとても複雑ですので、それなりのキャピタルゲインが発生した場合は税理士さんにご相談することをオススメします。また、特に節税などにご興味がない場合は、税務署に相談すれば適正な納税に導いてくれるのでこちらもまた安心です。

■含み益とは違います

このキャピタルゲインとは、実際に売却して利益確定した場合についての言葉です。

値上がりしていても、売らずに持っている状態=評価益(いわゆる「含み益」)が出ている資産もあるかもしれませんが、これはキャピタルゲインとは言わないので注意が必要です。

■事業の価値はそんなに高まらない

と、キャピタルゲインも利益ですから、この主の利益を沢山出していれば金融機関の評価が高まり、より多くの融資が得られると考えるかもしれませんが、多くの場合において、そのようにはなりません。

企業会計においては、本業の利益が「営業利益」として書かれますが、キャピタルゲインが決算書に記載されるとして多くの場合は「特別利益」の欄に記載されます。

金融機関などは本業での稼ぐ力である「営業利益」や経常的に稼ぐ力である「経常利益」を重視しますので、来期も続くかわからない(というか概念として毎年続くことを想定しない)特別利益はそれほど重視しないのです。

なお、不動産屋さんにおいては、仕入れた不動産の値上がり益は営業利益に乗ってくるケースが多いので補足します。

関連用語
グロースキャピタル戦略
マーケティング
2011年10月9日

専門品 | 専門品を買うための労を消費者は惜しみません

専門品_001
専門品とは消費財を購入のされ方で最寄品買回品、専門品と分類したうちの一つです。

この専門品は消費者が特定の製品を指定して購入するものです。このような専門品は消費者は購入するために労を惜しまず、良いものがあると聞けばかなり離れた場所まで買い物に出かけます。

価格は、最寄品や買回品と比べてかなり高く、購買頻度は非常に低くなります。

具体的には、楽器や自動車や宝石、高級時計などが該当します。

専門品についてまとめると以下のようになります。

1.行動
遠方のお店を訪問するなど購入に当たり特別な努力を行う。

2.購買頻度
購買頻度はごく低い。

3.価格帯
一般に非常に高い価格帯。

4.商圏
極めて広域になります。そのため、場合によっては専門品が欲しいために上京してくるといった事すら起こります。

このまんがでは、フレンチホルンを素材に専門品の説明を行っています。フレンチホルンという楽器を買うためには場合によっては海外の工房を訪問することを考えるとも言っています。

最寄品である食品を買うために海外の生産者を訪問するなんて考えもしませんよね。それを考える余地があるほど、特別な努力をしてもよいと思わせるのが専門品なのです。
  • 専門品を取り扱う場合は
専門品は、消費者が極めて厳しく比較検討するものとなります。そのため、どれだけ商品知識をもって販売できるかが重要となります。そのため、人的販売が非常に重要になります。

また、お店も高級感を持つことが重要となります。場合によっては一生に一度のお買い物となるわけですから、間接照明なども組み合わせて商品を際立たせるような陳列が大切になります。

また、しっかりと接客できるスペースを設けることも必要です。場合によっては、商品の陳列数を犠牲にしてでも、接客用にソファーを置くなどの工夫も重要です。
  • 在庫管理について
在庫管理については、極めて厳格に管理する必要が出てきます。流行に左右されないものが多いとは考えられますが、技術の進歩による陳腐化などが発生してしまうと大きなロスが生じますので、必要十分な数量を確保することを心がけましょう。

  • 顧客管理について
専門品を販売する場合は、顧客管理が重要となります。顧客との関係性を構築し、顧客生涯価値(LTV)を最大化できるように適宜連絡を取る等工夫をしていくことが重要です。

マーケティング
2011年10月7日

買回品 | 購入するために比較検討しながら「買いまわる」商品です

買回品_001
買回品とは
消費財を購入のされ方で最寄品、買回品、専門品と分類したうちの一つです。

この買回品は消費者が価格や品質を比較していくつかのお店を見て回ったりしながら購入するものです。まさに消費者が「買いまわる」というのがこの買回品のイメージです。

価格は、最寄品に比べて比較的高く、購買頻度は比較的低くなります。

具体的には、家具や家電、衣料品などが該当します。

買回品についてまとめると以下のようになります。

1.行動
複数のお店を回り、機能やデザインなどを比較検討する。

2.購買頻度
比較的購買頻度は低い。

3.価格帯
比較的高い価格帯。

4.商圏
比較的広域にわたり、近隣の消費者だけでなく多少遠方から購入のために訪れます。

このまんがでは、コンポを素材に買回品の説明を行っています。3コマ目で言われている通り、それを買うためにほうぼうを買いまわるといった事が買回品の特徴となっています。
  • 買回品を取り扱う場合は
この最寄品、買回品、専門品という分類は相対的なモノですが、買回品を自社が扱っている場合は、消費者がしっかりと比較して購買することができる売り場づくりが重要となります。

