時間価値とは時間には金銭的価値があると言うことを明確にした概念です。貨幣の時間価値などとも言います。この考え方の根底には金利という考え方があります。
■同じ一万円でも価値が違う!?
今日の一万円と来年の一万円は同じ価値でしょうか?
この2つを単純に比べる事はできません。なぜならば、今日の一万円を一年間銀行に預けると金利がついて一年後には一万円以上になるためです。
逆に一年後の一万円は今日のある金額に金利がついて一万円になっているわけで、今日の一万円分の価値はありません。
このことからざっくりと価値を示すと
今日の1万円>1年後の1万円
となります。
■具体的にどれくらい価値が違うの
例えば金利を5%と仮定すると一年後の一万円と今日の9,529円は同じ価値となります。(5%の金利がつくと一年後に一万円になります。)
このように異なる時点の金額を比較する際には、単純に大小を比較するのではなく金利分を考慮して考える必要があります。
・金利水準が高くなると時間価値という考え方重要となります
現在の我が国においては、金利がほとんど無視できるほど小さくなっているため、あまり貨幣の時間価値を意識する人は多くないと思います。
この絵の例ですと、支払い総額は一緒になるため、分割で支払った方が(支払いのタイミングを遅らせる事ができる分だけ)お得になるという事が言われています。
■金利以外の要素
貨幣の時間価値を生む要素は金利以外にもあります。
例えば、インフレ率が高ければ将来のお金は今日のお金よりも価値を失っています。今日の1万円で買えるものと将来の1万円で買えるの価値を比較して、将来の1万円でか得るものの価値が低くなるのであれば(インフレしているならば)今日の1万円と将来の1万円は価値が異なります。
また、将来は予想が難しいため、時間的に遠くなればなるほど不確実性といった意味のリスクは高まります。
投資をする際はリスクプレミアムと言って、リスクが高くなればなるほど投資家が要求する利回りは高くなります。
つまり、今の1万円は将来は1万円以上でなければならないのです。
また、1万円を使って得られたはずの利益を先送りするといった要素もあります。これは機会費用となりますが、この考え方でも今の1万円は将来の1万円以上でしか釣り合わないのです。