

プライスリーダーとは、業界全体の価格設定に影響を与えることができる業界リーダーのことを言います。簡単に言うと、価格支配力を持った企業という事です。
プライスリーダーは市場シェアが二位以下の戦略を出方を見ながら戦略を考えることが可能です。なぜならは市場で最大の経営資源を持っているからです。
そして、プライスリーダー以外の競合他社はプライスリーダーの定めた価格を基礎として、自社の価格を設定する事となります。(プライステイカーといいます)
■プライスリーダーとプライステイカー
この業界全体に影響力をプライスリーダーに対してその他大勢の企業をプライステイカー(価格受容者)といいます。ざっくりとこの2つを表にまとめてみました。
項目 | プライスリーダー | プライステイカー |
---|---|---|
価格決定権 | 自社で価格を決定する | 市場価格を受け入れる |
市場での立場 | 業界のリーダー企業 | フォロワー(追随者)企業 |
競争戦略 | 価格を維持・安定させることで主導権を維持 | リーダーの価格を前提に自社の利益を確保 |
影響力 | 業界全体の価格形成に影響を与える | 価格にはほとんど影響を与えない |
典型的な業界構造 | 寡占市場 | 完全競争市場 |
代表例 | トヨタ、ユニクロ、Amazon(カテゴリによる) | 中小規模の同業他社 |
これらの代表例と比較して、中小規模の同業他社が価格決定する力がないことは明らかです。自社が適正な利潤を取ろうとしてある程度の高値をつけても、プライスリーダーが決めた価格帯から逸脱して高額だったならば、殆ど売れずに市場から退場させられるのが想像されますよね。
■プライスリーダーは自ら値下げはしない
このような市場全体の構造から、プライスリーダーが自ら値下げをすることは無い(少なくても戦略定石としてはあまり考えにくい)といえます。
例えばプライスリーダーが値下げした場合、ほかの競合他社はその値下げに追随せざるを得なくなってしまいます。

<この図は、プライスリーダーが価格を決定し、競合が追随する流れを示しています。競合が値下げしてもリーダーは動かないという力関係がポイントです。>
逆に、プライスリーダー以外の競合他社(プライステイカー)が値段を下げたとしても、プライスリーダーは追随する必要はありません。なぜならば、プライスリーダーは市場シェアを十分に握っており、その結果として最も低コストで製品を供給できるだけの経営資源を持っている可能性が高いからです。
そのため、競合他社が非常に無理をしてせってした価格に付き合わなくとも、相手の息切れを待つことが可能です。
また、仮に競合他社が市場シェアを侵食して来たとしても、十分な余力を持って対処することができるため、慌てて追従する必要がないからです。
このように、業界のリーダーはあえて価格競争を行わないという選択肢が一般的なのです。(リーダーの戦略定石)
例えばプライスリーダーが値下げした場合、ほかの競合他社はその値下げに追随せざるを得なくなってしまいます。

