まんがで気軽に経済用語

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PPM

経営
2014年8月25日

問題児 | 問題児が花形に育つケースもたくさんあります(育たない可能性も高いので問題児なのですが)

問題児
問題児とはPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)における考え方の一つで、市場シェアが低く、市場自体の成長率が高い製品群のことを言います。

市場シェアが低いので経験曲線効果はあまり効いてきませんし、競合他社と比較して規模の経済もあまり効きません。つまり、あまりお金が入ってこない事業であるという事ができるのです。

しかも、お金が入ってこないだけなく、お金をどんどんつぎ込んでいく必要があるという特徴もあります。

というのは、市場自体が成長しているので、お金をつぎ込まないと今の市場シェアすら維持できないからです。

「どうしてそんな問題児にお金を使うの?」と考える人もいるかもしれませんが、問題児にお金を使うというのは割とセオリー通りの考え方になっています。

というのは、市場自体は成長しているので上手く立ち回れば大きな市場シェアを獲得することが可能だからです。市場シェアさえ取れれば問題児は花形に育っていきます。

イメージとしては、才能のある若手俳優といった感じです。今はまだ大きく稼げないですが、俳優養成所に通ったり、ちょっと背伸びをした消費活動をすることによって自分を磨いているような感じです。なんとかスターつまり花形になる事を目指してどんどん投資していくような感じですね。

もっとも、市場シェアが採れない内に事業自体の成長率が下がってしまうような場合もあり得ます。

このような場合、負け犬という位置づけになってしまうため、傷口が広がる前に早期撤退するという選択肢もあり得ます。

「問題児」は、「金のなる木」の余剰資金を早いうちに集中投資をして、シェア拡大により「花形事業」にするか、「負け犬」になるのを回避するために、早期撤退するかの判断が必要になります。
経営
2014年8月25日

負け犬 | 自分の職場をこんな風に言われたらテンション下がりますよね

負け犬
負け犬とはPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)における考え方の一つで、市場シェアが低く、市場自体の成長率も低い製品群のことを言います。英語ではdogなどと表記されます。

この負け犬に位置付けられた事業は、市場シェアが低いため、競合他社と比較してコスト高になりがち(あまり儲からない)し、市場自体の成長率が低いため、挽回が困難(でもあまりお金もかからない)といった特徴があります。

このようなことから撤退を検討するのが定石であると言われています。(参考:撤退戦略
  • 士気の維持も困難です
また、もし社内でPPMで区分された事業の位置づけを共有しているならば、負け犬に位置付けられた事業に携わっている人の士気を維持することも困難になってきます。

もしあなたが『負け犬』と呼ばれる事業に配属されたとしたらやる気を維持できる自信がありますか?また、社内や取引先から「あそこの事業部は負け犬だから…」などとみられて、そのように取り扱われる(投入すべき資源が投入されないなど)結果本当に負けてしまうという『自己成就的予言』といった事も指摘されています。

このように負け犬に位置付けられると非常に不利な戦いを強いられる可能性が高いのです。
  • とはいえ
とはいえ、負け犬事業に「多額の資金を投入してきたんだから今更引けない。もっと投資をして金のなる木に転換させるんだ!」との判断をしてしまう経営者もいます。

もちろん、可能性はゼロではありませんが、一般的に言ってそのような経営判断はサンクコストに囚われている判断なのであまり得策とは言えません。(今回のまんがも「あきらめない事が大切」とサンクコストに囚われた発言があるようです。)

また、様々な撤退障壁があって、引くに引けないといった状況になるケースもあります。

関連用語
問題児
経営
2014年8月19日

金のなる木 | いかにも儲かりそうな、それでいて実際儲かる事業のことを言います

金のなる木
金のなる木とはPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)における考え方の一つで、市場シェアが高く、市場自体の成長率が低い製品群のことを言います。英語ではcash cowと表記されます。英語にしろ日本語にしろいかにも儲かりそうなネーミングですね。
 
さて、金のなる木に位置付けられる事業ですから、やはり非常に現金をたくさん生み出してくれます。簡単に言うと儲かる事業という事です。

でも、どうしてそんなに儲かるのでしょうか?
  • 儲かる秘密
金のなる木は、市場シェアが高く、また市場自体の成長率が低いという位置づけにあります。というと「なんだか市場があまり成長していないと儲からなさそうな雰囲気がるけれども…」と思う人もいるかもしれませんね。

でも、市場があまり成長していないという事が大きく儲かるために大切なことなのです。
 
というのは、市場シェアが大きいと、経験曲線効果などが効いていて、競合他社よりも安く製品を提供できるようになっていくのです。(大きく儲かる)そして、市場の成長率が低いため、特にあまり新規の投資をしなくても市場シェアを維持することが出来るのです。(あまりお金を使わなくて済む)

つまり、大きく儲かるにもかかわらず、あまりお金を使わなくて済むので、結果としてお金が残るというわけです。

そしてこのような事業に位置付けられるところで上がった収益を、花形問題児に投資して次の金のなる木を育てましょうというのがPPMの基本的な考え方なのです。

関連用語
負け犬
経営
2011年7月3日

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)

ppm_001
PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)とは、企業の複数の事業を市場成長率と、相対的市場シェアの高低によって分析し、全社レベルで最適な経営資源を実現するための手法です。

これは、先日解説した経験曲線
と、製品ライフサイクルから導き出された考え方です。すなわち、

1.どのような製品であっても、成長は鈍化する時が来る。
2.シェアの高い製品は、累積生産量が増やせるためコストを下げる事が可能である。
3.成長性の高い製品はそれだけ資源の投入が必要である。

という前提のもと、縦軸に市場成長率を、横軸に相対市場シェアをとった図を作成し、分析します。

ppm_1


花形製品
 花形製品はシェアが大きいため、コストを下げる事が出来るため資金流入は大きいですが、市場成長力が大きいため、その分資源の投入も必要であります。資金の流入はそれほどありません。

問題児
 問題児は、シェアが小さいためコストは十分に下がっていませんが、市場成長力が大きいため、資源の投入は必要です。そのため、資金の流出が発生します。

金のなる木
 金のなる木は、シェアが大きいため、コストを下げる事が出来るため資金流入は大きく、市場成長力は小さいため、資源の投入はあまり必要でないです。資金の流入が多く、まさに金のなる木です。

負け犬
 負け犬は、シェアが小さいためコストは十分に下がっていませんし、市場成長力は小さいです。資金の流入はそれほど無いもしくは、赤字になっている場合が多いです。


PPMの欠点としては、上のまんがで指摘されている通り、

1.モチベーションの低下と自己成就的予言
「負け犬」に位置づけられた人々の動機付けは非常に難しくなり、しかも「負け犬」のレッテルが貼られてしまうと、その事業部は内外双方の人がそのようにみる事によって、本当に負け犬になってしまいます。

2.質的評価が難しい
経営資源の蓄積(ノウハウなど)は評価が難しいため適正に評価されない場合があります。

3.新規分野の展開の手掛かりにはなりにくい
PPMの分析対象は既存事業であるため、新規事業へ進出すべき方向を見出すことは難しいです。
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