ERG理論とはモチベーションの理論の一つで、マズローの欲求段階説をアルダーファー(Alderfer)が修正したものです。
このERGはそれぞれ、生存(existence)、関係(relatedness)、成長(growth)の頭文字であり、この生存、関係、成長の三つの欲求を元にモチベーションについて説明しようとしたものです。
このERG理論はマズローの欲求段階説を修正したものであるので、マズローの欲求段階説の低次の欲求が満たされた場合にはその欲求の重要度を減少させ、更に高次の欲求の重要度を増加させるとした仮定を受け継いでいます。
そのうえで、次の仮定を加えています。
・欲求の各段階は同時に活性化することもある。
・高次の欲求が満たされない場合、より低次の欲求が重要視される。
マズロー欲求段階説の場合、低次の欲求が満たされた場合のみ、より高次の欲求へ段階的に移行するとしていました。しかし、ERG理論では同時に活性化することもあるし高次の欲求が満たされない事を低次の欲求で補う場合があるとしています。
一言で比較すればマズローの欲求段階説は低次の欲求から高次の欲求への一方通行を想定していましたが、ERG理論では相互に行き来できるし、唐突にほかの欲求が活性化することもあるという事です。
例えば、最上位の欲求である成長の機会に恵まれない人(Gが満たされない)が職場内での仲間づくりを非常に重視する(Rを満たそうとする)といったケースが考えられます。
また、職場内での人間関係がうまくいかない場合(Rが満たされない)にひたすら自己の成長を志向する(Gを満たそうとする)といったケースも考えられます。
これらの例はマズローの欲求段階説では説明しきれない現象です。
このまんがではパートの仲間がいない状態のオーボエパートの生徒が、人間関係が満たされない(Rが満たされていない)状態から、自己の成長を志向するようになった(Gを満たそうとする)ケースを表しています。
その結果、彼の腕前は抜群だと部長に言われています。
その結果、彼の腕前は抜群だと部長に言われています。