フリンジベネフィットとは、従業員に対して賃金以外に支払う様々な給付のことを言います。このフリンジベネフィットは従業員のモラール(士気)の向上を目的としていると言われています。英語ではfringe benefitと表記します。
このフリンジベネフィットは、有給休暇や、社宅サービス、家族手当、各種社会保険まで含んだ概念なので、福利厚生費よりも広い考え方です。(社会保険にかかる費用は福利厚生費ではなく、法定福利費になります。)
日本はかつて先進国の中でもフリンジベネフィットが手厚いと言われていました。これは表面上は同じ賃金水準であっても、様々な手当や福利厚生が期待できたため実質的には沢山の賃金をもらっているのと同じことであったためです。
安い金額で社宅には入れれば、一般の家賃水準との差額分だけお金をもらっているのと同じことになりますよね?そのため、お給料以上に良い暮らしをしている人が多く、金銭面でも報われていたのです。
しかし現在では、企業が儲からなくなってきた事によって、相対的に労働分配率が上昇してしまったことや、労働者側も団結して労働組合を作るといった事が行われにくくなっていることから、フリンジベネフィットが手厚いといった話は過去のものとなりつつあります。
■福利厚生で対応すると
このフリンジベネフィットですが、経済合理性があったため広まった考え方です。
まず、フリンジベネフィットの一つである社販を考えて見ます。この社販は市場価格よりも安く従業員へ商品を提供する事ができますし、商品の提供者側にとっても、小売価格分のコストがかかっている訳ではありません。
また社宅なども、自社で社宅を用意するならば不動産賃貸業にとっての一番大きなリスクである空室リスクを無視することができるため、見た目ほどはコストがかかりません。
会社にとっては、原価で従業員に対して小売価格の経済的価値を与えることができるのです。
また従業員にとってはフリンジベネフィットで受け取った経済的価値に対して税金がかからないというのも見逃せないメリットとなります。
そのため、比較的低いコストで従業員の待遇改善が実現でき、その結果従業員の士気が向上するのですね。
みんなに、おいしい鯛焼きを買ってくることにしましたー。
わーい。ぼく鯛焼き大好き。手に持ってるのもニジマスだし、魚好きだよー。
ふふふ、コストがあんまりかからないで従業員の士気を高める事ができる福利厚生っていいわね。(にっこり)
でも、僕ら鯛焼きに釣られて頑張るほど安くないんですよ。
まあいいわよ。みんな頑張ってくれてるから。(なんて、差し入れをした後は3日間ほど生産性が上がっているのを知っているのよね。)