間接費というのは発生したコストが直接に製品に結び付けられない費用の事を言います。関連した概念で直接費というものがあり、こちらは直接製品に結び付けられる費用です。
これらの事をまんがに出てきたたこ焼きとお好み焼きで説明していきますね。
■逆に直接結びつくコストって?
直接お好み焼きとたこ焼きに結びつくコストがいくつか考えられます。
■1.直接経費
まんがの例だと、お好み焼きだけで使うキャベツやお好み焼きをひっくり返すヘラ(コテ?)はお好み焼きの直接費になります。
また、たこ焼きだけで使うタコやたこ焼きを丸くひっくり返すアイスピックみたいな棒はたこ焼きの直接費となります。
これらは材料費ではないですし、働いた費用である労務費でもないので直接経費となります。
■2.直接労務費
また、お好み焼きとたこ焼きを焼くのに直接かかった時間を測定すれば、直接労務費が計算できます。
例えばお好み焼き1つ焼くのに6分かかったので時給1000円だから、100円が直接労務費ですといった感じで計算します。
■3.直接材料費
このほかにも、材料がないとお好み焼きもたこ焼きもできません。例えば、たこ焼きのたこはたこ焼きの直接材料費となります。
このように、間接費を理解するためにまずは直接費について見てみました。
■間接費とは直接費以外の原価です
と、先に直接費について説明したのには意味があります。それは間接費は直接製品に結びつけられない費用、つまり、直接費以外の費用であるといえるからです。
この図のようにそれ以外の費用といったイメージになります。それではそれ以外の費用の要素を見ていきます。
■1.間接経費
経費というのは、材料費でもなく、労務費でもないそれ以外の費用という意味です。そのため、間接経費というのは、直接製品に結びつかないそれ以外の経費といった感じです。
今回のケースですと両方で使ったガス代や器具のレンタル代など直接的にお好み焼きやたこ焼きに結び付かない費用となります。
会計用語的には減価償却費やお店の賃借料、水道光熱費などが該当します。
■2.間接労務費
お好み焼きとたこ焼きを焼くために準備した時間など、働いたけどどちらの製品のためにはたらいたかがわからないような時間が該当します。
■3.間接材料費
共通で使った材料費が該当します。今回の例だと油などが該当しますね。
そして、この間接費は何らかの基準で割り振る必要があります。
岐阜の実家から原価計算の相談があったのですわ。なんか、最近はぬいぐるみの部品に使う材料や直接縫っている時間よりも、そのほかの機械の減価償却費とか水道光熱費、管理する人の人件費の方が多いって事らしいの。で、その配分の仕方で製品毎の原価が大きく変わるから値段の決め方が大変らしいのですわ。
あー。間接費が多くなっちゃっていて、それの配賦をどうするかなのね。それって、いろんな工場が悩んでることなのよね。
あれ、解決策について話さないんですか?
こんな難しい分野の答えが出せたら、ファンシーショップ経営者じゃなくって、原価計算コンサルタントをしているわ。
今回の例でお好み焼きとたこ焼きどちらが儲かったかを考えるためにはこの間接費を何らかの基準で割り振ってあげる必要があります。
たとえばつくった数、売上額、作業時間などを用いて割り振り計算を行います。この割り振り計算を配賦計算といいます。
■今日の製造業は間接費が多くなっています
このその他の費用といった説明でピンときた人もいるかも知れませんが、今日の製造業は間接費用がとても増えています。
測定できないと管理できないので、この間接費をどのように細かく実態に合わせて配賦計算するかといった事を偉い人たちがみんなで考え改良しているのです。
この意味で間接費の概念を理解しておくことはとっても重要な事です。
解説で出てきた用語・関連用語
減価償却