このまんがの例のコンポの場合、家電の販売店となるので次のような点に気を配った販売が重要となります。

まず、しっかりとテーマ性をもって訴求します。例えば新年度ならば、新社会人や学生さんが利用することが想定されてますので、利用シーンを思い浮かべることができるように訴求することが重要です。

また、店舗の従業員によるしっかりとした接客販売(人的販売)も行う必要があり、消費者の質問に答えられるだけの商品知識のある従業員の配置が重要となります。

このほかには、お店の雰囲気(気持ちよく店舗でお買い物していただけるように、照明や音楽など)に気を配るといった点にも注意が必要です。

また、服飾系の商品を取り扱うならば、陳列も展示陳列を検討する必要があります。

・在庫管理について

在庫管理については、シビアに管理する必要が出てきます。特に流行が強く表れる商品の場合は、定期発注方式などを用いて重点管理をしていかないと、陳腐化してしまい商品ロスが発生しますので注意が必要です。

マーケティング
2011年10月6日

最寄品 | 身近な商品なので消費者は購入するために必要最小限の努力しかしません

最寄品_001
最寄品とは消費財を購入のされ方で最寄品、買回品専門品と分類したうちの一つです。

この最寄品は消費者が日常的に頻繁に購入する比較的安価な商品です。消費者はこのような商品を購入する際、必要最小限の努力しかしません。

この必要最小限の努力とは、いくつかのお店を見て回ったり、価格や品質を比較検討するようなことはあまりしないということです。

具体的には、食料品や日用雑貨などが該当します。

最寄品についてまとめると以下のようになります。

1.行動
あまり比較検討などの努力をせず、衝動的に購入する。

2.購買頻度
比較的購買頻度は高い。

3.価格帯
比較的低い価格帯。

4.商圏
比較的狭い範囲となります。そのため近隣の消費者が購買の中心となります。

このまんがでは、焼き芋を素材に最寄品の説明を行っています。3コマ目で言われている通り、買うために特別な努力をしないといった事が最寄品の特徴となっています。
  • 最寄品を取り扱う場合は
この最寄り品という分類は相対的なモノですが、最寄り品を自社が取り扱っている場合は、消費者が気軽に購入できる売り場づくりが重要となります。

そのため、清潔感を持ったお店で購入しやすくする事に主眼を置いて訴求をしていくことを心がけていきます。

適宜POP広告を用いて商品の魅力を訴求しますが、消費者はあまり比較検討をしませんので自社が信頼できるお店であることを訴求し購入しやすいお店作りを優先する必要があります。

また、店舗の従業員によるしっかりとした接客販売よりも、お買い物のしやすいお店作りの方が優先されます。

顧客に対して、ワンストップサービスを提供する(例えば生鮮三品をすべて一応は取り扱う等)ことなどが重要な考え方となってきます。

非計画購買(いわゆる「ついで買い」)も十分にある価格帯ですので、ついでに買ってもらえるような売り場づくりを心がけると客単価向上につながります。
  • 在庫管理について
在庫管理については、ABC分析を行ったうえで、定量発注方式などを適宜組み合わせて対応します。

廃棄ロスを恐れすぎて、機会ロスを発生させないように十分に商品を確保するようにします。ただし、そうはいっても廃棄ロスは最小限に抑えるために日付管理を徹底する等の工夫は必要となります。
マーケティング
2011年10月5日

生産財 | 何かを生産するために使われる商品は生産財です

生産財_001
生産財とは生産者が原料や製品、設備、サービスなどを生産するために使用されるものです。財はその使用目的によって、消費財と生産財とに分類することができますが、消費者が自分で使用しない場合生産財となります。

具体的には、布や針や糸、工業用ミシンなど製品の材料や製品を作るための道具となるものです。あまり一般消費者の目には触れませんが、経済的には非常に大きなウエイトを占める財となります。

生産財と言うと比較的価格が高いように思われるかもしれませんが価格の工程ではなくどのように使うかが重要となります。

また生産財にも耐久生産財と非耐久生産財というものがあります。そのためどのように使うかという生産財か消費財という軸と、耐久度による耐久財か非耐久財という軸の二つで財が分類されるのです。

