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規模の経済

経営
2018年12月24日

規模の経済

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規模の経済とは同じ製品や事業では、生産量や営業量の大きい方が、単位当たりのコストが低くなる事を言います。但し、一概に規模が大きければよいという物ではなく、規模が大きくなりすぎると規模の不経済が生じるとされています。

これに似た概念としてこちらの経験曲線という考え方があります。こちらは累積生産量と単位当たりのコストに着目しているのに対し、規模の経済は一定時点での生産規模と単位当たりのコストに着目しています。また、規模の不経済は経験曲線の考え方では生じないとされています。

さて、なぜ規模の経済という現象が生じるかといいますと、

1.製品単位当たりの固定費が薄まるため。
 機械等の減価償却は一つ作ってもたくさん作っても同じであるため、たくさん作った方が製品単位当たりで負担すべき固定費が少なくなります。

2.効率的な生産規模が存在するため。
 鉄鋼業の高炉など、ある設備を導入すれば単位当たりのコストを下げられるような設備が存在しますが、小さな規模の企業では導入が難しい設備があるケースがあります。
 身近な所では学校などに置いてある輪転機でプリントを印刷するととても効率的に印刷できるのですが、コピー機だと同じプリントでも時間がかかる(人件費というコストの発生)ようなケースです。

3.労働力の専門化
 規模拡大によって、投入される労働が専門化され能率が向上する。専門的な仕事をする方が効率は上がるというケースです。

というような要因が考えられます。

さて、まんがでも指摘しているように、カスタネットのように小学校に入学する新一年生がみんな買うような楽器と、クラベス(拍子木みたいな楽器です)では一般的にはカスタネットの方が安い(もちろん高級品も存在ますが)というような現象が生じます。 

関連用語
範囲の経済

経営どうが「規模の経済
  • 中小企業においての規模の経済とは
さて、中小企業において規模の経済をガンガン活かした戦略の策定は基本的には難しいとされています。

これは、経営資源が相対的に乏しい中小企業が大企業を相手にして規模の経済性を発揮できるかといったことを考えて見れば納得できると思います。

しかし、規模の経済とは、たくさん作ればその分固定費が薄まって効率が良くなるといったのが基本的なコンセプトですので中小企業でも、小規模事業者でもその考え方を活用することができます。

例えば、工場の稼働に余裕があるならば、多少安くとも受注してしまうという意思決定の背景にも規模の経済の考え方があります。

具体的には、貢献利益がマイナスにならない限り安くしても受注すべきと言うのが規模の経済を活用した考え方となります。そして、工場長や、会計担当者は数字としては多少安屈してでも受注した方がいいといった考えを述べることとなります。

一方、経営全体を見た際には、価格を引き下げてでも受注すべきかどうかは既存の顧客とからの値引き要請の危険性、工場の稼働率向上による将来のよりよい条件での取引受注可能性の放棄(100個しか作れない工場で90個作ってしまっている場合、追加の受注をすることができません)など、決断が必要な問題でもあります。
経営
2011年7月7日

範囲の経済 | 経営資源を共用することで生まれる効果なので、うまく使うことが成功のカギになります

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範囲の経済とは、単一の事業ではなく複数の事業を持つことによって、低コストの運営が可能になることを言います。シナジーと非常に近い考え方ということもできるかもしれません。

範囲の経済性とも呼ばれ、企業規模が拡大することにより、様々な経営資源を共用することができるようになるために生じる効果であると言われています。

近い言葉で規模の経済がありますが、規模の経済は単一の製品やサービスの生産量が増加することで生じる効果です。

範囲の経済はこれとは異なり、様々な製品やサービスを一つの企業が提供する事で生まれる効果なのです。 簡単に比較すると以下のような関係性になります。

範囲の経済 規模の経済
発生する条件 一つの企業が多数の事業を行うこと 一つの事業の規模を拡大すること
生じる効果 総コストの削減 総コストの削減
効果が生じる理由 経営資源を共用することができ、単一の事業を実施する時に比べ固定費が薄まるため たくさん作ることで、固定費が薄まるため

  • 範囲の経済は経営資源が共用できることで生じる
これは、経営資源が共用できるためといわれています。経営資源が共用できると追加の費用をあまりかけずに(つまり単一事業をもつ同業他社と比較して低コストで)事業を運営する事が可能となります。

以下、具体的にどのような経営資源が共用できるかを見ていきます。

1.既存事業の販売チャネルやブランド

既存事業が持っている販売チャネルやブランドをそのまま用いることが可能です。イメージとしてはブランドを確立し店舗網を持っている薬屋さんが、関連商品として介護用品を取り扱う感じです。この場合、○○薬局の介護用品とのブランドや、店舗網がそのまま活用可能です。

2.既存事業の生産設備

既存事業が持っている工場や機械を使用できれば、追加の設備投資をせずに、新規事業に進出することが可能です。

3.固有の技術

食品事業を営んでいる企業が、その事業のなかで獲得した技術を用いて、健康食品事業に進出するケースなどがあります。


但し、何でもかんでも範囲の経済が生じるわけではありません。まんがで指摘しているように、全然合わない食品を製造・販売したり、本業のイメージを損なうようなものを製造・販売すると、範囲の経済はうまく働かないといわれています。
  • 範囲の経済を大きく働かせるためのコツ 
範囲の経済はこのような理屈で生じます。そして、範囲の経済を大きく働かせるためのコツもこの理屈から導き出せます。

それは、事業の重複範囲をなるべく大きくさせることです。

例えば、いくら範囲の経済が効いていると言っても、薬局が自社店舗の空きスペースでオーディオ機材を売るよりは、健康食品を販売する方が範囲の経済は大きく働きます。

これは、販売員といった経営資源がオーディオ機材を売る場合にはあまり重複しませんが、健康食品を売る場合には重複するためです。

また、調味料を作っている企業が、その発酵技術などを活かして健康食品を開発するなどと言ったことも範囲の経済が大きく働くと考えられます。
  • 単なる多角化とは違う
範囲の経済というと、多角化に走ろうとする相談を受けることがあります。

しかし、全く既存の事業と関係ない分野に進出してもあまり範囲の経済が効いてきません。

アンゾフのマトリックスの考え方で言うところの製品軸か、市場軸のどちらかを既存のものにすると言った考え方で企業を大きくしていけば、範囲の経済が働きつつ成長していくことができる可能性が高いでしょう。

解説で出てきた用語・関連用語
アンゾフの成長ベクトル
経験曲線
シナジー
規模の経済

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