赤伝とは、処理済みの伝票を取り消す際に発行される取り消し伝票の事を言います。しばしば、赤字で記載されることから赤伝と呼ばれています。
イメージとしては、あなたがお店で買った商品を返品した際に、お店側で売り上げの事実を取り消すために作成する伝票です。
但し、別に返品だけに限るわけではなく、既に処理済みの処理を取り消すといったニュアンスの方が強い伝票となります。
■返品時などに使われます
例えば、お店に行って商品を買ったとします。この場合は、通常の伝票に売上の情報を記載します。(この通常の伝票は赤伝に対して黒伝と呼ばれることもあります。)
その後、あなたがお店で商品を返品した場合、お店側としてはもう売り上げの処理が済んでいるためその取り消しを行う必要が出てきます。
この場合には、通常の処理とは異なる返品・取り消しの処理が必要となりますよね。
そして、その際に発行される伝票を赤伝というのです。
あーあ、せっかくうれたのに返品なんて残念ね。まあ、お客様が必要ないっていうなら仕方ないけどね。あ、猫君。返品処理よろしくね。
わかりました。でも、残念ですよね。あ、この返品なんですけど、2件あったんですね。
そうよ、一つは今日の売上分でもう一つは昨日の売上分よ。
昨日の売上はっと、あ、処理済みかぁ。だったら赤伝を切って。今日の分はまだ処理していないから単に取り消しでいいですよね。
ありがとうね。うちは、毎晩処理をするから処理済みの取引は取り消しである赤伝を切ってもらうのよ。
■取り消しだけど赤伝にならないで済むケースもあります
この赤伝ですが、取り消しや返品処理の場合必ずきられるかというとそうではありません。
事業者のルールにもよりますが、同日内の取り消しなら赤伝が切られない場合もあります。
これは、通常の売上伝票である黒伝の取り消しで対応することが可能である場合があるからです。赤伝は既に処理したものの取り消しであるので、まだ処理をしていないならば赤伝を切る必要がないといった理屈ですね。
しかし、日付が変わった場合には、もうその売上については処理をしてしまっていますので、基本的に赤伝を切ることによって対応されます。
なお、このあたりの処理のルールは会社によって異なりますので、新しい組織に加入した方はしっかりと先輩に確認する、マニュアルを読み込むなどの対応を行う必要があります。
郷に入っては郷に従えと言いますが、ことにこういった日常の処理については正しい正しくないの話ではないので、素早く覚えて対応することが重要です。