ここで注意する点は、同じものであっても、最終消費者が使うものは消費財となります。たとえば同じ布や針、糸であっても、個人が使用するものは消費財となります。

neko
ファンシーショップの場合ってほとんど消費財を売っているって事でいいのかな。

onnanoko_bustup
そうとも限らないのよ。だってウチで売ってる針とか糸とかはハンドメイド作家の人が使うのであれば生産材だしね。

neko
あとあれだね。うちの商品を転売してる人にとってはこれはどうなんだろう。

onnanoko_bustup
うーん、お店で買って転売で儲かるってすごいよね。



■消費財との比較

この生産者が使用するという定義から消費材と比較して次の事を言うことができます。

■1.顧客の特徴

少数の顧客が地理的に集中している(工業地帯のイメージです)。あくまで生産財となりますので B to B が中心となってきます。

そのため心理的価格政策などの対消費者向けのテクニックはあまり通用しません。
 

■2.購買数量

大量購買。このため相手が価格交渉力を持っていることも多く、対消費者のようにこちらで決めた価格がある程度通用するということもありません。

またその生産財市場の大きさも特徴となります。生産財市場自体が目立ちはしませんが非常に大きな市場です。そのため取引される商品材のロッドも大きくなります。

■3.顧客の専門能力

コストパフォーマンスをシビアに検討する専門家。

このまんがでは、1コマ目で食品は常に『消費財』になるか?と聞いています。2コマ目では、先輩が同じねぎであってもお弁当の材料となる場合は生産財になると言っています。それを受け、生産財、消費財とは使用目的での分類であると言っています。

このことから同じものであっても、使用目的が違えば生産財にも消費財にもなりうると言っています。

なお、消費財と生産財をあわせて有形財ということもあります。形のある財は消費するか、生産に用いるかといった風に用途で分けれれますよという感じですね。

解説で出てきた用語・関連用語
BtoB
非耐久財
消費財
マーケティング
2011年10月4日

消費財 | 自分自身で最終消費するものはなんであれ消費財になります

消費財_001
消費財とは最終消費者が個人や家庭で使用するために購入するものです。財はその使用目的によって、消費財と生産財とに分類することができますが、最終消費者が自分で使用する場合消費財となります。

具体的には、食料品から洗濯機や冷蔵庫のような家電、PC、衣料品、マッサージサービスなどのように個人が使用するようなモノやサービスのイメージとなります。

一般的な小売業家電量販店で買ってくるような商品が消費財であるとイメージしてもらえればと思います。

この区分は商品のものというよりも、誰が利用するかといったところに視点をおいた区分になります。

例えば同じ商品であっても、家庭で消費するのであれば消費財となりますし飲食店などの食材になるのであれば生産財となります。 

また長く使う消費財は耐久消費財、一度しか使わないような商品については非耐久消費財といった形で分類がされます。

neko
さすがにウチの商品は全部消費財だよね。

onnanoko_bustup
そうねファンシーショップの商品は基本的に消費税になると考えられるわね。

hiyoko
ふふふ甘いのね。ファンシーショップでも生産財になり得るもの売ってるわ。そもそも消費財と生産財はどう使うかの区別だから、何が生産財になるのか分からないのよ。

■生産財との比較

最終消費者が個人や家庭で使用するために購入するという定義から生産財と比較して次のようなことを言うことができます。

■1.顧客の特徴

多数の顧客が全国に分散している。また組織だった購入行動を行いません 。そのため心理的価格政策などのテクニックが有効に機能する場合があります。

■2.購買数量

少量購買が中心となります。

■3.顧客の専門能力

一般消費者が顧客層なのでイメージ等で判断されます。逆にいうと、イメージ訴求が有効である。

・消費財を販売するビジネスで考慮すること 
誰に売るのかを明確にすることが非常に重要となります。お客様確かに日本全国どこにでもいます。また色々な人が消費財をかってくれると思います。

しかし誰のための商品なのかこれを明らかにすることが結果として、良い成果につながります 。

その上でどうやって売っていくかまたどのような商品が好まれるかと言ったことを常に研究していく必要があります。

いずれにしても消費財を適切に販売するということは商売のセオリーに従ってやって行くことに他なりません。


このまんがでは、3コマ目で食品は常に『消費財』になるか?と聞いています。しかし4コマ目ではそうとも限らないと言っています。

一見、食品は最終消費者が消費するために購入するもののように思えますが、 お弁当屋さんがお弁当の材料に使用するといったケースでは『消費財』ではなく『生産財』となります。また、形があるという意味では有形財に分類されます。

解説で出てきた用語・関連用語
心理的価格政策
耐久財
非耐久財
生産財
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