<この図は、プライスリーダーが価格を決定し、競合が追随する流れを示しています。競合が値下げしてもリーダーは動かないという力関係がポイントです。>
逆に、プライスリーダー以外の競合他社(プライステイカー)が値段を下げたとしても、プライスリーダーは追随する必要はありません。なぜならば、プライスリーダーは市場シェアを十分に握っており、その結果として最も低コストで製品を供給できるだけの経営資源を持っている可能性が高いからです。
そのため、競合他社が非常に無理をしてせってした価格に付き合わなくとも、相手の息切れを待つことが可能です。
また、仮に競合他社が市場シェアを侵食して来たとしても、十分な余力を持って対処することができるため、慌てて追従する必要がないからです。
このように、業界のリーダーはあえて価格競争を行わないという選択肢が一般的なのです。(リーダーの戦略定石)
■市場シェアを取りすぎないという選択もありうる
この背景には、最適な市場シェアを維持することの方が市場シェアを単純に最大化するよりも利益につながるといった冷静な判断があります。
例えば、市場シェアを過剰に取るために魅力的ではない市場に進出するのではなく、美味しいところだけ確保したシェアを維持できればそれでいいのです。
そのため、価格を維持するといった発想にがあるのです。
例えば、市場シェアを過剰に取るために魅力的ではない市場に進出するのではなく、美味しいところだけ確保したシェアを維持できればそれでいいのです。
そのため、価格を維持するといった発想にがあるのです。
このようにプライスリーダーは業界全体の価格設定に主導権を持てる立場であるということができます。
この意味でプライスリーダーが存在する市場においては、商品の価格が下がりにくいという傾向が出てきます。
この価格の下方硬直性は 商品やサービスの供給元が少ない場合だけでなく プライスリーダーが存在する場合も生じるのです。
この価格の下方硬直性は 商品やサービスの供給元が少ない場合だけでなく プライスリーダーが存在する場合も生じるのです。
■仮にプライスリーダーが値下げをする場合
このような場合もプライスリーダーの立場はとても有利です。
例えば、あなたの会社が業界の中でプライスリーダーでなかったとします。その時、プライスリーダーがさらなる市場シェア拡大を目指して衝撃的な水準の値下げを断行したとしたら、その値下げに追従しないわけにはいかなくなります。
たとえそれが、あなたの会社にとって適正な利潤を到底確保できる水準でなくてもです。
例えば、あなたの会社が業界の中でプライスリーダーでなかったとします。その時、プライスリーダーがさらなる市場シェア拡大を目指して衝撃的な水準の値下げを断行したとしたら、その値下げに追従しないわけにはいかなくなります。
たとえそれが、あなたの会社にとって適正な利潤を到底確保できる水準でなくてもです。
このようにプライスリーダーはほぼ一方的な力を行使することができるのです。
■プライスリーダーはその市場で最強の企業です
上記のことは、プライスリーダーは通常、その市場内で最大の企業であるということが背景となります。
そのため、規模が大きいことによる低コスト(規模の経済)や累積生産数が多いことによる低コスト(経験曲線の効果)を享受しています。
そのため、規模が大きいことによる低コスト(規模の経済)や累積生産数が多いことによる低コスト(経験曲線の効果)を享受しています。
簡単に言うとプライスリーダーは競合よりも安く物を作れるんですね。そして、そのような企業が価格設定の主導権を持って、価格を維持している場合、2位以下の競合他社は何とかしないとジリ貧になってしまいます。
このまんがでは2コマ目ではリーダーの言う事に、その他の人たちは追従せざるおえない事を示しており、3コマ目では逆にその他の人たちの行動にリーダーは付き合う必要がない事を示しています。
まあ、通常はこのまんがのように振る舞ったら感じ悪いですよね。
プライスメーカー
まあ、通常はこのまんがのように振る舞ったら感じ悪いですよね。
解説で出てきた用語・関連用語
市場シェア価格の下方硬直性
プライステイカープライスメーカー
参考記事
プライスリーダーに対抗するためのに:競争地位の4類型■プライスリーダーに対抗するために(中小企業の戦略)
多くの読者は中小企業側の立場で本記事を読まれると思いますので、プライスリーダーへ対抗する方向性を示して本記事を締めたいと思います。その方向性は、プライスリーダーと正面から戦わない・相手にしないということです。
例えば、
- 地域密着のサービス(迅速な対応、地域柄に合わせた柔軟なカスタマイズ)
- 専門性の高さや、ニッチ市場を深堀りする
- ブランドストーリーなどナラティブな文脈で理念追求したり共感を形成する
- アフターサービスなど保証の手厚さで戦う
中小・小規模事業者さんはパンを作るなら、独自の酵母を使うとか、この街で取れた酵母を使うとか、あなたの会社が適正な利潤を確保して存続できる値段を正当化できるストーリーや差別化要因を作り上げることが重要なのです。
初出:2012/05/17
更新:2025/07/14