質権とは、債権の担保として債務者の品物を手許に置き、もし弁済されない場合に、この品物を使って優先的に弁済を受ける事ができる担保物件のことを言います。
はい、何のことを言っているのか、よく分からないですね。(経営マンガの中の人も法律を勉強した際、こういった難解な言葉遣いに苦労させられました。)
そこで思い切って単純化して説明をしてみます。
例えば、AさんがBさんに10万円を貸したとします。Bさんは少しお金を返すのが苦手な人だった場合、Aさんとしては本当にお金を返してくれるかちょっと不安ですよね?
そのため、Aさんは、Bさんがちゃんとお金を返してくれるまで、Bさんから時計を預かったとします。
このような時に、Aさんは質権という権利に基づいてBさんから時計を預かっているというわけなのです。そして、Bさんに対して「ちゃんと返してくれないと時計を処分してお金を回収するよ」という無言の圧力を加えて返済を促しているのです。
- 他の人よりも優先されます
さて、この質権はモノを実際に占有する(つまり手元に置いておくという事です)という特徴のほかに、もう一つの特徴があります。
それは、債務が弁済されないとき(お金が返ってこない時)にはその手元に置いてあるモノから優先的に弁済を受けることができるという事です。
はい、また何を言っているか分からない説明ですね。そこで、こちらも単純化した例で説明してみます。
先ほどのAさんはBさんから結局お金を返してもらえませんでした。しかも、BさんはCさんから90万円の借金をしている事が判明しました。
AさんがBさんから時計をあずかっていない場合、Bさんからは全額が返ってこない可能性があります。Bさんが10万円持っていたとしても、それをAさんだけに返すわけにはいきませんよね。
でも、Aさんは時計を預かっているので、その時計を処分したお金で自分の貸しているお金を優先して回収していいのです。