このまんがのように上長が部下を評価するような場合、本人は公平に評価しようとしても以下のような心理的な偏向が生じます。
1.中央化傾向
みんなの評価が似たり寄ったりになってしまう傾向です。とても良い、とても悪いという極端な評価を避け、みんななんとなく良い、なんとなく悪いといった評価をしてしまいます。
2.寛大化傾向
みんなの評価を甘くしがちになるといった傾向です。このまんがのパートリーダは一年生の評価を甘くつけています。
3.ハロー効果
ハローとは後光といった意味です。これは何か特定の項目でとても良い、もしくはとても悪い何かを持っているとその印象に引きずられて他の要素も評価されるという傾向です。例えばこのまんがのように、リズム感がとてもいい部下はそのほかの楽器演奏能力も高いとみなされるようなケースです。
4.論理的誤差
論理的に関係のあると考えられる項目に類似の評価をしてしまう傾向です。
5.近接誤差
短い時間にたくさんの人を評価したり、評価シート上の配列が近い場合に近い評価をしてしまうような傾向です。
6.対比誤差
評価を行う人と評価される人が対照的な特性を持っている場合に、過大評価もしくは過小評価してしまう傾向です。例えば、神経質な評価者が、おおらかな部下に正しく評価することができずに、過大評価してしまうようなことが考えられます。
7.期末効果
ある期間の評価をするにもかかわらず、評価時点近くの印象で判断されてしまうという傾向です。たとえば、評価の前月までは成果を上げていた人が、評価月に急に態度が悪くなった場合その人のその期間の評価が低くなるといったことがあります。
このような心理的な傾向があることを知ったうえで評価を行う事は、人事考課などに役立てることが可能です。